作成日
:2018.02.07
2021.08.31 15:23
米国証券取引委員会【Securities and Exchange Commssion:以下、SECと称す】のJay Clayton議長と、米商品先物取引委員会(U.S. Commodity Futures Trading Commission )【以下、CFTCと称す】のJ. Christopher Giancarlo議長が、仮想通貨取引に対する新規制を支持する意向を表明した。
先日行われた上院聴聞会において、両議長はともに仮想通貨市場に対する規制や政策についての必要性を主張し、連邦当局が仮想通貨取引の新しい規制法案を検討していることに対し、透明性と公平性をもたらすものだとした上で、政策の取り組みを支持する意向を表明した。
また、今後、仮想通貨業界に特化した規制機関の設立に関して、将来的に新しい法律の導入が必要になるとの見解を示した。しかし、ブロックチェーン技術が米国政府や経済にもたらす影響へ関心を示していることから、今後制定される予定の規制は、あくまでも不正行為を取り締まる目的であるようだ。
Clayton議長は、現状、ICO取引に明確な規制がなく、大部分が法律の範囲外であることを認めた上で、消費者保護の視点において、規制が必要であることは明確であることを指摘している。加えて、次のようなコメントを出している。
私が知りうる全てのICOは、証券同様だと考えています。通貨と名づけられていますが、証券同様の機能をする限り、それは証券に値します。仮想通貨に携わっていながら、証券に見なされないようあらゆる手段を駆使している業者は、今後規制の対象となるでしょう。
Jay Clayton, Chairman of SEC
しかし、SECが企業に対し集団訴訟の禁止をしている一方で、ICO保有許可の検討をしているという記事の事実確認に関しては、不明確なままとなっている。また、Clayton議長は、現在SECに登録されているICOの件数について不明であることを認めたものの、その理由については回答を避けている。
トランプ政権は、ブロックチェーン技術へ高い関心を抱いており、中でも新たに任命された連邦準備制度理事会(FRB)のJerome Powell氏は、過去にブロックチェーン技術への関心を表明している。SECとCFTCの両議長は、Powell氏の見解に賛成の意見を表明しつつも、ブロックチェーン技術については未知の要素がかなりあり、不明な部分が多いことを認めている。
さらにClayton議長は、過去1年間にICOを通じて調達された40億ドルが、米国市民にどの程度還元されているかという点に関しても不明だと述べている。
release date 2018.2.7
作成日
:2018.02.07
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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