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イーサリアム、2つのハードフォークを同時に実施

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update 2021.08.31 15:27
イーサリアム、2つのハードフォークを同時に実施

update 2021.08.31 15:27

前日の仮想通貨市場は弱気を示すも高まる期待感

昨年からハードフォークの延期が続いているイーサリアム(Ethereum)だが、3月1日をもってコンスタンチノープル(Constantinople)とセントピーターズバーグ(St. Petersburg)、2つのアップデートが同時に実施されることが決定的となっている。

コンスタンティノープルは、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムをPoS(プルーフオブステーク)へ移行させるための段階的なアップデートのひとつで、併せて実施されるセントピーターズバーグは、今年1月に発見されたコンスタンティノープルの脆弱性を修正する役割を持つという。そもそもコンスタンティノープルは、昨年末までには有効化される予定だったが、スマートコントラクト(ブロックチェーンの契約の自動履行システム)のバグが見つかったことから、これまで実装が延期されてきた。

ハードフォークを進めるイーサリアムへの期待感は大きく、前回のハードフォークが延期になる直前にも価格が高騰していることから、今回も同様の動きが見られることが予想される。しかしながら、ハードフォーク直前にあたる2月28日の仮想通貨市場は、全体的に弱気な売りが目立つ状況となっており、前日比でイーサリアム(ETH/USD)がマイナス3.3%、ビットコイン(BTC/USD)がマイナス1.1%と軒並み主要な仮想通貨が価格を落としている。特にビットコイン価格は、もみ合いのレンジ相場が続く中、一時3,800ドル付近まで急落した直後すぐにリバウンドするなど、激しい展開を見せているようだ。一部のアナリストは、この値動きをイーサリアムによるものだと分析しており、イーサリアムのアップデートが無事通過すれば、若⼲の安堵買いもあるとの見解を示している。[1]

これまで、度々スケジュールが遅延していたイーサリアムだが、マイニング報酬の低減など、重要な変更事項が含まれている今回のハードフォークが完了することで、ひとつの節目を迎えると考えられている。ハードフォークの影響として、マイナーおよびハッシュパワーの不足によるブロックチェーンシステムのパフォーマンス低下などが懸念されているが、市場はこのリスクをどのように捉えるのだろうか。

release date 2019.02.28

出典元:

ニュースコメント

PoSへの移行でより効率的なシステムを目指す

4段階のハードフォークによって、イーサリアムが段階的な移行を目指す新しいアルゴリズムのPoSは、現行のPoW(プルーフオブワーク)と比べても、効率的なブロックチェーンシステムを構築できるというメリットを持ち合わせている。PoWでは、ネットワーク上の不特定多数のマイナーがブロックを生成することがシステムの根幹となっているが、PoSでは、対象となる仮想通貨を担保金として保有する信頼できるノード(ネットワークに接続されている通信機)に一部権限を委任する。こうすることで、電力やハッシュパワーなど無駄なリソースの消費を抑えることができるという。しかしながら、このような利点を持ち合わせている反面、PoSのシステムでは、ノードがその権限を利用して、不正を働く可能性があることも懸念されている。例えば、PoSの派生系アルゴリズムであるDPoS(デリゲーテッドプルーフオブステーク)を採用する仮想通貨イオス(EOS)では、意図的ではなかったかもしれないが、ブロックチェーンプロデューサー(ブロックチェーン承認者)が、ブラックリストの更新を怠ったことにより、大規模な仮想通貨の流出が発生している。このように、PoWと比べてPosは公平性の面で不安を抱えていることがわかるが、イーサリアムのコミュニティ内からは、PoSへの移行を歓迎する声が多いようだ。


Date

作成日

2019.02.28

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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