作成日
:2019.05.29
2021.08.31 15:26
仮想通貨プロジェクトのKin(キン)は、規制を強める米国証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】に対抗するために、DefendCrypto.orgという名称の新しい基金を立ち上げた。
ブロックチェーンベースのメッセージングサービスKikが開発するプロジェクトKinは、2017年に独自の仮想通貨Kinの1億ドル規模のICO(イニシャルコインオファリング)を成功させたことから、未登録の証券を発行したとしてSECにマークされているという。昨年12月には、SECがKinに対して法的措置を執行する意思を示す通知を送っているが、当局は未だ具体的な行動には出ていない。裁判になることも考えられるが、Kin財団のCEOであるTed Livingston氏は、事態の明確化を図りたいと語っており、法廷で戦うことも辞さない構えだ。Livingston氏によると、裁判を行うことが解決への唯一の方法だが、それが現実のものとなれば、新しいハウェイテスト(ある取引が証券取引の定義に抵触するかを確かめる方法)が確立されることになる。
この基金へはイーサリアム(Ethereum)やライトコイン(Litecoin)、リップル(Ripple)からの出資が可能で仮想通貨取引所のコインベースで管理されるという。更にKinは、別途裁判費用として500万ドルを準備しているだけでなく、現在、SECの規制にうんざりしている人々から資金を募るクラウドファンディングキャンペーンも展開している。
SECは、仮想通貨市場の未来を作る重要な機関だと言えるが、危険を及ぼす可能性がある新しい試みを排除すると同時に、イノベーションを阻害する存在であるとの批判も少なくない。どちらに正義があるのかは、今のところ様々な見解があるものの、このような基金が立ち上げられた事実は、SECや米国政府が規制のあり方を再考すべき段階に来ていることを示しているであろう。両者がどのような動きに出るのか、今後の展開に期待しながら見守っていきたい。
release date 2019.05.29
以前からSECは、証券としての性質を持った仮想通貨を既存の金融法で管理する方針を打ち出しており、基本的に米国内でのIPOはSECへの申し出が必要となっている。しかしながら、その線引きは非常に曖昧であるため、どの仮想通貨が証券に該当するのかは判断が難しく、SEC側もそれを明文化できていないのが現実だ。また、裁判になったとしても、仮想通貨が証券に該当することを証明できるかは疑わしく、万が一、SECが裁判に負けるようなことがあれば、仮想通貨市場にとっては非常に有利な判例が確立されることになる。実際、ほとんどの仮想通貨には、株式のような事業の所有権や配当を受ける権利などは付与されておらず、ICOで資金を集める行為がこれまでの金融法で定義できるものだとは言い切れない。SECは、未だ正式な訴訟には踏み切れていないようだが、Kinも戦うための準備を進めているだけに、両者の衝突は時間の問題だと言えるだろう。
作成日
:2019.05.29
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー