作成日
:2017.11.14
2022.01.28 12:18
英国のバイナリーオプション業者は、2018年1月3日以降、英国の規制機関である英国金融行動監視機構(The UK Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】の規制を受けることが明らかになった。
英国では、バイナリーオプションは金融商品ではないという見解から、賭博委員会(Gambling Commission)が、英国内のバイナリーオプション業者の規制を行っている。このため、英国におけるバイナリーオプション取引は、FCA認可のブローカーの取引などとは異なり、FCAによる投資家保護を受けられず、FCAと賭博委員会は長年にわたり、バイナリーオプションの扱いについて、話し合いを重ねてきたという。
FCA規制になると、取引でトラブルが発生した場合、金融分野の紛争解決を行う金融オンブズマン制度(Financial Ombudsman Service)の利用が可能となり、金融サービス報酬制度(Financial Services Compensation Scheme)の対象になるという。しかし、FCAは、これらの制度は、バイナリーオプション業者が経営破綻した場合のみ対象となるもので、個人トレーダーの取引による損失を補償するものではないと忠告している。
なお、多くのEU諸国では、バイナリーオプションを金融商品として規制しているが、EUの金融サービス法に基づき、欧州経済地域(European Economic Area,EEA)で合法的に設立、認可され、MiFID(金融商品市場指令)の適用を受けた業者は、他のEEAで事業を行うことが可能である。つまり、EEAのバイナリーオプション業者は、現在、英国にてサービスの提供が可能で、2018年1月3日以降も引き続き事業を継続することができるが、FCAの規制を受けることになる。
FCAは、バイナリーオプション詐欺や、バイナリーオプション取引に伴うリスクに関する警告を繰り返し行っているが、11月14日、ビットコインなどの仮想通貨CFD取引についても、極めてリスクの高い金融商品として、投資家に注意を喚起する声明を発表している。仮想通貨価格の高騰に伴い、仮想通貨CFDを取り扱う海外FXブローカーが急増していることが背景にあるようだ。
release date 2017.11.14
作成日
:2017.11.14
最終更新
:2022.01.28
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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