作成日
:2020.10.28
2021.08.31 15:31
先日、ビットコイン価格(BTC/USD)は、2018年1月以来初めて1万3,000ドルを突破し、長期的な上向きのトレンドを形成する兆しを見せている。
これまでビットコイン(Bitcoin)は、一部市場参加者からは価値がないものだと批判されてきたが、株式市場の下落を受けて強気な値動きを示しているようだ。これに関してJPモルガンはミレニアル世代の仮想通貨に対する関心が拡大しており、ビットコインが金の代替として機能し始めていると説明した。またJPモルガンのあるアナリストは、ビットコイン価格が長期的な上昇トレンドを形成する可能性があると言及し、将来的に現在の2倍から3倍に到達すると予想している。2017年にJPモルガンのCEOであるJamie Dimon氏がビットコインは詐欺だと発言したことを考慮すると、その認知が大幅に改善していると言えるだろう。
近年、ビットコインは法定通貨のインフレをヘッジする目的で需要が増加している状況だ。実際にビットコイン価格は2017年から2倍、2020年に入ってから82%の上昇を記録している。しかしながらチャート上では、高値圏でコマ(値動きに迷いが生じた際のロウソク足パターン)が出現すると同時に、相場の勢いを表す14日間のRSI(Relative Strength Index)が70を超えて買われ過ぎを示すなど、懸念材料も出てきている。
それでも仮想通貨市場のマーケットセンチメントは強気に振れており、ビットコイン価格の高騰が継続するとの見方が強まっているようだ。今月25日時点で、クジラと呼ばれる大口投資家のアドレス数は1939件にまで増加し、2016年9月以来の最高値を記録しているが、ビットコイン価格はどのような推移を見せるのか、今後もその動向に注目していきたい。
release date 2020.10.28
昨今、大手企業が仮想通貨関連サービスを次々に展開しており、ペイパルが仮想通貨の取り扱い開始を計画するなど、仮想通貨市場の盛り上がりを後押しする材料が出てきている。ペイパル以外にも日本では、人気メッセージングアプリを運用するLINEがCBDC開発向けブロックチェーンプラットフォームを立ち上げ、仮想通貨市場で注目を集めているようだ。反対に懸念材料としては、デジタル人民元の発行に向けて中国が仮想通貨規制の強化を実施し、同仮想通貨以外のステーブルコインを排除する方針を示している。中国の仮想通貨市場は世界でも有数の規模を誇るだけに、その影響は計り知れないものになると言えるだろう。今の所、ビットコインを含む主要な仮想通貨はこれらのニュースにポジティブな反応を示しているが、仮想通貨市場を取り巻く環境はどのように変化していくのか、今後もその展開を見守っていきたい。
作成日
:2020.10.28
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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