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Financial Commission、2018年度の年次報告書を公表

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update 2021.08.31 15:27
Financial Commission、2018年度の年次報告書を公表

update 2021.08.31 15:27

紛争解決により約80万ドルの取り戻しに成功

投資家とブローカー間の紛争解決に特化した機関であるFinancial Commission【以下、FinaComと称す】は2月7日、2018年度の年次報告書を公表した。[1]

2018年度の年次報告書によると、投資家が有利な形で153件の紛争が解決し、784,380ドルを顧客の手に取り戻すことに成功した模様だ。FinaComでは、ブローカーと個人投資家の間の紛争解決に着実ながらも貢献しているとしている。なお、2017年度には1,564,700ドルを取り戻していたことから、金額的には大きく落ち込む結果となった。ただし、 FinaComは紛争解決を目的とする機関であり、営利企業のように毎年利益拡大を目指しているわけではないため、特段問題視することではなかろう。

投資家の元へ取り戻した金額である784,380ドルの内、実に618,566ドルは実際のトレーディングに関するものではなく、ブローカーによる不適切な投資アドバイスによるとのことだ。ブローカーがb-book(顧客の注文を全てブローカーがヘッジする取引手法)を採用していれば、顧客が損失を出すことでブローカーが利益を得られる利益相反関係のため、A-book(顧客の注文を全てインターバンク市場に流す取引手法)と比較しても、ブローカーが顧客に不利益となる情報を提供するリスクも出てくると考えられる。

なお、FinaComに持ち込まれる紛争は、圧倒的にロシアと旧ソビエト連邦を形成していた国々からのもので、紛争解決を求める投資家の内64%がロシア語を含むスラブ語を話すと言う。ロシア語に続く形で、世界の公用語である英語が21%を占めているとのことだ。

FinComには、現在21のFX、CFDブローカーが加入している。仮に、FinaComに加入するブローカーと投資家の間で紛争が生じた場合、投資家は1件当たり最大20,000ユーロ(22,694ドル)の補償が受けられる仕組みとなっている。2018年には、DeltaFXとFXTMがFinaComに加入 を果たしており、ブローカーにとっても顧客により安心・安全な取引環境を提供する1つの手段と言えよう。

release date 2019.02.08

出典元:

ニュースコメント

自主規制機関のFinancial Commissionの役割

Financial Commissionは投資家とブローカーの間で起こる争いの仲裁を担う機関で、設立の目的は、両当事者間の中立の立場から迅速かつ専門な見解によって争いごとを解決することが掲げられている。Financial Commissionの仲裁は無償で行われ、解決に向けて争点となる要因を公正に判断するとともに、当事者から苦情申し立てが提出されれば、その調査も行うという。また、仲裁によって、Financial Commissionに加盟するブローカー側に否があると判断された場合、そのブローカーに対して実行力のある規制及び処分を行う権限を持つ団体である。さらには、投資家に対して一定の条件のもと損害の補填も保証されており、投資家に信頼と安心を提供するという点でFinancial Commissionに加盟するブローカーも存在しており、グローバル展開を図る海外FX・CFDブローカーのAlpariも加盟企業として名を連ねている。


Date

作成日

2019.02.08

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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