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ニュージーランド、仮想通貨での給料受け取りが合法化

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update 2021.08.31 15:30
ニュージーランド、仮想通貨での給料受け取りが合法化

update 2021.08.31 15:30

IRDが制定した新ルールが9月1日から施行

ニュージーランドの税務機関である内国歳入局(Inland Revenue Department)【以下、IRDと称す】は、仮想通貨で給料を受け取ることを合法化し、それに合わせて課税することを発表した。[1]

今月、IRDは所得税法(Income Tax Act)の下、新しいルールを制定しており、それによると雇用契約に基づいての支払いである場合、企業は従業員の給料における通常の固定給部分を仮想通貨で支払うことができるという。支払いに利用される仮想通貨は法定通貨と交換可能で通貨としての特性を持つか、1種類以上の法定通貨に連動したステーブルコインでなければならないと定められている。

一方の従業員側はこの制度が適応される場合、支払われる仮想通貨は株式として提供され、従業員持株制度の枠組みでそれを受け取ることが可能になるようだ。仮想通貨で支払われた給料の税金に関しては、源泉課税であるPAYE(Pay As Your Earn)の対象となり、雇用主がその額を給料から控除して税務当局に情報を報告する義務があるという。

この新しいルールは今月27日に署名されて2019年9月1日から3年間有効になることが決定しているが、実際に仮想通貨を支払う会社は現れるのか、従業員にとって画期的なソリューションとなるのか、今後もニュージーランドでの展開に注目していきたい。

release date 2019.08.13

出典元:

ニュースコメント

制度を悪用する企業の存在に懸念

ニュージーランドにおける仮想通貨を国内経済に取り込もうとする動きは、同国の仮想通貨市場を拡大したい政府の思惑が背景にあると考えられるが、当局は今回制定した新ルールの運用に慎重になるべきだと言えるだろう。昨年8月に、国営の仮想通貨プロジェクトを推進するベネズエラでもペトロを給与と価格制度に導入しており、国民の顰蹙を買ったという経緯がある。現在、このペトロは大統領の指揮で国有銀行での受入が可能になったものの、国民はより安定した価値を持つ匿名通貨であるダッシュ(Dash)など他の仮想通貨の利用を選択しているという。ニュージーランド政府はビットコイン(Bitcoin)をはじめとする主要通貨や等価性が保証されたステーブルコインの利用を想定しているようだが、企業がこの新ルールを悪用する可能性に注意を払わなければならない。また、今年に入って仮想通貨取引所のCryptopiaが2度にわたるハッキング被害に見舞われたことから、企業や従業員が犯罪のターゲットとなる懸念も存在するが、どのような対策を取るのか、今後もニュージーランド政府の取り組みに注目していきたい。


Date

作成日

2019.08.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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