作成日
:2019.03.25
2021.08.31 15:26
今月20日、Bitwise Asset Management, Inc.(本社:300 Brannan Street Suite 201 San Francisco, CA 94107
)【以下、Bitwiseと称す】が米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】に提出した報告書によると、政府の規制下にない仮想通貨取引所におけるビットコイン取引量の95%が、虚偽または水増しされたものだということが明らかになった。このBitwiseによる報告書は、ビットコインETF(Exchange Traded Fund)の実現に向けた申請の一環としてSECへ提出されており、日間取引量が100万ドル以上の取引所、81カ所を対象に行った調査結果がまとめられている。それによると、取引所の取引量を公開するCoinMarketCap.comのデータは、実際の規模よりも遥かに大きく、ビットコイン市場に対して誤った印象を与えていることがわかった。Bitwiseの分析では、ビットコインのスポット取引市場における取引量、約60億ドルの内、およそ95%が実在しない数字であることが指摘されている。
この指摘は、正当な取引所の代表格であるCoinbase Proと偽装が疑われるCoinBeneにおけるビットコインの日間取引量を比較することでより明確になるという。米国政府の規制下にあるCoinbase Proが、ビットコインの日間取引量を最大2,700万ドルと報告する一方、CoinBeneは、4億8,000万ドルと桁違いの数値を記録している。報告書の中では、それぞれの開示情報やウェブサイトへのアクセス数、業界での影響力を加味すると、CoinBeneのような取引所が、大手取引所のCoinbase Proに取引量で勝ることは信憑性に欠けると論じられている。両者の日間取引量の差は18倍にも及ぶが、CoinBeneにおけるスプレッドは、Coinbase Proと比べて3400倍も大きく、流動性は不自然なほどにまで低い。
また、Bitwiseによると、偽装の疑いがある取引所のロウソク足の配置やサイズは、一貫したパターンを示しており、リアルタイムの値動きとはかけ離れているという。報告書では、7,000万ドルの平均日間取引量を報告するCHAOEXという取引所を例に挙げ、時間、曜日などの要因に関わらず、毎日同じ時間帯に同量の取引量が記録されることが明らかになった。しかしながら、このような取引量の偽装に関して、Bitwiseは、ビットコイン市場が、規制されていない仮想通貨や取引所の影響を受けにくい構造のため、それが価格操作への抵抗力を発揮しているとの議論を展開している。
今回のBitwiseによる報告書は、BitMAXやLBank、BW、ZBGといった取引所の実際の取引量が、公表されている取引量の1%未満であることを伝えたThe Tieのレポートに続く形での発表となった。既に何名かの仮想通貨専門家が、Bitwiseの報告書について言及しており、MultiCoinCapのTushar Hain氏は、CoinMarketCap.comの行いを以下のように批判した。
Bitwiseによる調査は、CoinMarketCap.comが取引量に関して、如何にユーザーへ誤解を与えているかを示しています。このようなCoinMarketCap.comの行動は、法執行機関の注目を集めることになるでしょう。
Tushar Jain, Managing Partner MultiCoinCap - Twitterより引用
その他にも、CircleのCEOおよび協同設立者であるJeremy Allaire氏は、Bitwiseの調査を讃えると同時に仮想通貨市場の拡大には透明性の向上が必要だと述べ、加えて、Morgan Creek Digitalの共同設立者であるAnthony Pompliano氏は、この報告書が重要な意味を持つとコメントした。今後も、あらゆる調査報告が発表されることにより、仮想通貨市場の透明性及び信憑性が向上することを期待したい。
release date 2019.03.25
Bitwiseは米国初のビットコインETFを申請しており、先月15日、SECはこのビットコインETFの審査を開始している。承認可否の結果は、原則的に45日以内に発表することになっているが、判断によっては最大240日まで、審議期間を延長する可能性もあるという。Bitwiseは、このSECへの申請に自信を持っているようで、今回の調査報告がSECの懸念を払拭するための追加情報になると踏んでいる。Bitwiseが報告したように、誤ったまたは詐欺的な情報に強い耐性を示すビットコイン市場のメカニズムは、SECにとっても新しい発見で、この調査結果が正しいとすれば、ビットコインETFへ向けて前進となることが予想される。これまで、SECは、仮想通貨の資産としての安全性や市場の公平性、投資家や機関投資家のリテラシーなどを理由にビットコインETFの申請を退けてきた。しかし、今回のBitwiseによる報告を受けて、今後どのような判断を下すのか注目していきたい。
作成日
:2019.03.25
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー