作成日
:2021.07.09
2022.04.20 12:28
スイスで創業した有力フィンテック企業であるPrimeXMは、インターコネクション(相互接続)とコロケーションサービスのグローバルリーダーであるEquinix【以下、エクイニクスと称す】が運営するシンガポールのデータセンターSG1を活用し、アジアでのサービス拡充を図っている。
PrimeXMが2021年5月、エクイニクスのSG1の活用を開始したことで、ヘッジファンドや海外FXブローカー、ノンバンクのリクイディティプロバイダー(流動性供給業者)などは、PrimeXMのXCoreシステムを活用したアグリゲーション(流動性集約)サービスや、ホスティングソリューションなどを利用できるようになった。同社にとっては、ロンドンとニューヨーク、東京に次いで4箇所目の取引拠点になるという。PrimeXMのCIOを務めるアレクシス・ドルシオティス氏によると、同社は専門性や信頼性、及び力強い成長を追求し続ける中、現在4か所の最先端データセンターを活用し、グローバルにソリューションを提供しているという。これにより、アジアパシフィック(APAC)地域における既存顧客のニーズに対応するだけでなく、更なる顧客基盤の拡大が図れるとのことだ。
また、PrimeXMは外部委託サービスプロバイダー向け監査報告(Outsourced Service Provider's Audit Report)【以下、OSPARと称す】に関連してシンガポール銀行協会(Association of Banks in Singapore)【以下、ABSと称す】が策定したガイドラインに基づき、監査法人のプライスウォーターハウスクーパース(PriceWaterhouseCoppers, PWC)によるコンプライアンス対応に関する審査を無事に終えたとのことだ。これにより、PrimeXMのXCoreシステムやインフラホスティングサービスは、ABSのガイドラインで求められているセキュリティ基準を満たすと共に、コンプライアンスを遵守した高品質のサービスを提供している証しになるという。PrimeXMは今後数ヶ月の間に、ABS OSPARに関連した認証を取得する意向だ。尚、PrimeXMは2018年5月以来、情報セキュリティマネジメントに関する国際規格であるISO27001に準拠すると共に、国際保証業務基準となるISAE3000に基づく年度監査を受けている。
PrimeXMは、エクイニクスのSG1を活用したサービス強化やコンプライアンスを重視した経営を実践することで、アジアパシフィック地域を中心に更なる顧客満足度の向上が期待できそうだ。
release date 2021.07.09
出典元:
ニュースコメント
アグリゲーション機能を強化する海外FXブローカー
PrimeXMの主力事業は、XCoreシステムを活用した最先端のアグリゲーションソフトウェアと超低レイテンシーのコネクティビティサービス、機関投資家レベルのホスティングソリューション、MetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)のブリッジング・ホワイトレーベルサービスだ。既に250社以上のグローバル金融機関が同社のテクノロジーパートナーになる中、PrimeXMはXCoreをElektronと統合するなど、継続的にサービス機能の強化を図っている。また、PrimeXMは日本でサービスを提供する海外FXブローカーのアグリゲーターとしても機能しており、例えば、最大3,000倍のダイナミックレバレッジを導入したTraders Trustと契約を締結し、リクイディティプロバイダーからのレート集約を行っている。他方で、顧客により有利なレートを提示する上でアグリゲーションは重要な機能であり、Traders Trust以外にも質の高い関連サービスを提供する海外FXブローカーが散見されている。最近、仮想通貨CFDの取り扱いを開始したTitan FXは、同社独自の最先端インフラであるZero Pointテクノロジーのダイナミック・リクイディティ・アグリゲーション(ZP-DLA)を活用し、世界中のティア1(トップクラス)のリクイディティプロバイダーから豊富な流動性を集約することで、約定遅延やリクオートのない最良のプライシング提供を実現している。多くのトレーダーが、これら優れたアグリゲーション機能を提供する海外FXブローカーを通じ、取引を活性化することに今後も期待したい。
作成日
:2021.07.09
最終更新
:2022.04.20
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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