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FCA、永続的なバイナリーオプション取引禁止措置を導入

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update 2022.01.27 14:54
FCA、永続的なバイナリーオプション取引禁止措置を導入

update 2022.01.27 14:54

2019年4月2日から施行開始

英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は3月29日、正式に個人投資家向けバイナリーオプションの販売やマーケティング及び流通を禁止する規制策を永続的に適用させることを決定した。[1]

永続的なバイナリーオプション取引禁止措置は、2019年4月2日から施行開始となり、英国内もしくは英国を拠点に他の市場へサービス提供を図る全ての企業が対象となる模様だ。2018年12月に、FCAは永続的なCFD取引規制を導入する意向を示した際、バイナリーオプション取引禁止措置に関しても永久的に禁止する方針を明らかにしていた。更に、新規制を課せられる企業に対し広くフィードバックを求めていたことから、この度のFCAによる決定は市場参加者にとって大きなサプライズとはならないであろう。

FCAがこの度決定したバイナリーオプション取引に関する規制策は、基本的に欧州全域の規制監督当局である欧州証券市場監督局(European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】が2018年7月2日より導入したバイナリーオプション取引の一時的な禁止措置と同様の内容となっている。ただしFCAでは、ESMAによるバイナリーオプション取引禁止項目から除外されている証券化商品(Securitised Binary Options)に関しても、投資家にとってバイナリーオプション取引に内在するリスクを完全に拭い去るべく規制対象に含めているとのことだ。

永続的なバイナリーオプション取引禁止措置の導入に際し、FCAのストラテジー・コンペティション部門でエグゼクティブディレクターを務めるChristopher Woolard氏は、以下のようにコメントしている。

バイナリーオプションは金融商品という名のギャンブルを行う商品であります。この度、我々が永続的なバイナリーオプション取引禁止措置を決定したことで、個人投資家の方々が本質的に欠陥のある商品取引によって損失を被ることがなくなるでしょう。

Christopher Woolard, Executive Director of Strategy & Competition at FCA - Financial Conduct Authorityより引用

なおFCAでは、永続的なバイナリーオプション取引禁止措置を講じることで、個人投資家による損失を1年間当たり1,700万ポンド抑えることができると見積もっているようだ。またこの度の禁止措置により、バイナリーオプション取引を勧誘する企業による詐欺行為も低減させることができると見込んでいる。加えて英国の個人投資家に対しては、引き続きバイナリーオプション取引に関連した投資詐欺に警戒すると共に、FCAが認可した企業とのみ金融サービス取引を行うよう警告を発している状況である。

FCAが永続的なバイナリーオプション取引禁止措置を講じていることから、仮にバイナリーオプション取引の勧誘を行う企業があれば、それは詐欺の可能性があると考えてよさそうだ。英国の投資家は2018年に投資詐欺で約2億ポンド喪失していることが報じられており、FCAが今後も規制強化及び厳しい監督姿勢を貫くことが予想されよう。

release date 2019.03.29

出典元:

ニュースコメント

バイナリーオプションの今後

英国では、投資詐欺による被害総額が問題視されている中、FCAはバイナリーオプションを本質的に欠陥のある商品であるとの見解を示し続けており、今回、永続的なバイナリーオプション取引禁止措置を講じることを発表した。FCAによると2018年の投資詐欺と疑われる全ての事案の内、仮想通貨や株式、債券の分野が約85%を占めているという。中でも、バイナリーオプションの勧誘はソーシャルメディアや非正規アプリを通じて行われ、若年層の被害拡大が懸念されていた。このような事実を受け、Googleは2018年に31項目の新たな広告サービス関連ポリシーを導入しており、そのほとんどが個人投資家向けに仮想通貨やFX、バイナリーオプション、CFD取引を扱う業者の広告掲載を厳格に禁止するものであるという。特にバイナリーオプションに関しては規制が明確にならないうちに瞬く間に世界に広がったことが被害増大の原因の1つとされいてる。今回の規制は投資家保護に間違いなく繋がるものの、今後は、投資家自身が個々の金融リテラシーを向上させることが重要になっていくだろう。


Date

作成日

2019.03.29

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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