Select Language

Paxos、金の価値に連動する仮想通貨をローンチ

Paxos、金の価値に連動する仮想通貨をローンチ

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
Paxos、金の価値に連動する仮想通貨をローンチ

update 2021.08.31 15:29

ブロックチェーンを活用して資産のトークン化を推進

ニューヨークに拠点を置く仮想通貨関連企業のPaxosが、ニューヨーク州金融サービス局(The New York State Department of Financial Services)の承認を受けて、Pax Gold【以下、PAXGと称す】という名称の金に裏付けされた仮想通貨をローンチしたことが明らかになった。[1]

発表によると、PAXGは1通貨あたり1オンス(約28グラム)の金と同等の価値を有しており、保有者はニューヨークに存在するBullion Exchangesなどの提携機関を介して現物資産と引き換えることもできるという。これに加えて、仮想通貨を担保にしたレンディングサービスを展開するSALTが、その取り扱い通貨であるパクソス(PAX)、トゥルーUSD(TrueUSD)、USDコイン(USDC)のラインナップにPAXGを追加することを決定している。PaxosのCEOであるChad Cascarilla氏はこの提携先のリストを今後も拡大し、保有者がロンドンやニューヨークにいなくとも現物資産と交換できる体制を整えるとの意向を示した。また、Cascarilla氏はこれがブロックチェーンを活用した資産管理の新しい形であると評価し、その他資産に関しても同様の製品を開発することでトークン化を進めていきたいと言及している。

トークン化された金が社会に受け入れられるかは未知数だと言えるが、仮想通貨関連のリサーチサービスを提供するMessariの共同創設者であるDan McArdle氏は、ビットコイン(Bitcoin)を引き合いに出して次のようにコメントした。

ビットコインは金やその他資産を取り込み、新しい時代に適したより良い資産体系を作り出しました。ビットコインがこのような資産体系を構築できるのは、中央集権型または現実世界では実現不可能な仕組みを採用しているからです。特定の人物が資産管理を行う場合、ブロックチェーン上の資産は信頼を失うでしょう。

Dan McArdle, Co-Founder of Messari - Coindeskより引用

最近では、Sygnumがシンガポールで銀行ライセンスを申請しトークン化証券の提供を目指すなど資産のトークン化に市場の注目が集まっているが、トレーダーの中には資産をトークン化することに懐疑的な見方を示す者も多く存在するため、Paxosは伝統的な金トレーダーにPAXGの有用性を訴求する必要がある。貴金属のカストディ事業を展開するGoldmoneyの創設者であるRoy Sebag氏は、トークン化が金市場に新しい価値を生む可能性は低いとの見解を示したが、KYC(顧客確認)プロセスを整備することを条件とした上で、クローズドな環境であれば有用であると言及した。確かに2018年にはETF(上場投資信託)が1,000億ドル分の金を保有していた事実からもわかるように、金市場のメインプレイヤーは個人投資家ではなく、機関投資家であることは明白だと言えよう。

Cascarilla氏はPAXGが米ドルに連動するステーブルコインであるパクソスと同様に監査の対象であるため、同仮想通貨の安全性が保証されていると述べ、保管料を支払うことなく24時間いつでも取引できるメリットを強調した。今年4月にはeToroが仮想通貨プラットフォームをリリースし、資産のトークン化を進めることを発表しているが、PAXGをはじめとする新しい試みは投資家に受け入れられるのか、今後の仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。

release date 2019.09.06

出典元:

ニュースコメント

世界情勢の悪化で人気を博す金投資

現在、米中の貿易戦争やブレッグジットなど世界情勢の悪化を受けて、1オンスあたりの金価格は1,500ドルを超えるにまで上昇しており、金に連動するETFとして有名なSPDR Gold Sharesは2016年7月以来、最大の資産保有高を記録している。投資戦略におけるビットコインの有用性を示すグレースケールも、最近では金の代わりに仮想通貨関連商品へ投資するよう促しているが、市場がリスクオフに動く中で投資家も新たなリスクを取ることに躊躇しているようだ。しかしながら、2019年に入ってからの仮想通貨市場は、先月末にビットコイン価格が大幅に下落し、1ヶ月ぶりの安値を更新する展開を見せているものの、これまでの高いボラティリティが鳴りを潜め、安定性を増している様子がうかがえる。依然として金は安全資産の認識が強く、このような市場環境下で人気を博しているが、PAXGのローンチがこの流れを拡大するのか、今後の展開に注目していきたい。


Date

作成日

2019.09.06

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00

仮想通貨USUALの将来性は?RWA活用のステーブルコインプロトコルを解説

仮想通貨USUALは、ステーブルコインプロトコル「Usual」のガバナンストークンです。Usualは、BlackRockなどからRWA(現実資産)を集約してステーブルコインを発行し、その収益をコミュニティに再分配するプロトコルとして注目を集めています。
update2024.11.20 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル