作成日
:2017.10.19
2022.01.28 12:24
10月17日、ロンドン市警察は、バイナリーオプション詐欺に関する強制捜査をロンドン市内20箇所のオフィスを対象に実施し、コンプライアンスに関する書類などを押収した。この捜査は、ロンドンの金融街シティの行政を執行するシティ・オブ・ロンドン自治体(City of London Corporation)の取引基準にて行われた。
また、英国金融サービス機構(The UK Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】と英国歳入税関庁(HM Revenue & Customs)【以下、HMRCと称す】の支援の下、バイナリーオプション詐欺をはじめ様々な手法の投資詐欺に関する情報を収集することができたという。これらの情報の中から、3ヶ月分の賃貸料金を支払った形跡はあるものの実体のない業者の存在も明らかになり、警察はこの業者に関する情報の確認と詐欺の関与について調査を行っているとのことだ。
ロンドンでは、2014年に、ロンドン市警察、シティ・オブ・ロンドン自治体、ロンドン警視庁、国家取引基準詐欺対策チーム、HMRC、およびFCAが共同でブロードウェイオペレーションと呼ばれる作戦を実行し、詐欺業者を検挙している。この作戦では、英国の主要な金融地区の中心にある建物から、投資詐欺を働いていた業者が発見され、世間に衝撃を与えた。同作戦チームは、発足以来、ロンドンとカナリーワーフで100箇所以上のオフィスの調査を実施しているが、警察と自治体は、この調査が詐欺業者との間に敵対的な環境を作り出していると考えている。ロンドン市警察は、過去6カ月かけて収集された情報を可視化し、今後、投資詐欺業者がロンドン市内で活動ができないように働きかけていくという。
警察の統計によると、ロンドンでは、2017年上半期において697人が投資詐欺に遭い、被害額は1,800万ポンド以上であることが報告されており、詐欺被害が依然として深刻な問題であることが伺える。ロンドン市警察は、投資家に対し、詐欺被害に遭った場合は必ず報告するよう呼びかけており、問題の詳細を確認することが完全な理解と確実な対策につながると述べている。
ロンドン市警察は、投資詐欺に対する意識を高める目的で、ソーシャルメディア上でハッシュタグ#BeatTheBoilerRoomsの使用を計画している。
release date 2017.10.19
作成日
:2017.10.19
最終更新
:2022.01.28
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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