Select Language

欧州証券市場監督局、レバレッジの引き下げ案等の新規制を検討

欧州証券市場監督局、レバレッジの引き下げ案等の新規制を検討

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.28 12:13
欧州証券市場監督局、レバレッジの引き下げ案等の新規制を検討

update 2022.01.28 12:13

新たな提案に対しCMC Markets、IG Group、Plus500は公式声明を発表

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、投資家保護の観点から、レバレッジの引き下げや、ゼロカットシステムの適用、キャッシュバック等のボーナスの提供の廃止、マージンコールとロスカット規定、バイナリーオプションの提供の禁止など、新しい規制を検討していることが明らかになった。

レバレッジは、1:5から最大で1:30までの大幅な引き下げが検討されている。

この発表を受け、英国の大手FX・CFDブローカーであるCMC Markets UK plc(本社:133 Houndsditch London)【以下、CMC Marketsと称す】、Plus500UK Ltd(本社:45 Moorfields | London EC2Y 9AE)【以下、Plus500と称す】、IG Index Limited and IG Markets Limited(本社:Cannon Bridge House 25 Dowgate Hill London EC4R 2YA UK)【以下、IG Groupと称す】の株価は、ロンドン市場において、一時的に10%以上も急落した。

発表後、各ブローカーからは、公式声明やコメント等が相次いで発表されている。

CMC Marketsは、公式声明において、新たな規制要件に対し、迅速に対応する意向を示している。同社は、英国内では損失が一定の範囲内に制限されている口座を提供しており、ドイツ国内においては、ゼロカットシステムを適用している。バイナリーオプションについては、CMC Marketsの英国及び、EU地域における上半期の収益は、210万ポンドであり、禁止となった場合の影響はさほど大きくなさそうだ。

また、レバレッジの引き下げによる必要証拠金の変更は、顧客の取引頻度に影響を与える可能性はあるものの、変更による影響は定かではないとした上で、次のような声明を発表している。

これらの新しい提案がグループに影響を及ぼす可能性はありますが、我々は規制への取り組みを歓迎しています。この規制は、公平な競争の場を作り上げ、業界の水準を向上させることでしょう。我々は、高い付加価値で、経験豊富なトレーダーを引き付けることを重視していますので、新規制が作り出す取引機会を活用することができるでしょう。

Official statement of CMC Markets

IG Groupは、声明で、ストップアウトの実施や顧客の損失範囲の制限、ボーナスなどのインセンティブを制限することによるメリットを確信していることを強調している。IG Groupが最も関心を寄せているレバレッジ制限については、EUの顧客がオフショアブローカーへ乗り換えする可能性を指摘しており、行き過ぎたレバレッジ規制は、顧客を救済するどころか危害を与えると述べている。尚、バイナリーオプションについては、IG Groupの上半期における収益は、全体の5%未満に留まっている。

IG Groupは、11月よりリテール顧客を取引状況によって区分けする作業を開始しているが、その結果、英国およびEU地域において、専門家として分類された顧客が生み出す収益が、5%から15%に増加したという。IG Groupによると、英国とEUにおける収益の半分以上は専門家により生み出されており、専門家であれば一般の顧客よりも高いレバレッジを利用できてもよいと考えているようだ。

IG Groupは、ESMAが検討中のバイナリーオプションの禁止やCFDに対する規制の実施による財政上の影響は、本年度においては重要ではないとした上で、以下のように述べている。

規制当局の改革により、翌年度の財政にどのような影響が及ぼされるかを予測するのは難しい状況です。現在、ESMAが検討している規制が実施された場合、バイナリーオプションの収益の減少を含めた年間収益の減少は、10%未満であると考えています。

Official statement of IG Group

Plus500は、今年の1月にキャッシュバック等のボーナスの提供を廃止している。また、バイナリーオプションサービスも提供していない。

Plus500のCEOであるAsaf Elimelech氏は、次のようにコメントしている。

来年1月から施行予定の規制改革に向け、ESMAからの最新情報を積極的に取り入れています。我々は、協議期間中、規制当局と協力し、対策案を効率的に運用するための詳細な手順を確立できることを楽しみにしています。詳細が確定するまでは、当社事業への影響について見解を示すことは難しいですが、我々には柔軟なビジネスモデルがあり、すでにESMAによって提示された多くの規則を遵守しています。

Asaf Elimelech, CEO of Plus500

release date 2017.12.18


Date

作成日

2017.12.18

Update

最終更新

2022.01.28

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingがプレミアム預金を開始!最大年率13%の資金運用が可能

海外FX業者のVantage Tradingが2024年8月19日から新たにVプレミアム預金を開始しました。Vプレミアム預金では、規定量の資金および取引量を達成することで、最大年利13%の資金運用が可能です。
update2024.09.17 19:00

Milton Marketsが9月の1万円FXチャレンジとXリポストキャンペーンを開催!

Milton Marketsで、9月の1万円チャレンジが開催されます。この記事では、開催期間や上位入賞の条件、これまでの1万円チャレンジと変わった点などを解説します。
update2024.09.12 19:00

Titan FX が9月のデモトレードコンテストを開催!賞金最大30万円

海外FX業者のTitan FXが、「長月トレードコンテスト」を9月16日から開催することを発表しました。コンテストでは専用のデモ口座を使用するため、自己資金をリスクにさらすことなく参加できます。上位入賞者には賞金も贈られます。
update2024.09.10 20:00

Milton Marketsがボーナスキャンペーンや口座タイプを一新!

2024年9月1日からMilton Marketsがサービス内容のリニューアルを実施しました。この記事では、新たにリニューアルされた口座開設ボーナスや入金ボーナス、口座タイプなどを解説します。
update2024.09.10 19:00

仮想通貨DOGSの将来性は?テレグラム発のミームコインについて解説

仮想通貨(暗号資産)DOGSは、TONブロックチェーンを基盤とした、テレグラム...
update2024.09.06 19:00

Vantage Tradingが6種類の仮想通貨CFD銘柄を追加!取引時間も24時間365日に

Vantage Tradingは、2024年8月31日から日本円建ての仮想通貨CFD銘柄を6種類新たに追加します。また同日に仮想通貨CFDの取引時間が24時間365日体制に延長され、いつでもVantage Tradingで仮想通貨CFD取引をできるようになります。
update2024.09.03 20:00

XMTradingがシルバーウィーク100%ボーナスプロモを開催!

XMTradingが、シルバーウィークプロモを開催します。今回のキャンペーンでは、期間中に入金したユーザーに付与率100%のボーナスが付与されます。期間は2024年9月3日から9月30日までです。
update2024.09.03 19:00

仮想通貨ORDERの将来性は?DEX向けインフラのOrderly Networkの仕組みや評判を解説

仮想通貨ORDERは、DEX向け取引インフラを提供するOrderly Networkの独自トークンです。2024年8月26日にTGEを予定しており話題となっています。当記事では、仮想通貨ORDERの評判や将来性、使い道、Orderly Networkの特徴などを解説します。
update2024.08.23 19:30

BybitのコピートレードProのやり方|従来のコピートレードとの違いやメリット・デメリットも解説

2024年6月、Bybitはコピートレードの最新プラットフォーム「コピートレードPro」の提供を開始しました。リスクの低い現物取引への対応やシンプルな設定など、従来のコピートレードに比べて初心者でも利用しやすいサービスとなっています。BybitのコピートレードProの仕組みや従来のコピートレードとの違い、メリット・デメリット、やり方を解説します。
update2024.08.23 19:00

仮想通貨DBRの将来性は?ブリッジプロトコルdeBridgeの特徴や評判を解説

仮想通貨DBRは、deBridgeのガバナンストークンです。deBridgeは、低コストで効率的なクロスチェーン取引を実現するプロトコルです。当記事では、仮想通貨DBRとdeBridgeの特徴や将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2024.08.22 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル