作成日
:2024.06.07
2024.06.15 08:47
Solayer(ソレイヤー)はソラナ(SOL)ブロックチェーン上のリステーキングネットワークです。ソラナのホルダーは、Solayerを利用してリステーキングを行うことができます。
イーサリアム(ETH)のリステーキングと同様に、ソラナのリステーキングも今後トレンドとなっていく可能性があり、SNS上で注目が集まっています。当記事では、Solayerの仕組みや将来性、X(旧Twitter)での評判などを解説します。
画像引用:Solayer
Solayerは、ソラナ(SOL)ブロックチェーン上のリステーキングネットワークです。保有するソラナを積極的に運用し、報酬を得たいユーザー向けのプラットフォームといえるでしょう。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
リステーキングとは、イーサリアム(ETH)ブロックチェーン上のプロトコルEigenLayer(アイゲンレイヤー)によって考案された新しい仕組みです。イーサリアム本体でステーキングをしつつ、別のプロジェクトでも再度ステーキングする仕組みのことを指します。
当記事執筆時点(2024年6月3日)でEigenLayerのTVL(総預かり資産)は約190億ドルに上り、仮想通貨界隈で大きな注目を集めています。
Solayerでは、保有するソラナ(SOL)をリステーキングすることができます。ソラナを単体ステーキングする従来の方法と比較した場合、リステーキングはより高いリターンが期待できるようです。
画像引用:Solayer
また、ソラナだけでなく、リキッドステーキングトークン(LST)のmSOL・JitoSOL・bSOL・INFをリステーキングすることも可能です。将来的には、Solayerは20種類以上のトークンに対応予定としています。
リキッドステーキングを利用すると、預け入れた仮想通貨の額に合わせて、リキッドステーキングトークンと呼ばれるトークンをもらえます。このリキッドステーキングトークンは他のサービスで運用したり、送金したりできます。
ユーザーのソラナやLSTは、Endogenous AVS(Actively Validated Services)という分散型サービスに預けられます。預けた見返りとして、ユーザーは各AVSからトークンなどを報酬として受け取ることができます。
Solayerはリステーキングの仕組みを通じて、Endogenous AVS(Actively Validated Services)の開発者をサポートします。
Endogenous AVSとは、Solayer上に構築された分散型サービス(管理者不在で自律的に動く非中央集権型のサービス)のことを指し、具体的には分散型取引所(DEX)やNFTマーケットプレイス、ミームコインなどが含まれます。
画像引用:Solayer
従来、ソラナ(SOL)ブロックチェーン上で新しいサービスを構築するには、セキュリティ維持に多大な資本が必要でした。Solayerはこの課題を解決するために、ステーキング済みのソラナを、Endogenous AVSに再度ステーキング(リステーキング)します。
このリステーキングにより、Endogenous AVSはソラナのセキュリティ基盤を利用することができます。ユーザーはリステーキングをすることで、ソラナブロックチェーン本体に加えて、Endogenous AVSのセキュリティ維持にも貢献することになります。
当記事執筆時点(2024年6月3日)で、Solayerは正式にリリースされていません。一部のユーザーのみがアクセスを許可された「エポック0」を実施中です。
Solayerが「エポック0」を実施する目的は、プラットフォームが正しく機能するかを検証するためのようです。また、少数のみを参加可能とすることで、ユーザーとチームが密接に協力できる点もメリットとして挙げています。
一般ユーザーがリステーキングに参加できる日程は、後日Solayerの公式X(旧Twitter)アカウントから発表される予定です。
ソラナ(SOL)リステーキングネットワークのSolayerは、イーサリアム(ETH)リステーキングと同様に、X(旧Twitter)上で話題となっています。
中には「Solayerは、ソラナにおけるEigenLayerのような存在なのかも?好きではないが、恐らく利用すべきだろう」と冷静に評価するユーザーも見受けられました。
Solayerの将来性に関して、以下の点が挙げられます。
2024年5月、Solayerは一部のユーザーのみがアクセスを許可された「エポック0」を開始しました。運営チームによると、サービス開始後わずか45分で上限金額である2,000万ドルが入金されたようです。
このことから、Solayerのリステーキングプラットフォームに対して強い需要が存在することがわかります。
Solayerの共同創業者であるRachel Chu氏は、NFTプラットフォームVibeの創業者でもあります。また同氏は、大手分散型取引所(DEX)のSushiSwapでコア開発者の一人として働いていたようです。
同じく創業メンバーのJason Li氏は、イーサリアム(ETH)ウォレットのMPCVaultを開発していました。
当記事執筆時点(2024年6月3日)で、Solayerは「エポック0」を実施中です。ロードマップによると、エポック1〜5まで段階的に進めた後、エポック6でsSOLを導入する予定となっています。
画像引用:Solayer
sSOLはリキッドリステーキングトークンで、ユーザーがSolayerでリステーキングを行った際に受け取ることができます。sSOLは仮想通貨ウォレットで保管したり、送金したり、DeFiで運用したりすることが可能です。
sSOLが導入されるとSolayerの流動性が高まるため、利用するユーザーが拡大するかもしれません。
Solayerのリスクとして、以下の項目が挙げられます。
Solayerのリステーキングは、ソラナのステーキングを多層化する画期的な仕組みです。その一方で、仕組みが複雑化しているためリスクが高くなる懸念があります。
そもそもステーキングとは、プロトコルのスマートコントラクトを信用して「預ける」行為です。リステーキングは複数のプロトコルにソラナを預けることになるので、それだけハッキングやバグの可能性も高まります。
Solayerのスマートコントラクトは、5名のコミュニティリーダーによって所有されています。ハッキングやラグプルの危険性を減らすために、マルチシグを利用しているようです。
ラグプルは、英語でRug Pullと書きます。日本語では出口詐欺と訳されます。開発チームが資金を集めた後にプロジェクトを放棄したり、資金を持ち逃げしたりする行為です。仮想通貨市場では、Play to EarnやDeFi(分散型金融)、NFTなどの分野で度々発生しています。
ウォレットから仮想通貨を送金するには、秘密鍵を持つユーザーの署名が必要です。マルチシグウォレットは、複数のユーザーの署名を必要とするウォレットで、その分だけ安全性が高くなります。
具体的には以下5名のうち3名の同意により、Solayerのコントラクトを変更することが可能です。
マルチシグはウォレットの安全性を高める技術ですが、それには「信頼できる人物が秘密鍵を管理している」という前提が必要です。Solayerでリステーキングを行う際は、上記5名が信頼に値する人物であるかを調べたほうがよいでしょう。
当記事執筆時点(2024年6月3日)で、複数のプロジェクトがソラナ(SOL)のリステーキングネットワークを開発中です。しかし、一部のコミュニティからは「そもそもソラナにリステーキングは必要ないのでは」という声も上がっているようです。
例えば、イーサリアム(ETH)にはレイヤー2ブロックチェーンが必要不可欠であり、なおかつ、エコシステム全体で膨大なステーキング資産が存在しています。だからこそ、これらの資産を再活用するためのリステーキングネットワークは大いに役立ちます。
一方で、ソラナ(SOL)は取引手数料の安さや取引速度の速さから、機能的にレイヤー1で完結しています。ソラナはイーサリアムなどと比較して、リステーキングの必要性はあまり高くないといえます。リステーキングの否定派は「リステーキングはリスクを増大し、業界の新しい時限爆弾になりえる」と警鐘を鳴らしています。
Solayerの競合プロジェクトとしては、以下が挙げられます。
画像引用:Jito
Jito(ジト)は、ソラナブロックチェーン最大級のDeFiプロトコルです。ユーザーはソラナをJitoに預けることで、利息を受け取ることができます。当記事執筆時点(2024年6月3日)で、JitoのTVLは17億ドルを超えており、ユーザーは9万人以上となっています。
現時点では、Jitoは公式にリステーキングへの参入を発表していません。しかし、一部のコミュニティはJitoがリステーキングに参入することを予想しています。Jitoはすでに多くのユーザーを抱えているため、Solayerの競合となりえるでしょう。
画像引用:Cambrian
Cambrian(カンブリアン)は、ミドルウェアアプリケーションのセキュリティに焦点を当てたリステーキングプロトコルです。
EigenLayerのリステーキングモデルをソラナに適応させ、モジュラー型のセキュリティレイヤーをつくることを目指しています。
画像引用:Picasso
Picasso(ピカソ)は、クロスチェーン取引に対応したリステーキングプロトコルです。
ソラナ(SOL)のリステーキングだけでなく、チェーン間のブリッジ機能も提供しています。具体的には、ソラナ、イーサリアム(ETH)、ポルカドット(DOT)間で資産を移動させることが可能です。
リステーキング以外の機能も充実している点で、一定の優位性を持っていると考えられます。
当記事執筆時点(2024年6月3日)で、ソラナ(SOL)は約760億ドルの時価総額を誇り、全仮想通貨(暗号資産)ランキングで5番目に位置しています。ソラナが成長を続ける中、リステーキング開発競争も熱を帯びてきています。
Solayerはまだ正式リリースはされていないものの、良好なスタートを切りました。リステーキングプロトコル同士の激しい競争の中、これからSolayerがトップポジションを獲得できるのか注目です。
作成日
:2024.06.07
最終更新
:2024.06.15
元証券会社勤務。2017年から仮想通貨に投資し、バブルとどん底の両方を経験する。2020年からは海外スタートアップや仮想通貨関連のライターとして独立。海外移住が趣味で、カナダ・オーストラリア・アメリカ・オランダなどを転々としている。
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