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日本政府、法改正により仮想通貨の証拠金取引を規制

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update 2021.08.31 15:26
日本政府、法改正により仮想通貨の証拠金取引を規制

update 2021.08.31 15:26

米国のレバレッジ2倍を基準に検討が進む

今月15日、仮想通貨における証拠金取引(BTCFX)の規制に関する条項を含む、資金決済法および金融商品取引法の改正案が、日本政府によって閣議決定されたことが報道された。[1]

近年の仮想通貨市場では、現物取引の低迷に伴い、個人投資家の資金が国内外の証拠金取引へと流入しており、よりハイリスク・ハイリターンの投機機会が求められるようになっているという。このことは、金融庁(Japan Financial Services Association, JFSA)の研究会で提出された資料でも言及されていて、国内の仮想通貨取引全体における81.61%が、証拠金または信用、先物取引のいずれかに分類されることがわかっている。[2]事態を重く見た金融庁は、未熟な仮想通貨市場の現状を危惧し、今回、金融商品取引法改正による証拠金取引の規制に踏み切ったようだ。

現在、国内の仮想通貨取引所における証拠金取引のレバレッジは、最大25倍程度に設定されており、金融庁から高すぎるとの指摘を受けているという。事実、CMEやCboeが仮想通貨デリバティブを提供する米国市場では、機関投資家や熟練者でもレバレッジは最大2倍までに制限されている。まだ具体的なレバレッジ数値の上限は明らかになっていないが、米国の最大2倍を基準に、日本国内でもレバレッジ規制の検討が進められる。

これに加えて、金融庁は資金決済法を改定することで、2020年4月から1年半を目安に、一時的な営業を認めているみなし業者の排除を図るようだ。2017年4月以降、世界初となる仮想通貨取引所の登録制を導入した金融庁は、既に営業している取引所の登録審査が長期化することを考慮して、これまで、みなし業者の区分を設けていたが、今後は、正式な審査をクリアした企業以外の営業を認めない方針を示している。また、金融庁への登録申請も、その事業の性質によって細かく分類することが提案されており、例えば、証拠金取引を提供する事業者は1種、ICO(イニシャルコインオファリング)を実施する事業者は2種というように定められるという。

仮想通貨取引所や投資家コミュニティは、仮想通貨市場での規制強化が成長を阻害すると懸念しているが、最終的に金融庁は、どのような内容で法改正を実施するのだろうか。

release date 2019.03.19

出典元:

ニュースコメント

免れない仮想通貨トレーダーの海外流出

金融庁が正式に認めた自主規制団体である日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)の調べによると、日本国内における仮想通貨の証拠金取引は、そのほとんどがbitFlyerのLightning FXという取引サービスを通してのものだということが明らかになっている。bitFlyerが提供しているLightning FXでは、最大15倍までのレバレッジ取引が可能で、比較的小さな値動きから利益を狙うトレーダーから重宝される存在となっているようだ。日本の大手仮想通貨取引所によるサービスということもあり、国内における証拠金取引の促進に貢献してきたと考えられるが、金融庁の法改正による影響を見越してか、bitFlyerは、2019年4月22日から、Lightning FXにおけるレバレッジを4倍に制限することが決定している。今後、新しい改正法の施行が近づくにつれ、他の仮想通貨取引所も徐々にレバレッジを引き下げていくと予想できるが、国内に居場所を失ったトレーダーの海外流出は免れないだろう。


Date

作成日

2019.03.19

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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