作成日
:2026.02.02


2026.02.02 14:01
クロスボーダー収納代行規制後の送金手段として、海外FXユーザーの間で注目を集めている仮想通貨(暗号資産)送金ですが、「税金の計算が面倒そう」というイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
確かに銀行送金と比較すると確定申告に若干手間がかかりますが、「総平均法」を用いることで損益計算をある程度簡略化できます。また、海外FXと仮想通貨の損益は合算できるため、節税できる場合もあります。
この記事では、仮想通貨送金を利用した際の損益計算の方法や、確定申告で損をしないためのポイントを説明します。
仮想通貨(暗号資産)の損益を計算する方法には「総平均法」と「移動平均法」の2つがありますが、仮想通貨の損益計算を極力簡略化したい場合は、計算方法がシンプルな「総平均法」がおすすめです。
総平均法は年間の損益をまとめて計算する方法で、以下のように算出します。
平均取得単価 =
年間の購入金額 ÷ 年間の取得数量
仮想通貨の損益 =
総売却額 -(平均取得単価 × 売却数量)
1年間の購入総額を数量で割り、1通貨あたり「平均していくらで買ったか(平均取得単価)」を計算します。 あとは、仮想通貨を手放した時の「総売却額」から、この「平均取得単価 × 売却数量」を差し引くだけです。移動平均法のように取引ごとに損益を計算する手間を省ける点が総平均法の利点です。
移動平均法とは、取引ごとに保有している仮想通貨の平均取得単価を再計算する方法で、リアルタイムで損益を把握できる利点があります。一方で、取引の回数が多くなると管理が煩雑になる場合があります。新たに仮想通貨を取得した場合、対象年度の確定申告期限までに届出を行うことで、評価方法を総平均法から移動平均法に変更することも可能です。
なお、移動平均法を使って計算したい場合は、税務署へ「評価方法の届出書」を提出する必要があります。特に届出をしていない個人の方は、原則として総平均法で計算することになります。
海外FXの利益と仮想通貨の売却益は、原則「雑所得(総合課税)」として計上し、合算して損益を計算します。海外FXの入出金に仮想通貨送金を使用する場合、主に以下のタイミングで損益が発生します。
仮想通貨と法定通貨を交換
仮想通貨同士を交換
単なる送金手段としての利用であっても、これらの取引で発生した仮想通貨での利益や損失は、すべて計上する必要があります。例えば「仮想通貨を送金する過程で損失が出てしまった」という場合、海外FXの利益と合算することで、最終的な課税対象となる利益を抑えられる可能性があります。
ただし、合算できるのはあくまでも海外FXの利益や副業として得た原稿料など、雑所得に分類される収入だけです。給与所得などの雑所得以外の収入から、仮想通貨の損失を差し引くことはできないので注意しましょう。
2026年1月時点では、仮想通貨の利益は他の所得との合計額で税率が決まる「総合課税」です。詳細は未定ではあるものの、金融庁の「令和8年度税制改正要望」などを受けて、政府は将来的に株や投資信託のように一律約20%の税率となる「申告分離課税」の適用を検討しています。
仮想通貨を使って海外FXへ入金する場合、一般的に以下のようなルートで送金します。
出金時には上記と逆の流れで送金します。入金からFXの取引、出金までの流れの中で、損益計算の対象となる主な取引は以下のとおりです。
入金時
・購入した仮想通貨をステーブルコインに交換した時
・ステーブルコインを取引口座の法定通貨に交換した時
海外FXの取引
・FXの取引で得た利益
出金時
・ステーブルコインを別の仮想通貨に交換した時
・仮想通貨を法定通貨に交換した時
入出金時の課税イベントに注意
注意事項
国内銀行送金とは異なり、仮想通貨送金では入金時・出金時に、それぞれ損益が発生する点に注意が必要です。
仮想通貨送金では入金時と出金時にそれぞれ、仮想通貨同士の交換や仮想通貨と法定通貨の交換を行うため、各取引ごとに損益が発生します。
国内取引所で買ったXRP(リップル)をUSDTに交換し、円建て取引口座へ入出金するケースを総平均法で試算します。
1月1日~1月3日
1月1日
取引内容:国内取引所でXRPを購入
数量:2,500XRP
評価額:80万円
1月2日
取引内容:XRPをUSDTへ交換
数量:5,000USDT
評価額:79万円
1月3日
取引内容:USDTをFX口座へ入金
評価額:78万円
3月1日~3月3日
3月1日
取引内容:国内取引所でXRPを購入
数量:2,500XRP
評価額:82.5万円
3月2日
取引内容:XRPをUSDTへ交換
数量:5,000USDT
評価額:81.5万円
3月3日
取引内容:USDTをFX口座へ入金
評価額:80.5万円
12月28日~12月31日
12月28日
取引内容:FXの年間の確定利益
評価額:31.5万円
12月29日
取引内容:FX口座からUSDTで出金
数量:12,000USDT
評価額:190万円
12月30日
取引内容:USDTをXRPへ交換
数量:6,000XRP
評価額:188万円
12月31日
取引内容:XRPを国内取引所で日本円に交換
評価額:185万円
取引した数量・評価額は必ず記録
注意事項
総平均法では、平均取得単価を用いて損益を算出します。仮想通貨で送金した時は、必ず数量と評価額を記録に残しておきましょう。
わかりやすさを優先し、仮想通貨(暗号資産)の期首残高ゼロ・手数料なしのシンプルな設定で計算します。
まずは総平均法でXRPの損益を計算します。
80万円 + 82.5万円 + 188万円 =
350.5万円(総取得額)
350.5万円 ÷ 11,000 XRP ≒
318.63円(平均取得価格)
79万円 + 81.5万円 + 185万円 =
345.5万円(総売却額)
345.5万円 - (318.63円 × 11,000 XRP)=
-5万円(損益)
XRPの年間の売却(交換)時の総額345.5万円から、総取得額350.5万円を差し引くと、年間の損益は-5万円になります。
USDTも総平均法で損益を計算します。
79万円 + 81.5万円 + 190万円 =
350.5万円(総取得額)
350.5万円 ÷ 22,000 USDT =
159.31円(平均取得価格)
78万円 + 80.5万円 + 188万円 =
346.5万円(総売却額)
346.5万円 - (159.31円 × 22,000 USDT) =
-4万円(損益)
USDTの年間の総売却額346.5万円から総取得額350.5万円を差し引くと、年間の損益は-4万円になります。
最後にFXの損益と仮想通貨の損益を合算して雑所得を算出します。
海外FXで得た利益の31.5万円から、仮想通貨の送金時に発生した損失(計9万円)を差し引いた、22.5万円を雑所得として計上します。
仮想通貨(暗号資産)送金で海外FX業者へ入出金する場合、銀行送金で日本円を入出金するときよりも手順が多くなるため、知らないと損をするポイントがいくつかあります。
取引所から海外FX業者へ送金する際にかかる「送金手数料」や、ウォレットで送金する際にかかる「ガス代(トランザクション手数料)」は、確定申告の際に「必要経費」として計上できます。経費として計上することで、課税対象となる「雑所得」の金額を減らすことができるため、節税に繋がります。
送金手数料は取引所によって異なり、基本的に取引所が設定した固定の送金手数料がかかります。一方、ウォレットからの送金時に発生するガス代はネットワークの種類や混雑状況によって異なり、状況によっては1度の送金で数千円などのコストがかかるケースもあります。送金コストを抑えたい場合は、XRPなどの手数料が低い仮想通貨で送金すると良いでしょう。
その他、海外FXで経費にできる費用は以下の記事でご確認いただけます。
ステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨と価値が連動するように設計された仮想通貨です。
仮想通貨は短時間で価格が大きく動くこともあり、送金するタイミングによっては価格変動によって資金が大きく増減する可能性があります。USDTに代表されるステーブルコインを活用することで、こういった価格変動で資金が目減りするリスクを抑えられます。
また、常に1USDT≒1ドルとして扱えるため、比較的金額を把握しやすく、管理が容易になるという利点もあります。
最近では、日本円に連動するJPYCも注目を集めています。「円建ての取引口座ならJPYCが一番便利なのでは?」と考えるユーザーも少なくないようですが、2026年1月時点では主要海外FX業者での採用例は確認できません。現状ではUSDTやUSDCを利用するのが現実的といえるでしょう。
確定申告では、申告額の根拠となる「客観的な証拠」を残しておくことが非常に重要です。海外FXで仮想通貨送金を利用する場合、下記のデータは必ず保存しておきましょう。
上記以外にも、経費として計上する費用がある場合は、領収書などを保存しておく必要があります。後から税務署に説明を求められた際に困らないよう、CSV等で出力できない履歴などはスクリーンショットで残しておきましょう。
また、これらの書類やデータは5〜7年の保存義務があるため、確定申告後も残しておかなければなりません。
仮想通貨(暗号資産)を使った海外FXの確定申告は、銀行送金に比べると手間がかかります。特に仮想通貨送金の頻度が高い方は取引履歴が多くなり、損益の算出に手間がかかるため、早めに準備を進めたほうが良いでしょう。
正確に仮想通貨の損益を計算することは単なる義務ではなく、トレーダー側にメリットもあります。
海外FXと仮想通貨の損益は雑所得として合算できるので、「FXで利益が出たけれど、仮想通貨の送金で損失が出た」という場合、そのマイナス分を差し引いて課税所得を抑えることができます。海外FXの利益には累進課税が適用されるため、合算できる損失や経費を漏れなく計上することで節税できる可能性があります。
「自分で計算してみたものの、本当に合っているか不安」という方は、無理をせず税理士などの専門家に相談したほうが良いでしょう。
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作成日
:2026.02.02
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最終更新
:2026.02.02
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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