Select Language

ブローカー各社、日本の10連休中の流動性低下を警戒

ブローカー各社、日本の10連休中の流動性低下を警戒

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.11.08 15:05
ブローカー各社、日本の10連休中の流動性低下を警戒

update 2022.11.08 15:05

トレーダーはリスク管理の徹底が求められる

海外FXブローカー各社は、アジアの主要FX市場の1つである日本における、皇太子徳仁親王殿下の天皇御即位に伴う10日間に亘る大型連休に際し、アジア取引時間の市場流動性が枯渇する可能性に警戒感を高めている状況だ。

中でもIC Marketsブランドを持つInternational Capital Markets Pty Ltd(本社:Level 6 309 Kent Street Sydney NSW 2000 Australia [1])【以下、IC Marketsと称す】は、2016年10月に英ポンドが、そして2019年1月に日本円がフラッシュクラッシュ(相場の瞬間的な急落)し多くの顧客とブローカーに甚大な被害をもたらしたことに触れ、今回の日本の大型連休中にも流動性リスクが高まる可能性があると、顧客への注意喚起を徹底している。加えて、10連休中のアジア時間は流動性が低下することが見込まれるため、IC Marketsはレバレッジの変更を行う可能性があり、顧客にはロスカット設定をするなど取引の際には十分に注意するよう促してもいる。[2]またスイスを拠点に銀行業とFXブローキング業務を行うDukascopy Bank SA(本社:Route de PréBois 20 ICC, 1215 Geneva 15, Switzerland [3])も、日本の10連休中に市場流動性が枯渇し、スプレッドが広がる可能性があるため、顧客に注意喚起している。 [4]これらのブローカー対応を鑑みると、2019年の年始に日本円がフラッシュクラッシュしたことを受け、市場では日本の大型連休中において、特に日本円通貨ペアの流動性リスクに対し警戒を高めている状況と言えよう。

加えてFX業界に精通しているDemetrios Zamboglou氏とJeff Wilkins氏の両名は、ブローカー及びトレーダーは向こう2週間に亘り、流動性リスクに加えて、保有ポジションを決済せずに翌日まで持ち越す(オーバーナイト)場合、ポジションをロールオーバーする時間帯の価格変動リスクにも直面する可能性があると指摘している。なお、東京市場は5月6日から再開し、流動性も平常状態に戻ると見込まれているが、それまでの連休期間中は、日本円通貨ペアを中心に為替相場の急変動には十分注意が必要となりそうだ。

国際決済銀行(Bank of International Settlements, BIS)が公表したデータによると、東京市場は2016年からアジア最大のFX取引市場としての地位から陥落しているものの、依然シンガポール、香港に次ぐ3番目の市場規模を誇っている。更に市場規模だけでなく、10連休中にはFOMC を始め海外における重要な発表が数多く控えており、FX相場が急変動する可能性もある。そのため、トレーダーは不測の事態に備えてリスク管理を徹底する必要があろう。

release date 2019.04.26

出典元:

ニュースコメント

フラッシュクラッシュを阻止できるか

今年のゴールデンウィークは異例の10連休となり多くの人にとって喜ばしい反面、トレーダーにとっては市場の判断が難しくなるなど必ずしも喜べない状況のようだ。日本の長期連休時は主に海外のプロトレーダーから特定の銘柄に仕手が行われることが多く、ボラティリティが高まることが予想されている。今年1月の日本円フラッシュクラッシュでは、米ドル/円は、約6分の間に108.80円から104.80円まで暴落(日本円は急騰)するなど、多くのブローカーやトレーダーに損害を与える結果となったことは記憶に新しい。日本の金融庁、財務省、日本銀行は4月19日の3者会合で、リクイディティが低下する東京市場休場中に、米ドル/円相場の過度な変動をけん制することを狙いとして、連休中も平日と同様に市場をモニタリングすることで一致した模様だが、複数の要因が関係し合う市場相場をコントロールすることは容易ではないことは間違いない。各国規制当局によるFXブローカーに対する規制が強まる昨今、大規模なフラッシュクラッシュが引き金となり、規制がさらに強まる可能性もあることから、ゴールデンウィーク明けの市場相場ならびに各ブローカーの動きには注視していきたい。


Date

作成日

2019.04.26

Update

最終更新

2022.11.08

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル