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2019年FX市場、年始から日本円がフラッシュクラッシュ

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update 2021.08.31 15:27
2019年FX市場、年始から日本円がフラッシュクラッシュ

update 2021.08.31 15:27

2019年のFX相場は高いボラティリティとなる予想

2019年最初の終日取引となった1月3日のFX市場は、市場参加者にとって予想外の展開が待ち受けていた。米ドル/円は、たった6分間に4円も急落(日本円は急伸)し、フラッシュクラッシュ(瞬時の急落)が起きたと見られている。

米国・ニューヨークの取引時間には、為替相場は比較的落ち着いた値動きとなっていたものの、米国アップル(ティッカーシンボル:AAPL)が取引終了後、中国の需要縮小を理由に売上高見通しを下方修正したことが嫌気され、一気にリスク回避ムードが高まった。そのアップルは、取引時間外に7%下落する展開となった。更に、ファンダメンタルズ面において、アジアや欧州の多くの国々で、景気の先行き見通しを示す重要な経済指標である12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が低迷したことも投資家心理を悪化させていた。

こうした市場環境の中、流動性が低いニュージーランド・オーストラリアの取引時間帯において、円の急伸に拍車がかかったと見られる。円のショートポジション(円売り)を積み上げていた投資家のロスカットの円買いを巻き込む形で、米ドル/円は、約6分の間に108.80円から104.80円まで暴落(日本円は急騰)するフラッシュクラッシュが起きたと考えられる。今回の円急伸に関し、1月3日は日本市場が休場で、オプションの買い手が意識するテクニカル水準も簡単に抜ける形となり、6分間の円の下落幅としては過去10年で最大の変動率となった。更に今回は主要取引通貨ペアである米ドル/円のみならず、豪ドルやトルコ・リラといった比較的十分な流動性があったと見られるクロス円(米ドル以外の通貨を円にトレードする取引)も急騰している。

2019年の年始早々、円のフラッシュクラッシュが起きたことで、多くの投資家にとって苦い経験となった2016年の英国ポンドのフラッシュクラッシュの記憶を呼び起こすと共に、FX市場では如何なることでも起こり得るという教訓を再び肝に銘じる必要がありそうだ。また、2019年最初の終日取引が、2019年残り多くの取引の傾向を指し示す手がかりとなるとすれば、ボラティリティが非常に高まると予想することができよう。

更に、トランプ大統領の減税政策を好感し、米国株式市場は2017年を通して大きく上昇していたが、2018年2月以降、米国株式が数日に亘り大幅下落したことで、上昇幅のほとんどを消す展開となった。これは、景気拡大局面が終わりを告げる最初のヒントであったと読み取ることができよう。

そして、今回のクロス円の急伸や株式市場の不透明感の高まり、リスクセンチメント指標の悪化を勘案すると、景気拡大サイクルは終焉を迎えつつあると考えられる。この景気拡大サイクルの終焉期には、一般的にボラティリティが高まり、予想外の経済イベントが生じることがある。我々が過去数年で経験したフラッシュクラッシュも、景気の先行き不透明感が高まった時期と重なるのだ。足元、中国の成長鈍化や米国議会の分裂、世界最大級の時価総額を誇るアップルの業績下方修正[1]などは全て、市場の先行き見通しを見直すサインと言えよう。

複数の著名アナリストは、現在の米国株式市場は、史上最大の株式暴落となったブラックマンデーが起きた1987年に似ているとコメントしている。ブラックマンデーの時は、米国の代表的な株価指数であるダウ工業株30種平均株価(ティッカーシンボル:DJI)【以下、NYダウ】が22%超急落した。現在は、取引手順などを組み込んだプログラムを活用し自動売買を繰り返す高速高頻度取引(fast high-frequency trading)が積極的に行われており、結果として1日の下落幅は、ブラックマンデーの時より大きなものとなる可能性がある。コンピューターによる取引が主流となった現在では、NYダウがほんの数分で、9%下落する時代であるからこそ、投資家においてもリスク管理の徹底が必要である。

release date 2019.1.4

出典元:

ニュースコメント

フラッシュクラッシュとは

フラッシュクラッシュ(Flash Crash)とは、株価などの相場が瞬時に急落することを意味している。2010年5月6日2時40分に、ダウ平均株価が突如急落し始め、わずか10分の間に約1000ドル(当時のダウ平均株価の約9%)下落し、取引時間中において過去最大の下げ幅を記録したことから、瞬間的な急落のことを「フラッシュクラッシュ」と呼ぶようになった。フラッシュクラッシュの原因には、当初、誤発注など様々な原因が指摘されたが、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の調査報告書では「複数の要因が重なったためであり未だ明らかではない」とされているが、高速取引やアルゴリズム取引など様々な要因が重なり起こった可能性が高いと考えられている。今回のフラッシュクラッシュを受け、FX取引サービスを提供するブローカー各社においても、2019年はボラティリティの高まりに十分備え、適切にリスク管理を行う必要があるだろう。すでに、昨年12月にはブローカー各社がブレグジットに備えレバレッジを低減するなど、顧客に安心・安全な取引環境を提供すべく対応策を模索している状況である。今後、ボラティリティが高まることが予想されるため、ブローカーだけでなく投資家サイドも、リスク管理・資金管理の徹底を心掛ける必要があると言えるだろう。


Date

作成日

2019.01.04

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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