作成日
:2018.04.02
2021.08.31 15:23
世界最大規模のソーシャルネットワークサービスを提供するFacebook, Inc.(1 Hacker Way, Menlo Park, California 94025 United States) 【以下、フェイスブックと称す】は、この度、独自の仮想通貨 Facebook Coin(FBC)を立ち上げたことを明らかにした。この度フェイスブックが実施するICOは、先日テレグラム(Telegram)が行った過去最大規模となる12億ドルの資金調達に匹敵すると予想され、2週間以内にイーサリアムのブロックチェーン上で発行され資金調達(ICO)が実施されるものとみられる。
先日フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏が、仮想通貨の最善の利用法を研究していると発言したことで、フェイスブックが独自の仮想通貨立ち上げを計画しているのではないかという憶測が強まっていた。FBCについての技術的な詳細は明らかになっていないが、モネロ(Monero)と同様の特徴を持つ、匿名性の高い仮想通貨であるようだ。フェイスブックは、FBC保有を希望する利用者に対し、セキュリティ上の理由からフェイスブックへの登録を行い、名前、住所、電話番号、母親の旧姓および最初に飼ったペットの名前などの情報提供を義務付けている。しかしながら、契約書内のプライバシー条項に記載されている通り、ウォレットや送金経路については完全に匿名として扱われることを保証している。
フェイスブックにおいては、ここ最近、信頼の低下を招く報道が続いている。直近では、政治的データ分析会社であるケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytic)に5,000万人以上のフェイスブックユーザーの個人情報が漏えいされ、これらの情報が英国のBrexit国民投票や、直近の米国大統領選挙で不正利用されたことが明らかとなった。
このスキャンダルが報道された直後に、フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、英国及び米国の主要な報道機関に対し下記の声明を送っている。
2014年に大学研究者が作成したクイズアプリを介して、数百万人の個人情報が漏えいされた出来事を記憶しているかもしれません。これは信頼性に対する規約違反であり、また当時、我々がこの件に対し何ら対策をとれなかったことに深くお詫び申し上げます。我々は、今後2度と同じことが起こらないよう、万全な体制をとっております。フェイスブックの利用者が弊社に引き続き信頼を寄せていてくれることに感謝します。私は利用者のために今後も最善を尽くすことをお約束します。
Mark Zuckerberg,CEO of Facebook
ザッカーバーグ氏は、同スキャンダル発生により、フェイスブック利用者の信頼を損なったことを認めている。事実、何百万人もの利用者が自身のプロファイルを削除し、フェイスブックの資産価値は5380億ドルから4640億ドルに墜落した。
しかし、フェイスブックにとって、もっと深刻な問題となっているのは、規約違反に対する罰金への対応である。同社は2011年に米連邦取引委員会からのプライバシー管理違反に関する申し立てに対し、同委員会が提示した和解案に署名している。先のケンブリッジ・アナリティカへの情報漏えいにおける再度の規約違反は前述の和解案に対する違反行為となる。和解条件に基づき、一回の違反で40,000ドルの違約金が発生することから、5,000万人のデータが不適切に使用されたことによる罰金は何兆ドルにも上ると予想される。
また、フェイスブックは同プラットフォームに自社のICO関連の広告を掲載することも明らかにしている。最近フェイスブックは仮想通貨に関連するすべての広告掲載を禁止することを発表したばかりであったため、自社の仮想通貨関連の広告掲載は禁止対象にならないという点は興味深い。この件について、フェイスブックの製品管理ディレクターは下記のコメントをしている。
フェイスブックは「詐欺と不正」を回避することを第一としています。先日決定した仮想通貨関連の広告掲載を禁止する新しいルールを、弊社独自の仮想通貨に対し見直しを行う決定に驚くのは当然のことでしょう。しかし、この新ルールは、本来仮想通貨を取り扱う会社の大半が詐欺であったことから、適用の実施を決定するに至っています。したがって、フェイスブックが行うICOは、独自に開発した新しい仮想通貨を始動させるために必要な情報を法的に入手していることから、詐欺行為には該当しないとし、弊社独自の仮想通貨に関する広告掲載の実施は新ルール適用の対象とはならないと判断いたします。
product managing director of Facebook
フェイスブックによる独自の仮想通貨の立ち上げは、市場に大きな影響を与えることはもちろんのこと、様々な面で注目が集まるイベントになるだろう。
release date 2018.4.2
作成日
:2018.04.02
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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