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欧州証券市場監督局、レバレッジの引き下げ案等の新規制を検討

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update 2022.01.28 12:13
欧州証券市場監督局、レバレッジの引き下げ案等の新規制を検討

update 2022.01.28 12:13

新たな提案に対しCMC Markets、IG Group、Plus500は公式声明を発表

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、投資家保護の観点から、レバレッジの引き下げや、ゼロカットシステムの適用、キャッシュバック等のボーナスの提供の廃止、マージンコールとロスカット規定、バイナリーオプションの提供の禁止など、新しい規制を検討していることが明らかになった。

レバレッジは、1:5から最大で1:30までの大幅な引き下げが検討されている。

この発表を受け、英国の大手FX・CFDブローカーであるCMC Markets UK plc(本社:133 Houndsditch London)【以下、CMC Marketsと称す】、Plus500UK Ltd(本社:45 Moorfields | London EC2Y 9AE)【以下、Plus500と称す】、IG Index Limited and IG Markets Limited(本社:Cannon Bridge House 25 Dowgate Hill London EC4R 2YA UK)【以下、IG Groupと称す】の株価は、ロンドン市場において、一時的に10%以上も急落した。

発表後、各ブローカーからは、公式声明やコメント等が相次いで発表されている。

CMC Marketsは、公式声明において、新たな規制要件に対し、迅速に対応する意向を示している。同社は、英国内では損失が一定の範囲内に制限されている口座を提供しており、ドイツ国内においては、ゼロカットシステムを適用している。バイナリーオプションについては、CMC Marketsの英国及び、EU地域における上半期の収益は、210万ポンドであり、禁止となった場合の影響はさほど大きくなさそうだ。

また、レバレッジの引き下げによる必要証拠金の変更は、顧客の取引頻度に影響を与える可能性はあるものの、変更による影響は定かではないとした上で、次のような声明を発表している。

これらの新しい提案がグループに影響を及ぼす可能性はありますが、我々は規制への取り組みを歓迎しています。この規制は、公平な競争の場を作り上げ、業界の水準を向上させることでしょう。我々は、高い付加価値で、経験豊富なトレーダーを引き付けることを重視していますので、新規制が作り出す取引機会を活用することができるでしょう。

Official statement of CMC Markets

IG Groupは、声明で、ストップアウトの実施や顧客の損失範囲の制限、ボーナスなどのインセンティブを制限することによるメリットを確信していることを強調している。IG Groupが最も関心を寄せているレバレッジ制限については、EUの顧客がオフショアブローカーへ乗り換えする可能性を指摘しており、行き過ぎたレバレッジ規制は、顧客を救済するどころか危害を与えると述べている。尚、バイナリーオプションについては、IG Groupの上半期における収益は、全体の5%未満に留まっている。

IG Groupは、11月よりリテール顧客を取引状況によって区分けする作業を開始しているが、その結果、英国およびEU地域において、専門家として分類された顧客が生み出す収益が、5%から15%に増加したという。IG Groupによると、英国とEUにおける収益の半分以上は専門家により生み出されており、専門家であれば一般の顧客よりも高いレバレッジを利用できてもよいと考えているようだ。

IG Groupは、ESMAが検討中のバイナリーオプションの禁止やCFDに対する規制の実施による財政上の影響は、本年度においては重要ではないとした上で、以下のように述べている。

規制当局の改革により、翌年度の財政にどのような影響が及ぼされるかを予測するのは難しい状況です。現在、ESMAが検討している規制が実施された場合、バイナリーオプションの収益の減少を含めた年間収益の減少は、10%未満であると考えています。

Official statement of IG Group

Plus500は、今年の1月にキャッシュバック等のボーナスの提供を廃止している。また、バイナリーオプションサービスも提供していない。

Plus500のCEOであるAsaf Elimelech氏は、次のようにコメントしている。

来年1月から施行予定の規制改革に向け、ESMAからの最新情報を積極的に取り入れています。我々は、協議期間中、規制当局と協力し、対策案を効率的に運用するための詳細な手順を確立できることを楽しみにしています。詳細が確定するまでは、当社事業への影響について見解を示すことは難しいですが、我々には柔軟なビジネスモデルがあり、すでにESMAによって提示された多くの規則を遵守しています。

Asaf Elimelech, CEO of Plus500

release date 2017.12.18


Date

作成日

2017.12.18

Update

最終更新

2022.01.28

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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