作成日
:2021.05.04
2022.04.20 12:27
シリコンバレーの投資会社であるAndreessen Horowitz【以下、a16zと称す】が、仮想通貨(暗号資産)分野に焦点を当てた新しいVC(ベンチャーキャピタル)ファンド立ち上げに向け、資金調達を行なっていることが明らかになった。
4月30日の報道によると、a16zは3つ目となる仮想通貨ファンドを立ち上げるために、8億ドルから10億ドルの資金を調達することを試みているという。昨年4月にa16zは仮想通貨ファンドを立ち上げたばかりだが、今回、この新しいファンドを通じて仮想通貨関連プロジェクトおよびデジタル資産への支援を継続していくとの意向を示した。
これまでa16zは様々な仮想通貨関連企業に投資しており、ナスダック(Nasdaq)への上場を果たした米大手仮想通貨取引所のコインベースなどにも出資している。その他、a16zはPolychain CapitalやCompound、dYdX、MakerDaoなどをポートフォリオに加え、仮想通貨市場でのエクスポージャーを拡大しているようだ。
今年に入ってから機関投資家の資金が流入してきており、仮想通貨市場の時価総額が2兆ドルに到達した。これに伴い、a16zを始めとするベンチャーキャピタルの動きも活発になってくると考えられるが、仮想通貨市場ではどのような展開が見られるのか、今後もこれら企業の動向を見守っていきたい。
release date 2021.05.04
出典元:
ニュースコメント
ICO衰退で存在感を増すベンチャーキャピタル
仮想通貨ブームが到来した2017年当初、仮想通貨市場ではICO(イニシャルコインオファリング)が流行し、各企業やプロジェクトが独自に資金調達を行うことが可能となった。実際に、ベーシックアテンショントークン(Basic Attention Token)がICO開始から数十秒で3,500万ドル相当の仮想通貨を売り上げるなど、一瞬で大規模な資金調達に成功する仮想通貨プロジェクトも出てきていたという。しかしながら、規制当局の取り締まりが強化されたことを受け、2018年には新規ICOによる資金調達額が97.5%減少する事態に陥ったようだ。このような背景から、現在仮想通貨市場では、a16zやUnion Square Ventures、1confirmationなどのベンチャーキャピタルが企業やプロジェクトへの資金を供給する役割を担っており、存在感を増しているが、仮想通貨を取り巻く環境はどのように変化していくのか、今後もその展開に注目していきたい。
作成日
:2021.05.04
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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