作成日
:2017.11.06
2021.08.31 15:23
米商品先物取引委員会(U.S. Commodity Futures Trading Commission )【以下、CFTCと称す】は、2017年9月期の見込ベースでの外国為替取引における月間報告書を発表した。
報告書の調査対象には、小売外国為替ディーラーとして登録されている先物取次業者、及び米国内で小売外国為替債務を保有するブローカー等が含まれる。
最新のデータからは、全体的には好調に推移していることがわかるが、ブローカー毎の業績に焦点を当てると、結果内容は様々であったようだ。ここ直近では大きな変化などは見られなく、今年も残り3カ月を残すばかりという状況から、2017年度は安定した結果でクローズすることが予想される。
9月期の米国における外国為替総取引高は好調で、米国内で運営している認可ブローカーが保有するFXファンドは、5億3,190万ドルに上り、8月期の5億2,100万ドルから2%の増加となった。
CFTCの報告書によれば、GAIN、OANDA、TD AMERITRADEの3社において、外国為替取引債務額の増加がみられ、中でも、GAINの9月期の外国為替取引債務額は2億6,110万ドルとなっており、前月期の2億5,400万ドルに対し3%の増加となった。一方、Interactive Brokersは、2ヵ月連続で損失を計上しており、9月期は前月比1%減の24.7万ドルの損失となった。これは、同社の7月期の外国為替取引債務額が6月の数値を523万ドル上回る13%の増加を記録し、異例の急成長をみせたことが要因として考えられている。
また、9月期のブローカー毎の市場シェア率は、前月値から変化はなく、GAINが49%のトップシェア率を維持しており、次いでOANDAが32%、TD AMERITRADEとInteractive Brokersはそれぞれ11%と7%のシェア率となっている。
今後米国内における規制緩和により、海外FXブローカーが再び米国市場へ参入してくる可能性も浮上しており、ドッド・フランク法(リーマンショック後に成立した米国の金融規制改革法)の厳しい規制を受けて伸び悩んでいた小売業者にとっては今後の見通しが明るくなるであろう。
release date 2017.11.06
作成日
:2017.11.06
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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