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バイナンス、仮想通貨レンディングサービスを開始

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update 2021.08.31 15:30
バイナンス、仮想通貨レンディングサービスを開始

update 2021.08.31 15:30

貸し手には現物で最大年利15%のリターンを付与

世界最大の仮想通貨取引所であるBinance【以下、バイナンスと称す】が、貸し手に最大年利15%のリターンを付与する仮想通貨レンディングサービスを開始したことが今月28日に明らかとなった。[1]

発表によると、この新しいサービスではイーサリアムクラシック(Ethereum Classic)、バイナンスコイン(BNB)、テザー(Tether)の保有者が貸し手となり、バイナンスが14日後を満期とした債券を発行するという。バイナンスはそれぞれの仮想通貨に異なる利率を適応し、同取引所が発行するバイナンスコインには15%、イーサリアムクラシックには10%、テザーには7%の利息を現物で付与することを公表している。バイナンスは今年7月にビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、リップル(Ripple)、バイナンスコイン、トロン(Tron)、テザーを対象に、レバレッジ3倍を上限とする証拠金取引を開始しており、同取引所はこのレンディングサービスで集めた資金をその保全に充てると言及している模様だ。

このレンディングサービスが初期段階にあることからバイナンスは、満期日や年利などの条件が変更される可能性があると示唆し、一部コミュニティでは通貨ペアの追加もあり得ると噂されている。資産管理会社のArcaでCIO(Chief Investment Officer)を務めるJeff Dorman氏は、包括的な仮想通貨関連サービスを提供することでバイナンスのユーザーエクスペリエンスや収益性が向上すると評価した上で、同取引所のレンディングサービスが最大15%の年利を維持するのは難しいと指摘した。また、あるアナリストは顧客情報の流出を受けてバイナンスコイン価格が急落したため、バイナンスがこのような高いリターンを設定し、同仮想通貨の需要を取り戻す動きに出たと推測している。

Crypto Fund ResearchのCEOであるJosh Gnaizda氏は、今回の発表に関して次のようにコメントしている。

今回のレンディングサービス開始の発表は、ビットコインやその他の仮想通貨よりも、バイナンスコインの価格に最も影響を与えるでしょう。バイナンスは市場へのリーチを制限される中で製品の提供を拡大し続ける必要があります。具体的にはバイナンスコインとテザーを基準とするレンディングサービスを展開することで証拠金取引事業の拡大を目指しているのです。

Josh Gnaizda, CEO of Crypto Fund Research - LeapRateより引用

レンディングサービス開始に向けて、バイナンスのCEOであるChangpeng Zhao氏はコンプライアンス基準を満たすために、政府および規制当局と協力する必要があるとの発言を繰り返していたという。このサービスではバイナンスが直接的な貸し手とならないため、銀行法を回避できるとの見方もあるが、機能的には銀行としての定義を満たす可能性もある。これには各国の規制が複雑に絡んでくることが予想されるだけに、今後もバイナンスの動向に注目していきたい。

release date 2019.08.30

出典元:

ニュースコメント

複雑化する仮想通貨業界のコンプライアンス基準

ステーブルコインの普及や仮想通貨の価値が社会的に認められつつあることもあり、近年、大手を中心に多くの仮想通貨関連企業がブロックチェーンベースの仮想通貨レンディングサービスをローンチしているようだ。今年8月には多角的に仮想通貨関連事業を展開するBitcoin.comが仮想通貨の販売サービスを開始した際に、仮想通貨レンディングのCelsius Networkとプラットフォームを統合したことを発表している。このような業界での動きは、バイナンスのZhao氏が懸念するようにコンプライアンス基準の線引きを難しくしているものの、スイスではFINMAが仮想通貨関連企業2社にライセンスを発行し、同国初となる仮想通貨銀行が誕生している。バイナンスはオフショア地域に本社を構えており、事業を展開する各国で適切なライセンスを取得する必要が出てくる可能性もあるが、どのような姿勢でこの問題に向き合うのか、今後の取り組みに期待したい。


Date

作成日

2019.08.30

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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