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ユーレックス・クリアリング、日本で初めて金利スワップ取引を清算

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update 2021.08.31 15:33
ユーレックス・クリアリング、日本で初めて金利スワップ取引を清算

update 2021.08.31 15:33

ユーロ建てスワップ商品に関するリクイディティプールの拡充を模索

世界有数のデリバティブ取引所Eurex Exchange(本社:Mergenthalerallee 61 65760 Exchborn[1])【以下、ユーレックスと称す】傘下のEurex Clearing AG【以下、ユーレックス・クリアリングと称す】は6月17日、日本の金融機関と店頭(OTC)デリバティブ取引の一種である金利スワップ取引の清算を初めて行ったことを発表した。[2]

2020年3月、ユーレックス・クリアリングは日本の金融庁(Japan Financial Services Agency, JFSA)より、中央清算機関(Central Counterparty)【以下、CCPと称す】が同国で清算業務を行うための外国金融商品取引清算機関(Foreign Financial Instruments Clearing Organization)ライセンスを取得していた。これにより、日本の金融機関はダイレクトに同社へアクセスすることができるようになるほか、単一マーケットプレイス上で上場債券のみならずユーロ建て債券の店頭取引清算も可能になったという。

今回は、ユーレックス・クリアリングの清算会員であるSMBC日興証券とCitibank Global Markets Inc.が行った金利スワップ取引を清算したとのことだ。ユーレックス・クリアリングにとっては、ユーロ建てスワップ商品に関するリクイディティプールの拡充を図ると共に、世界最大級の債券市場規模を誇る日本の顧客ニーズに対応すべく大きく前進したという。

金利スワップ取引の清算に際し、ユーレックスの債券セールス部門アジア地域ヘッドを務めるMarkus Georgi氏とシティグループのOTCクリアリング兼FXプライムブローカレッジ【以下、FXPBと称す】部門アジアパシフィック(APAC)地域ヘッドであるRohit Verma氏、シティジャパンの先物・OTCクリアリング・FXPB部門ヘッドを務める柳沢俊氏、SMBC日興証券のデリバティブ業務推進部門ヘッドである奥村将貴氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

日本で店頭取引清算サービスを提供できるようになり、初めてSMBC日興証券の取引清算を行ったことは、ユーロ建て債券商品の有力グローバル清算機関を目指す我が社にとって非常に重要な出来事であります。

Markus Georgi, Eurex's head of fixed income sales Asia - Eurex Clearingより引用

ユーレックスのコネクティビティサービスは、日本における我が社のお客様に対し包括的な清算ソリューションを提供すると共に、競争環境の活性化に繋がるでしょう。我々はオンショア市場における円建て取引清算の顧客フローに関し、最も高いシェアを獲得していると自負しております。同国でユーロ建てスワップ商品の清算サービスを提供することで、我が社がトップの座を確固たるものにすると共に、業界を革新するリーダーとしての役割にコミットしていることを示せるでしょう。

Rohit Verma, Citi's APAC head of OTC Clearing and FXPB - Eurex Clearingより引用

我が社は戦略的に日本へコミットしており、同国のお客様にAgency Modelを採用したスワップ商品の清算サービスを提供することを喜ばしく思っております。我々の包括的な清算ソリューションを利用することで、お客様は豊富なリクイディティプールへのアクセスとCCPを介した清算の課題に対応できるでしょう。

Shun Yanagisawa, Citi's Japan head of futures, OTC Clearing and FXPB - Eurex Clearingより引用

金利スワップ取引清算に関し、魅力的な代替ソリューションを提供する清算機関へのアクセスを確保することは、お客様により優れた投資機会の提供に寄与すると確信しております。

Masataka Okumura, SMBC Nikko Securities' head of derivatives business promotion - Eurex Clearingより引用

ユーレックス・クリアリングが日本で初めて金利スワップ取引の清算を実現させたことで、今後も同社のグローバル市場での更なる業容拡大が期待できそうだ。

release date 2020.06.19

出典元:

ニュースコメント

ユーロ建て債券取引清算分野のグローバルトッププレーヤーを目指すユーレックス・クリアリング

ユーレックス・クリアリングは、2018年初頭に開始したパートナーシッププログラムを通じて、ユーロ建ての金利デリバティブ商品に関する充実したリクイディティプールを構築している。同社は日本以外においてもグローバルプレゼンスの向上に向けた施策を強力に推し進めており、米国ではLSOC(法的に分析され実務上混在している口座)モデルを採用したデリバティブ取引清算サービスを提供している。2019年2月以降、ユーレックス・クリアリングの同モデルを採り入れた清算を行う顧客数は20社を超え、登録ファンド数は3,500件以上に上るという。また、OTC金利デリバティブ市場全体における想定元本ベースの市場シェアは、2018年1月の2.6%から2020年2月末には17.9%まで拡大している模様だ。他方で、決済及び清算業務は効率性の改善余地が大きい分野であり、多くの金融サービスプロバイダーが関連ソリューションの強化を図っている。例えば、ゴールドマンサックスがクロス通貨スワップ決済サービスを導入したほか、TrueFXの清算ネットワークにSucden Financialが加入している。また、GMEXとDPNがハイブリッド型証券取引所を開設し、シームレスなマルチアセットに対応した取引や清算及び決済を実現させている。グローバルに顧客基盤を拡大させているユーレックス・クリアリングが、今後も利便性の向上に繋がる画期的な清算ソリューションを開発することを期待したい。


Date

作成日

2020.06.19

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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