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CLS、新たなPvPツールをリリース

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update 2021.08.31 15:30
CLS、新たなPvPツールをリリース

update 2021.08.31 15:30

流動性とバランスシートの改善や決済リスク軽減に寄与

多通貨同時決済(Payment versus Payment)【以下、PvPと称す】の専門機関であるCLS(Continuous Linked Settlement)は7月31日、バイラテラル・ネッティングを通じた新たなPvPツールであるCLSNowをリリースしたことを発表した。[1]

CLSの決済メンバーである金融機関は、CLSNowを活用することでリアルタイムに近い為替取引決済を行えるようになり、流動性とバランスシートの改善や決済リスクの軽減に繋げることができるという。JPモルガンとゴールドマンサックスがCLSNowを利用する初めての金融機関となり、リリース当初はカナダドル、ユーロ、英ポンド、米ドルを利用することができる。将来的には取り扱い通貨を拡大していく意向とのことだ。

新たなPvPツールのリリースに際し、CLSのチーフストラテジー兼開発オフィサーであるAlan Marquard氏とJPモルガンのIntraday Liquidity部門ヘッドを務めるScott Lucas氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

日中の流動性確保や安全性の高い為替取引決済サービスへの需要に応えるべく、CLSNowをリリースしました。これにより、為替決済リスクの軽減を図ることが可能になると共に、FX業界の課題解決に向けて取り組む我々の姿勢を示すことができると考えております。

Alan Marquard, Chief Strategy and Development Officer at CLS - CLSより引用

お客様に対し最高クラスのサービスを提供するうえで、CLSNowを利用することにより、為替決済取引のリスク軽減と日中の流動性向上に繋げられると考えております。また、同ツールの開発をサポートすると共に初めて利用する金融機関になれたことを喜ばしく思っております。

Scott Lucas, Head of Intraday Liquidity of J.P. Morgan - CLSより引用

現在、CLSの主力PvPツールとなっているCLSSettlementを除き、同社内で処理される全通貨の日中平均取引決済総額は約3,000億ドルであり、FX市場全体では一日平均5兆ドルを超える決済取引がなされている。また、VISAが企業間クロスボーダー決済システムをリリースしたことに加え、TopFXがBridgerPayと提携し決済機能の最適化を図るなど、多くの企業が為替取引決済分野の新たなソリューションの提供を試みている。今回、CLSが顧客需要の拡大するPvP関連の新たなツールをリリースしたことにより、更なる決済取引環境の改善が進むことを期待したい。

release date 2019.08.01

出典元:

ニュースコメント

差額清算システムによる決済効率化

バイラテラル・ネッティングとは、二者間で行われるネッティングのことである。相互取引のある二者間の決済を一定期間で集計し差額のみを清算することで、為替手数料や為替リスクを軽減することができ、さらに三者以上で行われるマルチラテラル・ネッティングは、ネッティングセンターと呼ばれる決済代行機関を設けることで、最小限の送金で済み経費削減を図ることができる。バイラテラル・ネッティングは同一企業の支社間で採用されることが多く、企業間でのネッティングを含めたクロスボーダー決済システムは、現在積極的な開発が行われている状況だ。足元では世界の銀行間取引の情報インフラを担うSWIFTによってFX取引自動化の協働が呼びかけられており、取引ツールの開発に加えて、世界規模での業界標準の策定に向けた取り組みによって、決済サービスの更なる効率化と利便性向上が実現できるだろう。


Date

作成日

2019.08.01

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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