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Coinbase Wallet、ウォレットアドレスのカスタマイズ機能を実装

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update 2021.08.31 15:28
Coinbase Wallet、ウォレットアドレスのカスタマイズ機能を実装

update 2021.08.31 15:28

複雑なウォレットアドレスが引き起こす誤送金の解決を図る

米国の大手仮想通貨取引所であるCoinbase, Inc.(本社:548 Market St #23008 San Francisco, CA94104[1])【以下、コインベースと称す】が、同社のCoinbase Walletにウォレットアドレスを短くカスタマイズできる機能を実装することを発表した。[2]

これまでCoinbase Walletのウォレットアドレスは、長い英数字の羅列で表示されており、それが誤送金を誘発する原因になっていたという。今回Coinbase Walletは、ウォレットアドレスを「@walletfan」などのユーザー名にカスタマイズできる機能を実装し、ユーザーエクスペリエンスの向上を試みているようだ。Coinbase Walletユーザーは、このユーザー名を入力することで送金の実行が可能となったが、公開鍵を示すウォレットアドレス自体が無効になるわけではなく、実際にこれらはコインベースのデータベース上で紐づけられている。

また、Coinbase WalletはEthereum Name Service(ENS)を統合し、このユーザー名をイーサリアム(Ethereum)のエコシステム内で利用可能とした。これを利用すれば、Coinbase Walletユーザーは、.ethの識別子を持つイーサリアムのウォレットアドレスへ仮想通貨を送金できるようになるという。現在、Coinbase Walletはビットコイン(Bitcoin)およびイーサリアム、リップル(Ripple)などの仮想通貨をサポートしており、これらの通貨でも同様の機能を実現している。

昨年、コインベースはCoinase Walletにバックアップ機能を実装したのに加え、メールアドレスを利用した仮想通貨送金に関する特許を取得するなど、積極的にウォレットサービスの強化を図っている状況だ。一方、コインベースはCoinbase WalletからDApps検索機能を削除することを検討しており、開発方針の見直しを行なっているが、どのような変更が加えられるのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。

release date 2020.02.28

出典元:

ニュースコメント

各方面で仮想通貨ウォレットの開発が進む

ブロックチェーンの生みの親とされているサトシ・ナカモト氏が考案した標準的な仮想通貨ウォレットは、資金の流出や秘密鍵の紛失などへの対応が想定されておらず、誤送金も発生しやすいようになっているという。当時、ビットコインをはじめとする仮想通貨の価格が非常に低かったため、これが大きな問題だと認識されていなかったが、仮想通貨が高値を付ける現在では、改善が必要なことは明らかだと言えるだろう。実際に既存の金融業界でも、バンクオブアメリカが仮想通貨ウォレットの特許を申請するなど、より実用的で安全性が高い新世代のソリューション開発が加速しているようだ。その他には人気仮想通貨のモネロ(Monero)が、トランザクションの匿名性を高めるために、一時的に有効化されるワンタイムアドレスを発行するステルスシステムを構築しているが、どのようなソリューションがこの課題を解決に導くのか、今後も仮想通貨業界の動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.02.28

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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