作成日
:2018.11.28
2022.01.27 17:19
アイルランド中央銀行は11月26日月曜日より、アンチマネーロンダリング(AML)対策を強化する目的で、従来直接的に規制を行ってこなかった複数の金融機関に対し、登録を義務付ける新規制を導入した。
新規制において登録義務を課せられる企業として、ブローカーや決済サービスプロバイダーが対象となっている他、財務アドバイスやポートフォリオマネジメント、カストディーサービスを手掛ける企業も対象に含まれている模様だ。
アイルランドのアンチマネーロンダリング及びテロ資金供与対策法は、刑事司法法(the Criminal Justice Act)2010に準拠している。この刑事司法法は、2013年と2018年の2回に亘り修正が行われ、今まさにAMLとテロ資金供与の対策強化が図られている状況である。
直近の法改正以降、アイルランドにおいては、アイルランド中央銀行が最も権限を与えられた監督当局として、金融機関やクレジットサービス会社を監督・監視する役目を担っている。また、アイルランド中央銀行は、法規定に基づき、金融機関やクレジットサービス会社などの信用機関に対し、合理的に必要と判断された場合には措置を講じる権限も持ち合わせている。なお、企業が遵守すべきコンプライアンス事項の内容については、アイルランド中央銀行の公式発表において、現在までにその詳細はまだ明らかにされていない模様である。昨今、金融犯罪が複雑化する中、アイルランドを始めとした各国の規制当局によるAML・テロ資金供与対策は更なる強化が見込まれよう。
release date 2018.11.28
昨今、国際社会においてテロの脅威や様々な金融犯罪が増加しているなか、AML・テロ資金供与対策に関する世界各国での取り組みも急速に高まりを見せている。諸外国においては、対策の不備を契機に当局が多額の制裁金を課す事例もあるなど、犯罪組織やテロ組織への資金流入を防ぐため、各国の規制当局では様々な対策が講じられている。日本においては、2001年9月11日に米国で発生した同時多発テロ事件を発端とし「テロリズムに対する資金供与防止に関わる国際条約」に署名し受諾された事から、2008年3月1日より「犯罪収益移転防止法」が新たに施行されたことは記憶に新しい。これにより、金融機関などでの取引時に公的証書により「本人確認」を行うことが義務づけられている。さらに年内には、「犯罪収益移転防止法」の施行規則が改正される見込みであり、その改正内容のポイントは本人確認のデジタル化であるという。こうした日本での対策や今回発表のあったアイルランド銀行による新たなAML規制策など各国による対策も進むなか、記憶に新しいZaifのハッキング や、コールドウォレットが狙われた衝撃的なケースのTrade.ioのハッキング事件など、仮想通貨のハッキング被害が世界中で多発しているのも事実である。仮想通貨は「テロリストなどの反社会的勢力の資金源」となっているとも言われており、各国の規制当局や取引所においても今後も継続して対策を講じる必要がある。
作成日
:2018.11.28
最終更新
:2022.01.27
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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