作成日
:2024.07.10
2024.07.16 14:29
仮想通貨(暗号資産)NATIXは、スマートフォンを利用して地図を作成するNATIX Networkの独自トークンです。ユーザーは専用アプリを用いて地図作成に必要な情報を収集し、その貢献に対する対価としてNATIXを獲得できます。
仮想通貨NATIXは、2024年7月2日に複数の仮想通貨取引所へ上場することが発表されて話題となりました。当記事では、仮想通貨NATIXの評判や将来性、使い道、NATIX Networkの特徴などを解説します。
画像引用:NATIX Network
仮想通貨(暗号資産)NATIXは、DePINプロジェクトであるNATIX Networkの独自トークンです。Solana(ソラナ)ブロックチェーン上のトークンで、仮想通貨取引所KuCoinやGate.ioなどに上場しています。
NATIX Networkは、スマートフォンやドローン、自動車などに搭載された世界中のカメラを活用して地図を作成するWeb3プロジェクトです。
画像引用:NATIX Network
NATIX Networkは、スマートフォンなどを活用して世界中のユーザーから情報を収集して地図を作成します。
ユーザーは、スマートフォンさえあればNATIX Networkに参加できます。具体的な参加手順は以下の通りです。
上記の設定をした上で車を運転することで、運転中にアプリが道路の映像を撮影してくれます。映像から読み取れる道路上の障害物、路面の損傷、渋滞状況などのデータはNATIX Networkに送られ、地図の作成に活用されます。
NATIX Networkに参加して地図情報の収集に貢献しているユーザーは、報酬として仮想通貨NATIXを獲得できます。
画像引用:NATIX Network
またNATIXだけでなく、様々なデジタルデバイスの現物や、商品の購入時に使える割引クーポンなども受け取れるようです。
画像引用:NATIX Network
世界中のユーザーが収集したデータは、NATIX NetworkのAI(人工知能)によって処理されます。AIは収集された映像から自動車の数などの数量的なデータを読み取り、プレーンテキスト形式で保存します。
録画された動画そのものは残らないため、画像や動画など個人を特定できる情報がNATIX Network側に保存されることはなく、ユーザーのプライバシーに配慮された設計になっているようです。
仮想通貨(暗号資産)NATIXは仮想通貨取引所のKuCoinやGate.ioに新たに上場し、X(旧Twitter)で注目を集めています。
特に盛り上がっているのは、2024年5月30日に公式アカウントが発表したエアドロップキャンペーンです。
事前にスマホアプリをダウンロードし、NATIX関連の投稿をすることでポイントがもらえます。このポイントの獲得量に応じて受け取れるエアドロップの量が決まると言われており、トークンの上場前から熱心にポイントを貯めているユーザーもいるようです。
また、競合サービスにあたる「Hivemapper(ハイブマッパー)」を引き合いに出すユーザーもおり、Hivemapperの独自トークンであるHONEYの時価総額を目安に考えているという発信も見られます。
仮想通貨(暗号資産)NATIXの将来性に影響する項目として、以下の点が挙げられます。
2024年4月、NATIX Networkは460万ドルの資金調達に成功したことを発表しました。DePIN業界で有名なBorderless Capitalが主導し、その他にも様々なベンチャーキャピタルが参加しています。
画像引用:NATIX Network
また、仮想通貨デリバティブ取引所Bitget(ビットゲット)のCEOであるGracy Chen氏も出資者として名を連ねています。
画像引用:NATIX Network
NATIX NetworkのCEOであるAlireza Ghods氏は、IoT・マッピング・自動運転などの分野で10年以上の経験を持っています。前職では大手コンサルティング会社のPwCに在籍し、ブロックチェーン部門の共同責任者を務めていました。
また、共同創業者でありCPO(最高製品責任者)のLorenz Muck氏は、VRおよびコンピュータビジョンの分野で10年以上の経験があります。もう1名の共同創業者兼CTO(最高技術責任者)のOmid Mogharian氏もPwCの元従業員で、Ghods氏と共にブロックチェーン部門の責任者を務めていました。
このように、NATIX Networkの開発チームは業界経験が豊富なメンバーで構成されていることがわかります。
当記事執筆時点(2024年6月30日)で、NATIX Networkは世界171ヶ国で12万人以上のユーザーを獲得しています。さらに、約5,200万キロメートル分に及ぶ地図をすでに作成したようです。
事業開始から約1年でこれほどの規模まで成長してきたことから、今後の事業展開にも期待できそうです。
画像引用:KuCoin
仮想通貨NATIXは、複数の大手仮想通貨取引所に上場しています。2024年7月5日時点では、KuCoin・Gate.io・CoinList・MEXC・CoinExに上場済みです。
今後もトークン上場が順調に進めば、NATIX Networkの認知度向上とともに、ユーザーの増加にもつながるかもしれません。
仮想通貨(暗号資産)NATIXの総供給量は1,000億枚で、そのうちの一部が取引所上場時に放出される予定です。
NATIXの配分比率のうち、インセンティブプールに37%が配分されており、ネットワーク利用者への報酬を重視していることが伺えます。一方で、いずれはトークンを売却する可能性が高い初期投資家に24.9%と大きな割合を配分している点には注意が必要です。
仮想通貨NATIXの配分先と比率は以下の通りです。
20%を占めているチームやアドバイザーのトークンは、9ヶ月のロック期間を経た後、2年半かけて徐々にロック解除されます。このことから、運営側は長期的にプロジェクトを運営していく意向を持っていることがわかります。
また、初期投資家に割り当てられたトークンは、取引所上場時に10%がロック解除されます。それから6ヶ月のロック期間を経た後、さらに20ヶ月かけて徐々にロック解除されるスケジュールが組まれています。
NATIXには「アプリ内で利用できるNATIX」と、「オンチェーンで利用できるNATIX」があります。この2つは、一定の条件下で相互に交換が可能です。
そして、仮想通貨NATIXには以下のような使い道があります。カッコ内は、その使い道に該当するNATIXの種類です。
専用アプリ「Drive&」内で利用できるNATIXは、プラットフォーム上での決済や機能追加などに用いることができます。
アプリ内NATIXを保有することで、様々なプレミアム機能(駐車場、セーフティアラート、特別なダッシュカム機能など)を利用できます。
ユーザーは、オンチェーンで発行されるNATIXをステーキングすることで、ネットワークのセキュリティ維持に貢献できます。また、セキュリティ維持に貢献した報酬としてオンチェーンNATIXを獲得できます。
NATIXはガバナンストークンとしての役割もあります。オンチェーンのNATIX保有者は、投票を通じてプラットフォームの運営方針などに影響を及ぼすことができます。
NATIX Networkの特徴として、以下のような項目が挙げられます。
NATIX Networkでは、自動車とスマートフォンさえあればプロジェクトに参加することができます。追加で専用のダッシュカムなどを購入する必要はありません。
例えば、車での通勤時や休日に車で出かける際に、NATIXのスマートフォンアプリを起動しておけば自動的にデータを収集できます。それだけで仮想通貨(暗号資産)NATIXや割引クーポンなどの報酬が獲得できるため、車を所有しているユーザーは手軽に利用できるサービスだと言えます。
Hivemapperは、分散型ネットワークを利用して地図を作成するプロジェクトです。Hivemapperが発行する仮想通貨HONEYは大手取引所Coinbaseにも上場しており、人気DePIN銘柄の1つです。
画像引用:Hivemapper
Hivemapperの地図作成プロジェクトへ参加するには、専用のダッシュカムを購入しなければなりません。当記事執筆時点(2024年6月30日)で、ダッシュカムの価格は489ドルからとなっています。
一方、NATIX Networkでは、スマートフォンをダッシュカム代わりに利用できる点が大きな特徴です。ユーザー参加のハードルが低いという点では、普及しやすいかもしれません。
NATIX Networkは、アプリから収集したデータを活用し、ユーザーに運転支援機能を提供することも予定しています。
画像引用:NATIX Network
例えば、スピードカメラ警告、ナビゲーションアシスト、駐車可否インジケーターなどの機能が挙げられます。NATIX Networkの参加者は、報酬獲得だけでなく様々な機能を利用できそうです。
NATIX Networkのアプリでは、ユーザーの定着率を高めるためにゲーミフィケーション要素を取り入れています。
画像引用:NATIX Network
具体的には、地域ごとのリーダーボードや各種ミッションの遂行、エアドロッププログラムへの参加などが挙げられます。NATIX Networkは、アプリにゲーム要素を組み入れることで、ユーザーがサービスの利用を楽しく続けられるように工夫しているようです。
NATIX Networkは、将来的にiLandトークンをリリースする予定です。これは、地球をタイル状に分割してトークン化し、ユーザーが所有するという仕組みです。
このiLandトークンは、エアドロップやオークション、取引所などを通じて獲得できるようです。例えば「ニューヨークの一部の土地を所有できるNFT」のようなイメージだと推測できます。
画像引用:NATIX Network
NATIX Networkが世界中の地図の作成を進めるにつれて、このiLandトークンの土地も発展していきます。土地のデータは取引所を通じて売買することができます。また、iLandホルダーは、自身がiLandトークンを保有している土地で発生したデータトランザクションからロイヤリティを受け取れるようです。
2024年7月5日現在、仮想通貨(暗号資産)NATIXは日本国内の取引所で取り扱われていません。そのため、取引は海外取引所で行います。各海外取引所におけるNATIXの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は、下記の通りです。
仮想通貨取引所 | 現物 | デリバティブ |
---|---|---|
(バイビット) | × |
× |
(バイナンス) | × |
× |
(ゲート) | 〇 |
× |
(メクシー) | 〇 |
× |
(ビンエックス) | × |
× |
(ビットゲット) | × |
× |
(コインイーエックス) | 〇 |
× |
(ズーメックス) | × |
× |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Zoomex(ズーメックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
当記事執筆時点では、MEXC、Gate.io、CoinExなどで現物のみ売買が可能です。
MEXCでは、2つの手順でNATIXを購入できます。
以下のリンクをクリックし、NATIXの購入ページ(NATIX/USDT)にアクセスします。
なお、MEXCを利用するには、口座を開設しておく必要があります。
ここでは最もシンプルな「成行」での購入方法を紹介します。成行でNATIXを購入するには、以下のように操作して「NATIXを購入」をクリックします。
番号 |
項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
取引種別 |
「現物取引」を選択したままにします。 |
2 |
注文方法 |
「成行注文」を選びます。 |
3 |
合計 |
購入したい数量を入力します。 |
「NATIXを購入」をクリックすると、即座に注文が実行されます。
なお、NATIXはUSDTで購入します。そのためUSDTの残高が十分でない場合は、入金や両替が必要です。
NATIX Networkは、自動車とスマートフォンを持つ人であれば、誰でも気軽に始めてトークンを稼ぐことができます。これは、数あるDePINプロジェクトのなかでも際立っているメリットだと言えます。
これまで仮想通貨に興味を持たなかった人たちも、NATIX Networkになら参加するかもしれません。一般ユーザー層を取り入れることができれば、今後大きな飛躍が期待できそうです。
作成日
:2024.07.10
最終更新
:2024.07.16
元証券会社勤務。2017年から仮想通貨に投資し、バブルとどん底の両方を経験する。2020年からは海外スタートアップや仮想通貨関連のライターとして独立。海外移住が趣味で、カナダ・オーストラリア・アメリカ・オランダなどを転々としている。
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