Select Language

ESMA、CFD新規制の詳細な意見書を公表

ESMA、CFD新規制の詳細な意見書を公表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.27 17:25
ESMA、CFD新規制の詳細な意見書を公表

update 2022.01.27 17:25

レバレッジ制限後、個人投資家の利益発生口座は減少

欧州域内を管轄とする金融規制当局である欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、2018年9月末に適用期間を3か月延長させていたCFDの取引や流通およびマーケティングを制限する新規制策に関する詳細な意見書[1]を公表した。

ESMAの新規制は8月に適用が開始されて以降、その翌月にはすぐにCFD規制の期間延長をESMAが発表している。

この度公表された意見書のうち、主な事項としてデータ開示義務のある顧客の利益・損失発生口座の割合が公表されており、ESMAの新規制が導入された2018年8月と前年の2017年8月を比較すると、レバレッジ制限を課した2018年8月の方が、利益発生口座の割合が若干ながらも減少している。ESMAもその事実を認めていることは大変興味深い点だと言える。ただし、データを抽出した2017年8月は、仮想通貨の価格が急騰していたことから、2018年8月と比較してより収益をあげやすい投資環境であったため、ESMAとしては、利益発生口座の割合が減少したことに関して、さほど気にも留めていないようである。むしろESMAは、新規制のもとで、強制ロスカットや口座残高がマイナスとなる事態が減少したことを強調している。

またESMAは今後、一定水準の投資家保護策を採らず、新規制下でも引き続きハイレバレッジを提供できるプロフェッショナル顧客層へのサービスに注力する欧州圏内のライセンスブローカーの動向を注視していく意向である。加えてESMAは、オフショアブローカーが欧州域内の顧客に対し積極的に勧誘を行っていたり、EUライセンスを保持するCFDブローカーの中にも、規制が比較的緩い自社グループ内のオフショア法人へ個人投資家を誘導するマーケティングを行っていたりしていることを認識しているとのことである。オフショア市場で取引をすることを顧客の側から望むことは問題ないが、欧州域内のブローカー側から積極的に顧客を誘導することは認められていない。しかし少なからずそのようなマーケティングが行われているのも事実であるようだ。

意見書のその他の事項を整理すると、2018年8月1日より導入されたESMAの新規制は、期間が延長され2019年1月末まで適用される見込みであること、また、新規制が3か月毎に見直されることは従来と変わりはない。また、2018年8月と2017年7月を比較すると、CFD取引を行う個人投資家の口座数や取引高などが減少する一方、プロフェッショナル顧客層は拡大している。ただしESMAは、たとえ新規制の適用期間を延長したとしても、金融市場の効率性を歪めたり投資家にマイナスの影響を与えることはないとの認識を持っており、むしろ、新規制の適用期間を延長しなければ、ブローカーは個人投資家を保護する十分で適切な策を講じずに、再びリスクを度返しにしたCFD取引サービスを提供するだろうと見ている。

各国規制当局は、特にリスク警告に関してESMAの新規制策を遵守していない事案を僅かながらも確認しているほか、ESMAはサードパーティーの広告配信業者を利用した広告掲載に関して一部規制を見直している。なおESMAによると、この度の意見書は各国規制当局へ通知されたうえで、既に承認されているとのことだ。

release date 2018.11.01

出典元:

ニュースコメント

ブローカーの規制対応策は状況の好転に繋がるか

ESMAの新規制が導入されて以降、業界内では様々な変化が顕著に現れ始めている。ブローカーやトレーダーが最も注目しているレバレッジ規制が延長されたことにより、トレーダーは高レバレッジを求めオフショアへとシフトし始め、またブローカーは、その需要に応えるべくオフショア法人を設立する動きが目立ち始めている。また、その他にもプロトレーダー向けの階層を設けることで引き続きハイレバレッジを提供するブローカーも増えており、今年4月にはCMC MarketがCMC Proという、新規制適用後もハイレバレッジでの取引が可能となるプロトレーダー向けのサービスを開始している。この度公表された意見書では、ESMAはこの実態を把握していることを認めているが、ESMAがオフショアブローカーを規制することはできず、オフショアブローカーへ誘導するマーケティングを禁止するに留まっている状況だ。皮肉にも新規制導入後に利益発生口座の割合が減少しているようだが、今後調査を続けるうちにこの割合がどのように変化していくのか引き続き注目していく必要があるだろう。


Date

作成日

2018.11.01

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

メタマスクが勝手に開く現象が多数報告!原因や対処法は?

PCでブラウザを立ち上げた際にメタマスクが勝手に起動する現象が起きており、SNS上でも話題になっています。Myforex編集部でもこの現象を確認しており、当記事執筆時点(2025年4月3日)ではGoogle ChromeとBraveのブラウザで発生していることが確認できています。
update2025.04.03 19:45

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

海外FX業者のXアカウントが凍結?金融庁による働きかけの可能性も

複数の海外FX業者の公式Xアカウントが凍結されました。凍結されたのは日本向けのアカウントで、同じブローカーの英語アカウントは現在も閲覧できる状態です。海外FX業者の公式Xアカウントが凍結された背景を解説します。
update2025.04.01 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

キャプテン翼-RIVALS- がJOHNトークンのエアドロを発表!LINEなどで遊べるMini Appの独自トークン

「キャプテン翼-RIVALS- Mini App」は、キャプテン翼のIPを活用したWeb3ゲームです。2025年4月にJOHNトークンのエアドロップが予定されており、注目を集めています。本記事では、JOHNトークンの特徴、エアドロップの仕組み、将来性などを解説します。
update2025.03.27 19:00

MT4/MT5対応の通貨強弱インディケータを徹底比較!無料で使えるおすすめは?

通貨強弱インディケータを使うと各通貨の強弱が一目で分かり、初心者でも視覚的に相場状況を把握できます。この記事では、無料のおすすめインディケータを比較し、選び方や活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:30

MT4のバックテストに正確なヒストリカルデータが必須!無料・有料データを比較

MT4でバックテストをする際にはヒストリカルデータの取得が必要です。ヒストリカルデータは無料と有料のものがありますが、どっちがいいのか、気になる人もいるでしょう。本記事では、ヒストリカルデータのダウンロード方法を詳しく解説します。
update2025.03.26 19:30

MTF-MAでトレードのレベルを上げる。MT4/MT5で使えるインディケータを比較

MTF分析は複数の時間足を組み合わせて相場全体を把握する手法です。MTF分析を使いこなすことでエントリーの方向やタイミングを掴みやすくなります。本記事ではMTF分析を簡単にするインディケータや、エントリー精度を上げる方法を解説します。
update2025.01.21 19:15
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル