作成日
:2017.11.09
2021.08.31 15:23
インドの中央銀行であるインド準備銀行(Reserve Bank of India)【以下、RBIと称す】は、インド国内において、ビットコインなどの仮想通貨による送金や決済の禁止を示唆する声明を発表した。
この声明は、RBIの執行役員であるS Ganesh Kumar氏が、ムンバイで行われたインド銀行協会の会議で発表したもので、これにより、インドにおける仮想通貨の合法的な受け入れの可能性が否定されたことになる。しかし一方で、Kumar氏は、仮想通貨の基盤技術は終わらないだろうとも述べており、インドで幅広く行われているブロックチェーンの技術開発については肯定的な姿勢をみせている。既にインドの多くの銀行が、ブロックチェーンの分散型元帳技術を活用した海外金融取引や国際送金などを取り入れ始めている。
インド政府は、9月にインド独自の法定仮想通貨を発行する計画を明らかにしていたが、ビットコインや他の仮想通貨については認めない方向性を示していた。
RBIの事務局長であるSudarsn Sen氏は、この計画に対し以下のようにコメントしている。
インド独自の法定仮想通貨の発行を検討しているグループがあります。つまり、インドのルピーに代わる通貨ですが、その詳細を確認しています。
Sudarsn Sen, Executive Director of RBI
さらに、インド政府は、11月2日にインドのすべての仮想通貨に関わる機関に対して、閉鎖するよう勧告を行っている。これは、世界最大のデリバティブ取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange)グループが、年内にビットコイン先物を導入する計画を発表した直後のことだった。また、8月には、インドの財務大臣であるArun Jaitley氏が、仮想通貨を合法化しない提案を行った公式委員会の報告書に基づき、ビットコインのような仮想通貨の使用を規制する姿勢を表明していた。なお、インド準備銀行は、仮想通貨を扱ういかなる機関に対しても、ライセンスや許可を与えていない。
release date 2017.11.09
作成日
:2017.11.09
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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