Select Language

韓国議会が新しい仮想通貨関連法案を可決

韓国議会が新しい仮想通貨関連法案を可決

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
韓国議会が新しい仮想通貨関連法案を可決

update 2021.08.31 15:29

仮想通貨を法的に定義して規制する狙い

韓国議会の国家政策委員会(National Policy Committee)が、仮想通貨をデジタル資産として分類し、規制を強化するための仮想通貨関連法案を可決したことが今月26日に明らかになった。[1]

これまで韓国議会は数年にわたって仮想通貨市場の監視強化に向けた議論を進めてきたが、この法案が正式に成立すれば、仮想通貨取引所も他の金融機関と同様に規制されるようになるという。具体的に韓国内の取引所は、金融委員会(Financial Services Commission)【以下、FSCと称す】に登録し、厳格な顧客確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)、顧客承認プロセスに準拠することが求められるようだ。また、取引所を運営するにはセキュリティシステムの強化も必須となり、事業者はFSCのFinancial Intelligence Unit(FIU)による承認を受け、政府機関であるKISA(Korea Internet and Security Agency) からISMS(Information Security Management System)としての資格を得なければならない。

世界でも有数の仮想通貨市場を抱える韓国では現在、取引所は金融機関ではなく情報プロバイダーとして取り扱われているため、科学技術情報通信部(Ministry of Science and ICT)の下で管理されている状況だ。しかしながら、取引所の法人口座がマネーロンダリングに利用されている可能性があることを検察が公表した後、金融監督院(Financial Supervisory Service)【以下、FSSと称す】もその捜査に協力するとの声明を出している。韓国の中央銀行が発行したレポートによると、国内取引所の口座には約19億ドルの仮想通貨が保有されており、既にFSSはそれを運用する主な企業をピックアップしてリスト化しているという。

昨年、大手取引所のUpbitは詐欺の疑いをかけられ、政府機関の監査対象となったが、準備金比率が103%、現金比率が127%で十分な水準に保たれていることを証明した。それに加え、Upbitは不正行為を撲滅するために報奨金制度を開始するなど、透明度の高い取引環境の構築にも積極的に取り組んでいる。仮想通貨関連企業であるPIEXGOのCzhang Lin氏が語る通り、韓国では政府の後押しで仮想通貨が普及する可能性があるだけに、今後も当局の動きには注目していきたい。

release date 2019.11.27

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨市場における不正排除に意気込む韓国政府

これまで韓国政府は仮想通貨に対して友好的な姿勢を示してきたが、新しい法案が可決されたことをきっかけに、国内仮想通貨市場の取り締まりを強化し、不正を一気に排除する動きに出る可能性があるという。今回の法整備では、違反者に懲役刑などの厳罰を下す案なども盛り込まれるとの見通しが強く、是が非でも国内の仮想通貨市場を正常化したい韓国政府の意気込みが感じられる。特に韓国政府は金融活動作業部会(Financial Action Task Force)が定めるガイドラインに準拠することを目標に掲げているため、仮想通貨を利用したマネーロンダリングや違法取引などには厳しい対応を見せるだろう。民間では韓国の4大仮想通貨取引所がマネーロンダリング対策で連携を強化し、リアルタイムの情報交換を可能にするホットラインを構築するなど、自主的な取り組みも進んできている。これらが韓国市場にどのような変化をもたらすのか、今後もその展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.11.27

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル