作成日
:2018.05.08
2022.07.06 12:56
スイスのジュネーブを拠点とし銀行業や、FXブローカー事業を行うDukascopy Bank SA(本社:Route de Pré-Bois 20 ICC, Entrance H 1215 Geneva 15 Switzerland)【以下、デューカスコピーと称す】は、今年の中旬にMetaTrader 4【以下、MT4と称す】の提供を開始することを発表した。
デューカスコピーは、これまで、自社プラットフォームであるJForexのみを取引ツールとして提供してきた。自社プラットフォームを提供するブローカーは、他にもたくさんあるが、多くの海外FXブローカーは、自社プラットフォームに加え、MetaQuotesが開発するMT4や、MT5、Spotwareが開発するcTraderなど、共通トレードプラットフォームも合わせて提供している。そのため、デューカスコピーでは、使い慣れたプラットフォームが利用できず、新たな顧客が獲得しにくいという問題が指摘され続けており、ついに今年の半ばに、MT4の提供開始が決定した。
昨年のデューカスコピーの収益は、2016年の3,320万スイスフランから、12%減の2,910万スイスフランまで落ち込み、利益も、2016年の360万スイスフランに対して、昨年は240万スイスフランの損失となっている。一年間の取引量でみると、2016年と同水準の6,578億スイスフラン(ひと月あたり548億ドル)であり、一見、堅調に推移しているようにも見えるが、デューカスコピーは、2017年の上半期のひと月あたりの平均取引量を約620億ドルと報告していることから、下半期に20%近くも取引量が減っていることになる。さらに、デューカスコピーの顧客預金残高は、2015年は1億4,500万スイスフランであったが、2016年度末は1億1,810万スイスフラン、2017年度末は1億550万スイスフランと、2年連続で減少している。
デューカスコピーの顧客預金残高が減少した理由としては、ホワイトラベルパートナーの撤退やビットコインの暴落の影響などが考えられる。しかし、デューカスコピーの競合銀行であり、同じくブローカー事業に参入するSwissquoteは、昨年度、過去最高の実績と取引量を報告しており、対照的な結果となっている。デューカスコピーは、昨年の最終四半期にビットコインの取扱いを開始しており、他ブローカーに比べて仮想通貨取引への参入に遅れをとったことを認めている。
デューカスコピーの共同最高経営責任者である Andrey Duka氏とCROである Laurent Bellieres氏は、同社の業績について以下のようにコメントしている。
まず、昨年の取引量は記録的であったことに注目したいと思います。取引量は多くの要因に左右されるため、ブローカーにとって年度内の取引量の変動は通常のことです。また、我々は顧客に非常に有利な取引条件を提供していたため、利益率が低下しています。さらに、損失の大部分は、我々のグループ内で行われた大規模な開発に関連したものです。この開発により、我々が長期的に必要と考える追加経費が発生しましたが、積立金で損失を補填したことに留意してください。昨年の収益は、開発への投資と積立金の補填により、若干ながらも黒字を計上しています。これは開発に専念するために、意図的に選択したものであり、今年は開発の重要な段階がほぼ確定されるため、開発費は下がると予想しています。我々は本年度の業績に楽観的な見方をしています。
Andrey Duka and Laurent Bellieres, co-CEO and CRO of Dukascopy
また、デューカスコピーは、新たにプライベートリテールバンキングに参入する計画を明らかにしている。MT4の導入により新規顧客の獲得が進むのか、今後の同社の業績が注目される。
release date 2018.5.8
作成日
:2018.05.08
最終更新
:2022.07.06
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー