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決済サービスプロバイダーiBanFirst、同業のNBWMを買収

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update 2021.08.31 15:29
決済サービスプロバイダーiBanFirst、同業のNBWMを買収

update 2021.08.31 15:29

欧州市場でのプレゼンス拡大を模索

グローバル決済プロバイダーのiBanFirstは、オランダを拠点にFX関連サービスを提供するスタートアップ企業NBWM(本社:Beursplein 5 1012 JW Amsterdam[1])を買収し、欧州市場でのプレゼンス拡大を図る意向だ。

2018年後半にiBanFirstが、大陸欧州での市場拡大プランを公表した資金調達の投資ラウンドに続いて、今回の買収が実施されたことになる。同社の会長を務めるDennis Malamatinas氏は、オランダで確固たる地位を確立しているNBWMを買収することで、決済取引が年間50億ユーロ規模に増加する見込みであり、今後も欧州での市場拡大を推し進めるとコメントしている。他方で、NBWMが抱える1,000名以上の既存顧客及び潜在顧客にとっては、クロスボーダー決済やFXリスクのヘッジ、グローバル事業へのファイナンスサービスなどを利用することができるようになるとのことだ。

iBanFirstとNBWMのM&A(企業の合併・買収)に関しては、両社の創業者が過去にサクソバンク(Saxo Bank)で同僚であったことから、常にその可能性が浮上していた。今後、NBWMはiBanFirstブランドで事業展開を図り、2020年半ばまでNBWMのアムステルダムオフィスを拠点とする見通しである。

両社の合併に際し、iBanFirstのCEO兼創業者のPierre-Antoine Dusoulier氏とNBWMのディレクターであるJoost Derks氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

サクソバンクで共に従事していたPJ Datema氏とPeter Comstock氏とは旧知の仲であります。NBWMは我が社と同時期にグローバル決済事業を始めており、オランダで成し遂げた実績は非常に素晴らしいものです。専門性が高いテクニカルチームを有する同社が、お客様のニッチな要求に応えてくれると考えております。

Pierre-Antoine Dusoulier, CEO and Founder of iBanFirst - iBanFirstより引用

テクノロジーや個人向け金融サービス分野において共通項を持つiBanFirstと合併することは、完璧な統合を意味するでしょう。同社の先進的なテクノロジープラットフォームを活用することで、我が社のお客様は決済取引に関する新たな機能だけでなく、多岐にわたる商品や金融サービスを利用できるようになります。

Joost Derks, Director of NBWM - iBanFirstより引用

iBanFirstにとっては、お互いの強みを理解しているNBWMを買収することで、欧州市場における業容拡大が期待できそうだ。

release date 2019.11.21

出典元:

ニュースコメント

プレーヤーの多様化が進む資金決済市場

グローバル取引需要の拡大に伴い、より効率的な決済取引へのニーズも高まっていることから、金融サービスプロバイダー各社が多様な決済ソリューションの開発を推し進めている。たとえば、SWIFTがgpi Linkの機能検証を実施する意向を示し、高速で安全、且つ透明性の高い決済サービス標準の確立を模索している状況だ。また、そのSWIFTが築き上げた国際銀行間決済市場に風穴を開けるべく、VISAが企業間クロスボーダー決済システムをリリースしたほか、足元ではFacebookがFacebook Payを発表し、個人向け決済サービス分野に進出している。このほかにも、リップル(Ripple)やレボリュート(Revolut)がブロックチェーン技術を活用した資金決済ソリューションを提供するなど、同市場では伝統的な金融機関から新興の決済サービスプロバイダーに至るまで、非常に多くのプレーヤーが多彩なサービス展開を図っている。今後も、各企業がサービスの質を競い合うことで、顧客にとって利便性の高い決済ソリューションが開発されることを期待したい。


Date

作成日

2019.11.21

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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