韓国金融監督当局、ICOの禁止を公式発表

9月29日、韓国金融監督当局（Financial Services Commission）【以下、FSCと称す】は、イニシャルコインオファリング（デジタル通貨やトークン発行による資金調達、ICO）の禁止を発表した。

FSCは声明で、ICOによる詐欺のリスクが高まっていることを踏まえ、特定の技術や名称に関わらず、すべての形態のICOの提供を禁止することを表明している。加えて、仮想通貨の違法取引に対する取締りを強化することも示唆した。

今回の韓国規制当局の動きは、ICOに対する世界的な規制の波を受けたものと考えられる。中国では、今月初めに中国規制当局がすべてのICO禁止を発表しており、国内の仮想通貨取引所に対しては、中国の顧客への全取引サービスを停止するよう求めた。また、オーストラリアでは、ICOを通じた資金調達を検討している企業向けのガイドラインを発表するなど、規制が強化されている。一方、米国では、米国証券取引委員会がICOに対する詳細な調査を指示したものの、今のところ、取り締まりの実施には至っていない。

韓国では、今年春より仮想通貨の取引が非常に盛んになっていたため、今回の規制による市場への影響が懸念されている。先週、ビットコイン取引市場においては、韓国の取引量が中国を追い抜き世界第3位となり、イーサリアムの価格（ETH/KRW）は、過去24時間においてイーサリアム取引全体の約30％を占めていた。韓国のICO禁止措置の発表後は、ビットコインの価格は2％下落し、ICOに利用されるイーサリアムは、約4％下落した。

release date 2017.09.28