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リフィニティブ、ターム物SONIA参照金利のベータ版をリリース

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update 2021.08.31 15:32
リフィニティブ、ターム物SONIA参照金利のベータ版をリリース

update 2021.08.31 15:32

2021年末に廃止予定であるLIBORの代替指標として公表

金融情報会社Refinitiv(本社:5 Canada Square London E14 5AQ United Kingdom[1])【以下、リフィニティブと称す】は、1か月、3か月、6か月のターム物SONIA(ポンド翌日物平均金利, Sterling Overnight Index Average)参照金利のベータ版をリリースしたことを発表した。[2]

同ベータ版は、銀行がロンドン銀行間取引金利(London Interbank Offered Rate)【以下、LIBORと称す】を参照しない商品・サービスの提供を開始する2020年末まで利用が可能な見通しだ。新たな参照金利は、リフィニティブのウェブサイトやWorkspace、Eikon(アイコン)、DataScopeを通じて無料で利用できるという。同社はTP ICAPのi-SwapやTraditionのTrad-X電子スワッププラットフォームのセントラルリミットオーダーブック上において、SONIAを関連付けたオーバーナイトスワップ取引に用いる参照金利の算出に、ウォーターフォールモデルを採用したとのことだ。また、Tradewebの機関投資家向け電子スワッププラットフォームを通じて、呼び値をストリーミングするという。

LIBORは、300兆ドル規模に上るデリバティブや他の金融商品取引の参照金利であるが、イングランド銀行(Bank of England)が算出・公表し、英ポンド建てスワップやローン、先物取引の参照金利であるSONIAが代替指標として用いられる予定となっている。

新たな参照金利のリリースに際し、リフィニティブのベンチマーク・インデックス部門グローバルヘッドを務めるShirley Barrow氏は、以下のようにコメントしている。

グローバル金融市場においては、LIBORよりも正確で堅固、且つ信頼性の高い代替指標の必要性が非常に高まっております。認可ベンチマーク・アドミニストレーター兼主要な参照金利の公表主体である我が社は、金融業界をサポートすべく、長年の経験を活かしてターム物SONIA参照金利のベータ版をリリースできることを喜ばしく思っております。

Shirley Barrow, Global Head Benchmarks & Indices, Refinitiv - Refinitivより引用

尚、リフィニティブは低レイテンシーなデータフィードを提供開始したほか、リフィニティブはRefinitiv Digital Investorをリリースするなど、多岐にわたる分野でサービス拡充を図っている。そして今回、同社は市場でニーズの高まるLIBORの代替指標となるSONIA参照金利を算出・公表することで、更に顧客満足度の向上が期待できそうだ。

release date 2020.07.23

出典元:

ニュースコメント

SONIAを参照した金融取引を推進する英国当局

2008年の金融危機以降、主要銀行による度重なるLIBORの不正操作を受け、同金利は2021年末に廃止される予定となっている。また英国では、欧州銀行間取引金利(EURIBOR)の不正操作に絡み、数十名の銀行員が重大不正捜査局(SFO)に訴追され有罪判決を受けている。これらの相次ぐ不祥事を受け、健全性の高い代替指標の活用を進め、同国の金利参照スキームの改革が推進されている状況だ。実際に、FCAは2021年にLIBORを廃止する計画を維持しており、金融機関に対して同金利の廃止に備える対策を要請している。英国市場におけるSONIAへの移行状況に目を転じると、デリバティブ市場において同金利を参照したスワップ取引は、LIBOR参照と同程度の取引規模に拡大しているという。またキャッシュ市場においては、2021年末以降に満期を迎える変動利付債の約85%がSONIA複利を参照しており、粛々と移行が進められている模様だ。今後も、健全な金利市場の形成に向け、英国当局や各金融サービスプロバイダーの取り組みに注目したい。


Date

作成日

2020.07.23

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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