作成日
:2019.02.08
2021.08.31 15:27
金融市場向けのテクノロジープロバイダーであるCapitolis(本社:575 5th Avenue, 14th Floor New York NY 10017
)が2018年に開発したFX分野のノベーションサービス(取引譲渡)Capitolis Novationを、CitiとHSBCが採用したことが明らかとなった。FXプライムブローカーとしては初の導入となる。Capitolis Novationは、FXプライムブローキング(ヘッジファンド等に信用供与し、複数の金融機関と取引できるようにする仕組み)及びオプション取引のような二者間取引の膨大な業務を合理化させるツールだ。また、Capitolis Novationを活用することで、最低資本金比率などの規制を満たすべく、リスクエクスポージャー(市場の価格変動のリスクに晒される資産割合)を低減させる効果もあるという。Capitolisにとっては、2018年12月に世界的な投資銀行であるCitiとHSBCの2行のプラットフォームに採用されたことで、Capitolis Novationの普及拡大に拍車がかかることが期待されている。
Capitolis Novationがメガバンク2行に採用されたことに際し、CapitolisのCEOであるGil Mandelzis氏と、Citiの店頭(OTC)決済部門グローバルヘッド兼FXプライムブローキング部門ヘッドを務めるChristopher Perkins氏、HSBCの仲介サービス部門グローバルヘッドであるVincent Bonamy氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
CitiとHSBCが、テクニカルの専門家も含め多大なサポートをして下さり、我々のCapitolis Novationを独占的に利用して頂けることを大変喜ばしく感じております。我が社は両行と協働して、資本市場の大きな課題となっているノベーション分野の価値あるソリューションを提供していく考えであります。また、市場は継続的に成長をしていく中で、Capitolis Novationのような革新的な商品・サービスを求めていると確信しております。
Gil Mandelzis, CEO of Capitolis - BusinessWireより引用
我が社では、資本及び業務効率の効率化に注力しております。そのような中、FXオプション取引のノベーションプロセスを自動化させ、資本の最適化及びコスト削減を実現させるべく、Capitolisとパートナーシップ契約を締結できたことを喜ばしく思っております。
Christopher Perkins, global head of OTC clearing and head of foreign exchange prime broking at Citi - BusinessWireより引用
FXプライムブローキング向けのCapitolis Novationは、FXオプション取引市場にリクイディティ供給と信用供与をもたらすツールとして期待されております。お客様は、複数の銀行ネットワークを活用して、保有ポジションを相殺することが可能となります。
Vincent Bonamy, global head of Global Intermediary Services at HSBC - BusinessWireより引用
フィンテック企業のCapitolisは、Gil Mandelzis氏に率いられ、バイサイド(買い手側)とセルサイド(売り手側)両方の顧客向けに、FX取引のノベーションプロセスを合理化させるサービスを提供している。この度Capitolis Novationが、グローバルに展開するCitiとHSBCに採用されたことで、認知度向上と共に更なる利用拡大が期待されよう。
release date 2019.02.08
2018年はCapitolisにとって目まぐるしい1年であった。3月には2回にわたる投資ラウンドで、2,900万ドルの資金調達に成功し、これによって同社は、4月にCapitolis SwitchとよばれるFX用サービスのリリースにこぎつけている。その後もCapitolisは新たなFX向けサービスの開発に取り組み、HSBCやCiti、BlueCrestなどを含む複数の企業と提携を行い、Capitolis Novationをリリースしている。当時CapitolisのCEOであるGil Mandelzis氏はサービスのリリースにあたって、プライムブローカーや執行銀行、バイサイドから受けた強力なサポートに感謝すると語っており、関係各所との強いネットワーク網を感じさせる。Capitolis Novationは、企業によるFXプライムブローキングや二国間取引サービスの自動化を実現することで、市場参加者やFX商品に対するノベーションプロセスの自動化が期待されている。2019年もCapitolisにとって飛躍の年になりそうだ。
作成日
:2019.02.08
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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