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米ゴールドマンサックス、イーサリアム連動商品を開発か

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update 2021.08.31 15:22
米ゴールドマンサックス、イーサリアム連動商品を開発か

update 2021.08.31 15:22

仮想通貨関連商品に対する期待にメディアで情報が錯綜

いくつかの情報筋によると、米国大手投資銀行のGoldman Sachs & Co.LLC(本社:200 West Street, 29th Floor, New York, NY 10282, United States[1])【以下、ゴールドマンサックスと称す】は、イーサリアム(ETH)を原資産としたNDFの開発を進めているという。

NDFは、先物取引の一種で、現物の受け渡しを必要とせず、契約時の締結価格とスポット価格の差額決済のみで取引が完結するデリバティブ商品だ。一般的には為替市場やコモディティ市場などで広く利用されている。ゴールドマンサックスは、以前から仮想通貨をベースとした金融商品の開発に取り組んでいると噂されていたが、現時点では正式な発表などは行われておらず詳細は明らかにされていない。それにも関わらず、仮想通貨メディアであるThe ICOジャーナルは、ゴールドマンサックスとイーサリアム財団が手を組んでイーサリアムNDFの開発を行なっていると声高に主張している。その根拠は、独自に掴んだ3つの内部情報[2]が関係しているようだ。

一つ目の根拠は、仮想通貨に連動する金融商品のリリースはゴールドマンサックスと投資家の両者に明確なメリットがあるということだ。特にゴールドマンサックスが抱える超重要顧客セグメントのUHNW(大口の投資家や富裕層などの総称)からの要求の声が大きくなっているという。これに対して、ゴールドマンサックスは2019年初旬までにイーサリアムNDFを提供することをUHNWに約束しており、顧客を逃さないために実現する必要があると考えているようだ。

二つ目の根拠は、ゴールドマンサックスがイーサリアムNDFのローンチに狙いを絞って力を注いでいるということだ。2019年の早い段階でNDFをリリースするために、ゴールドマンサックスは集中と選択を行なっており、ビットコインや他の仮想通貨に連動するNDFは今回対象の範囲外としているという。イーサリアムは、汎用的で多くのプロジェクトに利用されるなど広く流通しているため、仮想通貨NDFの取り掛かりとしては妥当な判断と考えられる。

The ICOジャーナルが伝えている三つ目の根拠は、内部取引情報のアクセス権限を持つゴールドマンサックスの社員からの情報で、時期は明言していないもののイーサリアムNDFは実現するとの証言があるという。ビットコインやイーサリアムは、2017年末ごろから注目を集めており、ゴールドマンサックスの顧客も、仮想通貨市場へ投資する手段を求めだした。その後、不幸にも仮想通貨市場は暴落によって問題視されるようになったが、イーサリアムは他の通貨とは違い、本質的な価値を持つデジタル資産であると当人は分析している。

ゴールドマンサックスは、仮想通貨関連のニュースでここ半年ほどメディアを賑わせている。今年初めにも、自前の仮想通貨取引部門を設立しているとの報道があったが、今月に入ってその計画が頓挫したことが伝えられ市場に衝撃が走った。しかし、すぐにその報道が事実無根であったことがわかり、ゴールドマンサックスは仮想通貨商品の開発を継続していると訂正されている。

このように、仮想通貨関連のメディアでは膨らむ期待と共に情報が錯綜しており、懐疑的にならざるを得ない。もちろん今回のThe ICOジャーナルの主張も、非公式なものでありその真偽は誰にもわからない。ゴールドマンサックスが、イーサリアムNDFを提供することができるかは、予定とされている2019年初旬まで見守るほかないようだ。

release date 2018.9.28

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨業界へ進出するゴールドマンサックス

今年9月、ゴールドマンサックスは仮想通貨トレーディングデスクの設立計画を、仮想通貨市場の規制の不透明さなどの理由により一時白紙に戻したことが報道された。この報道に対しゴールドマンサックスは、計画は一時中止となるが重要顧客のデジタル資産への関心は高まっており、仮想通貨分野にて最良のサービス提供方法を模索していると述べており、完全に仮想通貨業界から手を引いたということではなく、現時点において設立しないというだけで、今後規制の整備が進めば再度実現に向け動く可能性は十分にあると思われる。ゴールドマンサックスは、今年8月に仮想通貨カストディサービスの導入を発表しており、当面はこちらに注力していくと考えられている。仮想通貨カストディサービスは、仮想通貨ファンドを対象に保管管理を行うことで、ハッキングなどの攻撃からデジタル資産を守り盗難リスクを下げることを目的としており、機関投資家の仮想通貨業界への参入障壁の一つとなっている資産保管リスクの面で重要な役割を果たすことになる。様々な情報が錯綜してはいるものの、いずれにせよゴールドマンサックスのような世界的に有名で信頼できる大企業の仮想通貨業界進出は、仮想通貨市場の大きな発展に繋がっていくだろう。


Date

作成日

2018.09.28

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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