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MyEtherWalletがKYC不要の出金サービスを開始

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update 2021.08.31 15:27
MyEtherWalletがKYC不要の出金サービスを開始

update 2021.08.31 15:27

5,000ドルを限度にユーロとスイスフランの出金に対応

仮想通貨ウォレットサービスのMyEtherWalletは、KYC(Know Your Customer、顧客確認)を必要とせず、仮想通貨から法定通貨への両替と銀行口座への出金に対応する新しいサービスを開始したことを今月20日に発表した。[1]

MyEtherWalletの説明によると、ユーザーは、ビットコイン(Bitcoin)とイーサリアム(Ethereum)をユーロまたはスイスフランに換金することが可能となり、およそ5,000ドルに設定されている限度額内の出金であればKYC手続きが免除されるという。この法定通貨とのゲートウェイとなるサービスは、チューリッヒやバーゼル、ツークなど、スイス国内の都市で仮想通貨ATMを展開するBity SA(本社:Rue des Usines 44 2000 Neuchâtel Switzerland[2])【以下、Bityと称す】との協業で初めて実現したもので、MyEtherWalletのバージョン5から有効となっている。アンチマネーロンダリング法(Anti Money Laundering Ordinance)に準拠したサービスを確立するBityは、個人情報に頼らずウォレットの所有権を検証するテクノロジーを開発しており、KYCを必要としないサービスの中核を成している。

新しくリリースされたバージョンのMyEtherWalletでは、UX/UI(ユーザーエクスペリエンスおよびユーザーインターフェイス)デザインが改善され、新規ユーザーにとっても利用しやすいプラットフォームとなったことに加えて、機能面でも大幅な強化が実現されている。Bityの設立者でCEOでもあるAlexis Roussel氏によると、MyEtherWalletはChangellyという別の企業ともパートナーシップを結んでおり、同取引所と連動した換金機能を更なるオプションとして実装しているという。これに関して、MyEtherWalletは、多くの取引所と提携して機能を統合することにより、ユーザーにとってより良い両替レートや安価な手数料で競争力のあるサービスを自社のユーザーに提供するための取り組みだと語っている。

多くの仮想通貨ユーザーが個人情報を提供することに不満を抱いているが、現在では、KYCはほとんどの取引所で必須なプロセスとなっており、KYC抜きで利用できるサービスを提供しているのは数社しか存在しないという。そのひとつとして、ShapeShiftと呼ばれる人気の取引所サービスもKYCを不要とする運営を続けていたが、昨年9月に規制当局から指導が入ったことをきっかけに、必要な個人情報の提供を義務化している。結果的に一部のユーザーが、より制限の少ないプラットフォームへと移行したことが要因となり、ShapeShiftの取引量は激減してしまったようだ。

MyEtherWalletの共同設立者でCEOも務めるKosala Hemachandra氏は、KYCを不要としたサービスに関して、業界に変化を起こす画期的なソリューションであると述べている。このMyEtherWalletのサービスは、Bityのスイス国内での実績や出金限度額を設けることにより大口のマネーロンダリングを防止していることにより実現しているが、適切な運営を行う企業がKYCに妥協策を講じることが不可能ではないことを示す例となっただろう。

release date 2019.02.22

出典元:

ニュースコメント

汎用性が高く人気のサービスとなったMyEtherWallet

MyEtherWalletは、デスクトップおよびアンドロイド端末向けの仮想通貨ウォレットで、主にイーサリアムのブロックチェーンを利用して発行されたERC-20の規格に準じた仮想通貨に対応しており、ICO(イニシャルコインオファリング)やマイナーなアルトコインに投資するユーザーには重宝されるサービスとなっている。日本語にも対応していることから、日本市場でも多くのユーザーに利用され、その他にも中国語、韓国語、スペイン語など多言語化されていることもあり、世界中の主要な市場に進出しているようだ。これまで、MyEtherWalletは、幾多ものアップデートによって、今回のKYCを不要とする出金など、新しい機能の追加やセキュリティ強化を実現してきた。しかしながら、皮肉にもこのアップデート作業を逆手に取って、悪意のあるファイルをダウンロードさせるフィッシング詐欺が発生していることが今月初めに報告されており、運営は対応に手を焼いているようだ。このような外部での詐欺行為は、防ぎようがない部分もあるが、ユーザーへの迅速な情報提供などによって、より安全性の高い利用環境の構築を目指して欲しい。


Date

作成日

2019.02.22

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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