作成日
:2021.04.20
2022.04.20 12:27
4月18日、ビットコイン価格(BTC/USD)が15%近く急落し、今年2月以来最大の下げ幅を記録した。
今月中旬、コインベースの上場を追い風にビットコイン価格は6万5,000ドルを超えて史上最高値を更新したが、今回、約1万2,000ドルの下落に見舞われて5万1,541ドルまで後退した。これに伴い、アルトコイン市場も打撃を受けており、イーサリアム(Ethereum)は一時的に約18%マイナスとなる水準にまで急落したのに加え、バイナンスコイン(Binance Coin)やリップル(Ripple)、エイダコイン(ADA Coin)なども約12%前後の下げを経験している。一方、先月からの価格高騰で注目のドージコインは、仮想通貨(暗号資産)市場全体のトレンドに逆行する形で10%以上上昇したという。
今回、ビットコイン価格が下落したことに関してGalaxy Digitalの創設者であるMichael Novogratz氏は、仮想通貨市場全体がコインベースの上場で熱狂して一方的になり過ぎており、このような状況に陥ることは避けられなかったと述べた。
また、LedgermaticのCEOであるLuke Sully氏は、ビットコインマイニングの拠点となっている中国の新疆ウイグル自治区で停電が発生したことをきっかけに、同仮想通貨の売りが集中した可能性があるとの見解を示している。その他、米財務省(US Treasury Department)が仮想通貨を用いたマネーロンダリングの取り締まりを強化する恐れがあると報道されたことなども、ビットコイン価格に影響を及ぼしたと考えられる。現時点でビットコイン価格は7.7%減となる5万6,169ドル付近にまで回復しているが、どのような値動きを示すのか、今後も同仮想通貨の動向を見守っていきたい。
release date 2021.04.20
出典元:
ニュースコメント
仮想通貨の犯罪利用拡大を懸念する米財務省
米財務省は仮想通貨市場の統制を強化する方針を明確にしており、昨年末には仮想通貨ユーザーにKYC要件を課すことを提案している。更に、米財務省の外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control)は今月15日、ロシア政府の指示で昨年の大統領選挙に不正関与しようと試みた16団体に制裁を行うことを決定し、関連の仮想通貨アドレスをブラックリストとして公開した。これら団体のひとつであるパキスタンのSecond Eye Solutionは、ロシア政府の世論操作を行うInternet Research Agencyに偽の米運転免許証を提供したのに加え、その他偽装サービスを請け負った対価として250万ドル相当の仮想通貨を受け取っていたという。このような状況下において、米財務省は仮想通貨の犯罪利用が拡大することに対して懸念を強めており、今後も仮想通貨市場における当局の取り組みに注目していきたい。
作成日
:2021.04.20
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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