作成日
:2019.05.07
2021.08.31 15:26
cTraderプラットフォームを開発するSpotware(本社:19 Stratigou Timagia, 3rd Floor Limassol 3107, Cyprus
)は5月6日、同社が提供するコピートレードプラットフォームであるcTrader Copyを利用する顧客を対象に、取引手数料を無料とするサービスを開始することを発表した。Spotwareが提供するcTrader Copyは、他のコピートレードと同様に、経験豊富なトレーダーの投資戦略をコピーすることができるため、熟練トレーダーに資金を託すことにより効果的にリスクを限定させたい投資初心者向けのサービスである。投資初心者はトレーダーへの資金配分割合に応じて利益を得ることができる一方、トレーダーは利益や管理手数料もしくは取引量に応じて、自身の投資ストラテジーのフォロワーである投資家に対し手数料を徴収することができる仕組みだ。
2018年10月にSpotwareがcTrader Copyを提供し始めて以降、増加する顧客需要を取り込む形でcTrader Copyの利用拡大が進む状況である。Spotwareによると、更に多くのプロフェッショナル顧客を獲得すべく、今回の取引手数料無料の決断に至ったとのことだ。なお従来のcTrader Copyは取引金額に関係なく30%の取引手数料を課していたが、取引手数料を無料とすることで、多額の資金を用い高頻度取引を行うプロフェッショナル顧客に向けて大きな宣伝効果を期待できると言えよう。
cTrader Copyの取引手数料無料化に際し、SpotwareのチーフコマーシャルオフィサーであるJames Glyde氏は以下のようにコメントしている。
cTrader Copyは既にプロフェッショナル顧客やPAMMを手掛けるマネージャー、もしくはIB(イントロデューシングブローカー)を通じて多くのストラテジープロバイダーを抱えております。我々は私心を排除し取引手数料を無料とすることで、ストラテジープロバイダーがより利益を上げやすい環境を整備する意向であります。そして更に多くのストラテジープロバイダーを呼び込み、投資家にとっての選択肢を増やすと共に、より割安なサービスを提供していく考えであります。
James Glyde, chief commercial officer of Spotware - Finance Magnateより引用
欧州ブローカーは顧客重視のサービスが求められる環境下において、直近ではeToroが株式とETF取引手数料無料サービスを開始している。Spotwareも需要拡大が見込まれるコピートレード分野において取引手数料を無料とすることで、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。
release date 2019.05.07
cTrader Copyの前身としてSpotwareはcMirrorというコピートレードサービスの提供を行っていた。しかし、cMirrorは一部のブローカーには条件がマッチせず、マーケットで対応・適用されていなかったことから低い評価を受けていた模様だ。このような問題点を改善すべく、個人投資家のニーズを捉えることに注力し、2018年にcTrader Copyが誕生した。cTrader Copyへと改良されたことによって、顧客は、自身の投資額に応じて取引比率を設定し、口座ごとに取引環境なども設定することができるなどのカスタマイズが可能になり、自由度の高いシステム設計から人気が高まっている。今回、Spotwareが30%の取引手数料を撤廃したことで、更なるプロフェッショナル顧客の取り込みを図っている状況だ。開始からわずか1年弱ではあるものの、改良を積み重ね人気を獲得してきているサービスであるだけに、今後も顧客の需要を的確に捉える戦略に注目していきたい。
作成日
:2019.05.07
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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