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FCA、新自己資本規制指令を発表

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update 2022.01.28 11:59
FCA、新自己資本規制指令を発表

update 2022.01.28 11:59

ESMAのマイナス残高保護規則の下、自己資本水準の維持を求める

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】による個人投資家保護を目的とした新規制制定に向けた取り組みが進む中、英国の規制機関である英国金融行動監視機構(The UK Financial ConductAuthority)【以下、FCAと称す】は、ブローカーに対し、ESMAのマイナス残高保護規則の下で、より強化された資本要件を満たすために必要な新規定を発表した。

ブローカーが顧客のマイナス残高保護を提供する場合、顧客の損失が証拠金を下回った場合には、ブローカーがマイナス分の損失を補償することになるため、事実上ブローカーが投資家の市場リスクを負うこととなる。

このことから、顧客にマイナス残高保護の提供を義務付けられたブローカーは、より多くのリスクにさらされていることになるため、FCAの自己資本規制指令に従い、市場リスクエクスポージャーを緩和し一貫性のある自己資本水準を維持する必要があるという。

また、FCAは、新規制により大きな影響を受ける可能性が高い、125Kライセンスを保有するブローカーについて懸念を表明している。125Kライセンスを保有するブローカーにおいて、マイナス残高保護とストップロスを適用していない場合は、ブローカーは担保として使用できる自己資本を確保する必要があるという。

英国に拠点を置く97社のCFDブローカーのうち、23社が125Kライセンスを保有しており、FCAは、これらのブローカーに対し、現在のライセンスにおいてマイナス残高保護の提供を検討するよう求めている。

もしも規定への準拠が実証できない場合は、市場リスクを有することができる730Kライセンスへの移行が余儀なくされるが、ESMAはブローカーに対し早急な対応を求めており、期限内でのライセンス移行は不可能に近い。期限内に730Kライセンスへ移行できた場合でも、マイナス残高保護を提供していなかったブローカーは、ESMAのマイナス残高保護規則を遵守するための技術的手段を確立する必要があり、どちらにしても厳しい状況に陥るだろう。

さらに、マイナス補償を伴う市場リスクをカバーするためには、膨大な資本を確保する必要があることから、125Kライセンスを保有するブローカーは、取引を管理するカウンターパートにリスクを受け渡す必要性が出てくる。これらのことから、この先数ヶ月間において、新規制を背景にブローカーの合併や買収が増える可能性がある。

release date 2018.1.31


Date

作成日

2018.01.31

Update

最終更新

2022.01.28

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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