作成日
:2024.06.28
2024.07.12 04:33
分散型ウォレットのメタマスク(MetaMask)で保管している仮想通貨(暗号資産)は、メタマスク上で直接日本円に換金することはできません。国内の仮想通貨取引所へ送金し、売却することで日本円に換金することができます。
この記事では、メタマスクで保管している仮想通貨を日本円に換金する方法と手順、換金するときの注意点を解説します。
画像引用:MetaMask
メタマスク(MetaMask)で保管している仮想通貨(暗号資産)を日本円に換金するには、一旦メタマスクから国内取引所に送金した上で売却する必要があります。
メタマスクは、イーサリアムやEVM互換性を持つブロックチェーンの仮想通貨を管理する分散型ウォレットです。メタマスクでは仮想通貨の購入や入出金、ステーキングなど、さまざまな機能が提供されています。
一部の国や地域では、メタマスク上で仮想通貨を売却して法定通貨に換金する「Sell」機能が提供されていますが、残念ながら日本ではサービス対象外です。そのため、メタマスク上で仮想通貨を日本円に換金することはできません。
仮想通貨の取引所には国内取引所と海外取引所がありますが、海外取引所では基本的に仮想通貨の日本円への換金は取り扱っていません。また、DEX(分散型取引所)やDeFi(分散型金融)プラットフォームでも同様です。
そのため、メタマスクに保管している仮想通貨を日本円に換金するには、必ず国内取引所に送金する必要があります。そして、国内取引所で仮想通貨を売却することで日本円に換金できます。
メタマスク(MetaMask)に保管している仮想通貨(暗号資産)を日本円に換金するには、国内取引所への送金が必要です。メタマスクから国内取引所に送金する主なルートには、以下の3つがあります。
3つのルートをチャートにまとめると、以下のようになります。
3つのルートのうち、どれを選べば良いかは、日本円に換金したい仮想通貨の種類によって異なります。
国内取引所で取り扱っている仮想通貨の場合は、メタマスクから国内取引所へ直接送金することができます。例えば、以下のような仮想通貨が該当します。
取り扱っている仮想通貨の種類は国内取引所によって異なるため、送金の前に確認しましょう。
一方、国内取引所での取り扱いがない仮想通貨を日本円に換金したい場合には、いくつか手順を踏む必要があります。まずはメタマスク内の仮想通貨を、国内取引所での取り扱いがある銘柄に交換しなければなりません。その主な手段として、海外取引所を経由する方法と、メタマスク上でスワップする方法があります。
海外取引所、またはスワップによって国内取引所で取り扱っている仮想通貨に交換したあと、国内取引所に送金して売却することで日本円に換金できます。
仮想通貨の交換に海外取引所を利用するか、あるいはメタマスク上でスワップするかは、普段から利用している海外取引所の有無、送金の手間とリスク、ガス代・手数料などを考慮して判断すると良いでしょう。
メタマスク(MetaMask)にある仮想通貨(暗号資産)を日本円に換金する手順を解説します。
ここでは、メタマスクから国内取引所に直接送金する方法と、メタマスクから海外取引所を経由して国内取引所に送金する方法をそれぞれ紹介します。
なお、国内取引所および海外取引所で取り扱いがない、比較的マイナーな仮想通貨を日本円に換金する場合、事前にDEXなどで国内取引所に上場済みのトークンにスワップ(交換)しておく必要があります。
メタマスクでは、手軽に仮想通貨をスワップできる機能も提供されているので、利用してみてもよいでしょう。
メタマスクから国内取引所に直接送金し、日本円に換金する手順を解説します。今回は国内取引所はbitbank(ビットバンク)、メタマスクから送金する通貨はMATIC(ポリゴン)を例にして手順を紹介します。
bitbankにログインし、アカウント画面で「入金」→「MATIC」の順番にクリックします。
今回は例として、メタマスクからPolygonネットワーク上のMATICを送金していきます。
ネットワークを「Polygon」に選択した上で、「預入アドレスの発行」ボタンをクリックします。
MATICの預入用アドレスとQRコードが表示されます。この画面を開いたまま、メタマスクを立ち上げます。
メタマスクが立ち上がったら、左上のチェーン選択ボタンから「Matic mainnet」を選択した上で、画面上に表示されている「MATIC」をクリックします。
「送金」をクリックします。
手順3で表示させたMATICの「預入用アドレス」を送金先アドレスの入力欄にコピー&ペーストします。
その後、送金したいMATICの数量を入力したら、「次へ」をクリックします。
仮想通貨やNFTの送信時にウォレットアドレスを手入力すると、打ち間違いの原因になります。そのため、ウォレットアドレスは必ずコピー&ペーストで入力するようにしましょう。
送金にかかるガス代(トランザクション手数料)が表示されるので、問題なければ「確認」をクリックします。
以上でMATICの送金は完了です。しばらくすると、送金したMATICがbitbankに入金されます。
最後に、bitbankでMATICを日本円に換金します。ここでは、ご自身が使用している国内取引所の操作手順に沿って作業を行ってください。
なお「販売所形式」でMATICを売却すると、一般的に高い取引コストがかかることが多いです。取引コストを抑えたい場合は、安価な手数料で売買可能な「取引所形式」を利用できる国内取引所を使うのがよいでしょう。
国内の仮想通貨取引所では、「取引所」と「販売所」という2つの取引方法を提供していることが多いです。「取引所」はユーザー同士で売買を行う取引形式であり、安価な手数料で売買できます。一方「販売所」は取引所よりも操作が簡単であるものの、スプレッドと呼ばれる売買時の価格差が大きく、取引コストが高くなる傾向があります。
次に、メタマスクから海外取引所を経由して国内取引所に送金し、日本円に換金する手順を解説します。
なお、海外取引所はBybit(バイビット)、国内取引所はbitbank(ビットバンク)を例にして手順を紹介します。
以下のリンクをクリックし、Bybitの公式ページにアクセスします。
Bybitトップページの上部にある「暗号資産を購入」にカーソルを当て、「暗号資産を入金」をクリックします。
入金する通貨と利用するブロックチェーンを選択して、「確認しました。」ボタンをクリックします。
今回は例として、メタマスクからPolygonチェーン上にあるUSDTを送金する想定で手順を紹介します。
USDTの入金先アドレスが表示されます。この画面を開いたまま、メタマスクを立ち上げます。
メタマスクが立ち上がったら、左上のチェーン選択ボタンから「Matic mainnet」を選択した上で、画面上に表示されている「USDT」をクリックします。
「送金」をクリックします。
手順4で表示させたUSDTの「入金先アドレス」を送金先アドレスの入力欄にコピー&ペーストします。
その後、送金したいUSDTの数量を入力したら、「次へ」をクリックします。
仮想通貨やNFTの送信時にウォレットアドレスを手入力すると、打ち間違いの原因になります。そのため、ウォレットアドレスは必ずコピー&ペーストで入力するようにしましょう。
送金にかかるガス代(トランザクション手数料)が表示されるので、問題なければ「確認」をクリックします。
以上でUSDTの送金は完了です。しばらくすると、送金したUSDTがBybitに入金されます。
送金したUSDTを日本円に換金するには、国内取引所に上場している仮想通貨にあらかじめ交換してから送金する必要があります。今回はUSDTをXRP(リップル)に交換した上で、国内取引所に送金する手順を解説します。
以下のリンクをクリックし、XRPの取引画面(XRP/USDT)にアクセスします。
ここでは最もシンプルな「成行」での取引方法を紹介します。成行でUSDTをXRPに交換するには、以下のように操作をして「XRPを買う」をクリックします。
番号 |
項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
「買い」または「売り」 |
通貨ペアの左の通貨を買って右の通貨を売るなら「買い」、左の通貨を売って右の通貨を買うなら「売り」を選びます。 |
2 |
注文方法 |
成行を選びます。 |
3 |
金額による注文 |
購入したい数量を入力します。 |
内容を確認して「XRPを買う」をクリックすると、USDTからXRPへの交換が完了します。
USDTをXRPに交換できたら、BybitからbitbankにXRPを送金します。
bitbankにログインし、アカウント画面で「入金」→「XRP」の順番にクリックします。
XRP預入用アドレスと宛先タグが表示されます。この画面を開いたまま、Bybitの画面に戻ります。
Bybitの画面に戻り、XRPの「アクション」の中から「出金」を選択します。
なお、統合取引アカウントに移行済み、もしくは統合取引アカウントがデフォルトで設定されている方は、出金前にXRPを「資金調達アカウント」に資産振替しておきましょう。
統合取引アカウントに移行済み、もしくはデフォルトで設定されている場合、仮想通貨を出金するには「資金調達アカウント」への振替が必要です。
通貨とチェーンタイプを「XRP」に設定します。その後、手順13で表示させた「XRP預入用アドレス」を「ウォレットアドレス」に、「宛先タグ」を「出金メモ」に入力します。
最後に送金したいXRPの数量を入力できたら、「確定」をクリックします。
番号 |
項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
通貨 |
「XRP」に設定します。 |
2 |
ウォレットアドレス |
送金先となる国内取引所のウォレットアドレスを入力します。 |
3 |
チェーンタイプ |
「XRP」に設定します。 |
4 |
出金メモ |
送金先となる国内取引所の宛先タグを入力します。 |
5 |
数量 |
国内取引所に送金したいXRPの数量を入力します。 |
「提出」をクリックします。
画面の指示に従ってセキュリティ認証に必要なコードを入力し、「次のステップ」をクリックします。
以下の画面が表示されたら、bitbankへのXRPの出金は完了です。
最後に、bitbankでXRPを日本円に換金します。ここでは、ご自身が使用している国内取引所の操作手順に沿って作業を行ってください。
なお「販売所形式」でXRPを売却すると、一般的に高い取引コストがかかることが多いです。取引コストを抑えたい場合は、安価な手数料で売買可能な「取引所形式」を利用できる国内取引所を使うのがよいでしょう。
メタマスク(MetaMask)に保有している仮想通貨(暗号資産)を日本円に換金する際には、以下の点に注意が必要です。
国内取引所や海外取引所に仮想通貨を送金する際は、送金先のアドレスやネットワークを間違えないように注意しましょう。
送金先のアドレスを間違って入力すると、仮想通貨が消失する可能性があります。送金ミスをしないためには、以下のような対策が有効です。
また、ネットワークの選択を誤った場合も、同様に仮想通貨を正しく送金できずに消失する可能性があります。ETHやUSDT、BNBなど複数のネットワークで発行されている仮想通貨の場合、送金先の取引所が対応しているネットワークと必ず一致させましょう。
仮想通貨の送金やスワップにはガス代がかかります。ガス代とは、ブロックチェーン上での仮想通貨の送金時や、スマートコントラクトの実行時などに発生するトランザクション手数料のことです。
ガス代は、ブロックチェーン上での取引の都度かかります。例えば、海外取引所を経由して国内取引所へ送金する場合には、2回分のガス代が必要になります。また、メタマスクから送金する際のガス代は、ネットワークの混雑状況などによって変動するため注意が必要です。
ガス代に加えて、取引所での仮想通貨の売買や日本円の出金にも手数料がかかります。例えば、海外取引所を経由して国内取引所で日本円に換金する場合には、以下の4つのタイミングで手数料がかかる可能性があります。
なお、国内取引所で仮想通貨を売却する際には、販売所形式ではなく取引所形式での売却がおすすめです。販売所形式は簡単に取引ができる一方で、売買価格にスプレッドが上乗せされ、取引コストが高くなります。取引所形式の有無および対象の銘柄は各取引所によって異なるため、事前に調べておくと良いでしょう。
仮想通貨の売買で得られた利益は、所得税の課税対象となります。利益は雑所得に分類され、総所得金額に対して最大で45%の所得税が課税される仕組みです。
給与所得以外の所得の総額が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。給与所得以外の所得には、仮想通貨による利益だけでなく、FXや源泉徴収されない口座での株取引を通じた利益、不動産収入、そのほかの副業から得た利益なども含まれます。
年間20万円以下であれば、確定申告は必要ありません。
なお、仮想通貨取引の利益に対する税金は、日本円に換金したときだけでなく、別の仮想通貨に交換したタイミングでもかかります。海外取引所でのUSDTを介した売買や、メタマスク上でのスワップも対象となるため注意しましょう。
メタマスク(MetaMask)に保管している仮想通貨(暗号資産)は、国内取引所に送金して売却することで、日本円に換金できます。
国内取引所で取り扱っていない仮想通貨の場合には、海外取引所を経由したり、メタマスク上でスワップしたりするひと手間が必要です。送金時のアドレス間違いのリスクや、ガス代・手数料の負担があるため、注意しましょう。
メタマスク上で法定通貨に換金できるSell(売却)機能が日本ユーザーにも開放されれば利便性は向上しますが、はたしてその日は来るのでしょうか。
作成日
:2024.06.28
最終更新
:2024.07.12
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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