作成日
:2021.04.16
2022.04.20 12:27
今月14日、世界最大の仮想通貨(暗号資産)取引所であるBinance【以下、バイナンスと称す】は、コインベース株を原資産とする株式トークンであるCoinbase Stock Token【以下、COINと称す】の取り扱いを開始することを発表した。
これによりユーザーは、COINと米ドルを裏付けとしたバイナンスの独自ステーブルコインであるBinance USD【以下、BUSDと称す】の通貨ペアを取引できるようになったという。バイナンスの株式トークンは信託ポートフォリオによって価値を担保されており、保有者に配当を含む経済的な権利を付与すると同時に、手数料なしで原資産の株式に対してポジションの構築を可能にする。現在、バイナンスの株式トークンは中国本土およびトルコ、その他一部地域以外の居住者を対象に提供され、利用するにはKYC(顧客確認)およびコンプライアンス基準を満たすことが求められる。
同日、米大手仮想通貨取引所のコインベースはナスダック(Nasdaq)から1株あたり250ドルの評価を受け、同証券取引所に上場を果たした。これに関してコインベースの共同創設者兼CEOであるBrian Armstrong氏は、同社が世界で経済的自由を高めるとのミッションを抱えていると説明し、人々がより良い生活を営むために必要な金融サービスの構築に向けて更に努力しなければならないとコメントしている。
既にバイナンスはテスラ株を対象とした株式トークンをローンチしており、将来的に対応の銘柄を拡大する方針を示しているだけに、今後も同取引所の取り組みに注目していきたい。
release date 2021.04.16
出典元:
ニュースコメント
仮想通貨市場で株式のトークン化が進む
仮想通貨市場では、新たなユースケースとしてセキュリティトークンの活用が進められており、多くの仮想通貨関連企業が株式のトークン化を試みているという。クリプトバレーと呼ばれるツークを抱えるスイスでは、仮想通貨銀行であるSygnumが自社株のトークン化に成功している。その他、日本ではSBI e-Sportsの株式を対象にSBIがSTOの実施を計画するなど、国内初となる試みが進められているようだ。最近では上場株をトークン化することも可能となってきており、例えば、バイナンスと提携するCM-EquityおよびFTXがAirbnb株を対象とした株式トークンのローンチを実現している。既存の証券取引所と比較してセキュリティトークンプラットフォームは、コストや安全性、可用性の面で優れていると考えられるが、この株式トークンのトレンドは拡大していくのか、今後も仮想通貨市場での動きを見守っていきたい。
作成日
:2021.04.16
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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