作成日
:2021.02.22
2021.08.31 15:31
今月18日、イーサリアム(ETH/USD)価格が急上昇して1,928ドルに到達し、前週に記録した史上最高値を更新した。
このイーサリアム価格の上昇は、同仮想通貨の供給不足が主な要因になったと考えられている。実際に仮想通貨市場では、DEX(分散型取引所)やDeFi(分散型金融)関連サービスなどが台頭してきた影響から、仮想通貨取引所が保有するイーサリアム数が過去3カ月でマイナス10%となる2,077万ETHにまで減少しているという。これに伴い、コインベースなどの主要な取引所におけるイーサリアムの取引量自体も減少傾向にあるが、CryptoQuantのCEOであるKi-Young Ju氏はこの状況が続く限り同仮想通貨価格の上昇が継続すると予想している。
一方、デリバティブ市場では主要な取引所で平均資金調達率(Funding Rate)が高騰しており、イーサリアムを対象とした永久先物契約(Perpetual Futures Contracts)を保有するためのコストが増しているという。資金調達率は永久先物契約のロングポジションに8時間毎に課せられる手数料の水準を示し、投資家が強気な動きに出るとその値が高まるようになっている。資金調達率が高騰している事実に関してCrypto Finance AGの取引責任者であるPatrick Heusser氏は、デリバティブ市場でロングポジションが積み上がって過度なレバレッジが掛かっていることに不安を感じると語った。
このような状況下で、原資産のイーサリアム価格が期待に反して下落すれば、ロングポジションの精算を誘発すると同時に、ボラティリティの拡大を招く可能性があると言えるだろう。今年に入ってからイーサリアム価格は1,150ドルを上回るなど好調を維持しているだけに、今後も同仮想通貨の動向に注目していきたい。
release date 2021.02.22
ビットコイン価格が5万ドルを突破したことを受け、仮想通貨市場全体が盛り上がりを見せている。アルトコインの中ではイーサリアムが人気を博しており、ETH2.0のステーキング契約が6億ドルを突破するなど、投資家が同仮想通貨の将来性を見込んで需要が増加しているという。このような状況を受け、Real Vision Group共同創業者兼CEOであるRaoul Pal氏はイーサリアムがメトカーフの法則(ネットワークの価値がシステムに接続するユーザー数の2乗に比例するという法則)に従い、指数関数的に成長する可能性があると言及している。また、Pal氏はイーサリアムの時価総額や価格が、高騰前のビットコインと同等の水準にあることから、同仮想通貨が長期的な上昇トレンドに突入する可能性があると語った。アナリストの中にはイーサリアム価格が1万ドルに到達すると予想している者も存在するだけに、今後も同仮想通貨の価格推移に注目していきたい。
作成日
:2021.02.22
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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