作成日
:2023.09.20
2023.11.12 10:52
NIDT(ニッポンアイドルトークン)は、株式会社オーバースの主導のもと、イーサリアム(ETH)上で発行されている仮想通貨(暗号資産)です。ブロックチェーンやメタバースなどを駆使した、新たなアイドル活動を実現するために利用されます。
NIDTは、2023年9月初旬から急激に価格が高騰し、IEO価格から約20倍もの価格を付けました。しかし、9月中旬に価格が暴落したことにより、Twitter(ツイッター)などでも話題となっています。
当記事では、仮想通貨NIDTの暴落に関する情報やTwitterでの反応、暴落した要因と再浮上する可能性などをまとめて解説します。
仮想通貨NIDT(ニッポンアイドルトークン)は、2023年4月にDMM Bitcoinとcoinbookに上場しました。DMM Bitcoinのチャートを確認すると、しばらくの間は約1円〜5円の価格帯で推移していたことがわかります。
しかし、2023年8月中旬から徐々に価格を上昇させ、9月に入ってから約100円までの高騰を見せています。その後、9月13日頃から価格が暴落し、当記事執筆時点(2023年9月14日)では、40円前後を推移しています。
画像引用:DMM Bitcoin
Twitter(ツイッター)では、NIDT(ニッポンアイドルトークン)の暴落に対して、悲観的な反応が見られます。
NIDTは、トークンセール時の価格から大きく上昇したことで、国内の仮想通貨(暗号資産)コミュニティの間で注目されていました。しかし、今回の暴落により、多くのユーザーから不安の声が上がっています。
中には、仮想通貨市場でよくある仕手による価格操作だと、批判するユーザーも出てきています。
仕手とは、巨額の投資資金を使って、自己の利益になるように相場を操ろうとする投機家のことです。株価や売買高を意図的に操縦し、目立つ株価の動きを見せることで、第三者である投資家を巻き込んで大相場を生み出します。仕手はその最中に自己のポジションを清算し、巨額の利益を得ることができるというわけです。
Twitterでは、DMM Bitcoinにおける、NIDTの広すぎるスプレッドへの不満も強まっています。
スプレッドとは、仮想通貨やFXなどの金融商品の取引において、ある銘柄を買うときの価格と売るときの価格の「差」のことです。スプレッドが狭ければ、トレーダーに有利に、反対にスプレッドが広ければ、トレーダーに不利に働きます。
2023年9月20日時点において、DMM Bitcoinでは、売りを意味するBidが約33円、買いを意味するAskが約66円となっています。そのスプレッドは約33円です。
画像引用:DMM Bitcoin
仮に、100NIDTを購入する場合、必要な金額は約6,600円となります。しかし、購入した100NIDTをすぐに売却すると、手元に残る金額は約3,300円です。つまり、NIDTを売買するだけで、現時点では3,300円、つまり50%の損失が発生する計算です。
こういった状況に対し、多くのユーザーから正常な取引ができないとして不満が続出しています。
国内の仮想通貨(暗号資産)取引所では、「取引所」と「販売所」という2つの取引方法を提供していることが多いです。「取引所」はユーザー同士で売買を行う取引形式であり、安価な手数料で売買できます。一方「販売所」は取引所よりも操作が簡単であるものの、スプレッドと呼ばれる売買時の価格差が大きく、取引コストが高くなる傾向があります。
画像引用:NipponIdolToken
NIDT(ニッポンアイドルトークン)は、株式会社オーバースが発行する仮想通貨(暗号資産)です。ブロックチェーンやメタバースを活用した新たな女性アイドルグループの結成や、そのアイドル活動を行うための、エコシステムを構築するトークンです。
メタバースとは、インターネット上に構築された三次元の仮想空間を指します。仮想通貨市場では主にブロックチェーンゲームとして開発が進められており、メタバース関連銘柄と呼ばれる仮想通貨も数多く発行されています。
2023年3月には、「IDOL3.0 Project」という新アイドルプロジェクトの発表を行っており、これまでにない女性アイドルグループの結成を進めています。
このエコシステムの中で、NIDTはユーティリティトークンとして利用できます。例えば、アイドル活動の運営への一部参加(投票権)やグッズの購入、イベントやコンサートでのメンバーへの投げ銭などが挙げられます。
NIDTは、日本国内で4件目のIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)事例です。2023年3月、DMM BitcoinとcoinbookでIEOでのトークンセールをすることが発表され、資金調達が行われました。
IEOはプロジェクト開発チームによる資金調達手段の一つで、取引所経由で仮想通貨を先行販売します。ICOなど従来の資金調達方法は詐欺などのリスクがありましたが、IEOは取引所が審査することで安全性を確保しています。
なお、ほとんどのアイドルプロジェクトは、大手芸能事務所や広告代理店などから資金調達を行うため、それら組織の意向が色濃く反映されてしまうという課題があります。
そういった問題を解決するため、NIDTは一般ユーザーに販売され、資金調達が行われました。これにより、より自由で創造的なアイドル活動が展開できるとしています。
このエコシステム内では、贔屓のアイドルを応援する活動、すなわち「推し活」を評価して報酬化されます。
ファンは推し活を通じて、自分の推しレベルがアップします。そのレベルに応じて、レアNFTや限定グッズ、ライブの優先席抽選権などの特典を受け取れるとしています。
推し活は、専用のポータルサイトを中心に行われます。最初の推し活関連の機能として、プロフィール登録や、アイドル運営に関する投票ができるシステムが実装されています。
仮想通貨NIDTには、AKB48などを手がけた秋元康氏が総合プロデューサーとして参加しています。IDOL3.0 Projectにおいても、秋元康氏が総合プロデューサーに就任しています。
画像引用:IDOL3.0 PROJECT
IDOL3.0 Projectは、ファン投票を選考基準のひとつにして、アイドルグループのメンバー選考を行なっています。その後は、秋元氏の総合プロデュースの下、従来のアイドル活動だけでなく、Web3.0やメタバースなどを絡めた領域での活動を開始すると考えられます。
Web3.0とは分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は、大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では個々のユーザーが重要な役割を担います。
仮想通貨NIDT(ニッポンアイドルトークン)の価格が暴落した理由としては、以下の可能性が挙げられます。
IDOL3.0 Projectでは、いくつかのステージに分けて、メンバーの選考が進められています。
画像引用:NIDT サポート Wiki
IDOL3.0 Projectでは、「Final Stage:2nd」の審査から漏れた候補者の中から2名だけ、ファン投票によって次のステージに進む「ホワイトナイトシステム:2nd」が実施されました。
「ホワイトナイトシステム:2nd」の投票は、2023年9月10日から9月13日に行われました。NIDTポータルに登録したユーザーを対象に、初日に200枚、次の日から100枚の投票券が付与されています。これに加え、NIDT保有者には、1,000NIDTにつき1票が毎日付与されました。
ファンの中には、推しているアイドルにより多くの票を投じるため、大量のNIDTを保有していた者も存在すると考えられます。従って、投票最終日である9月13日以降、不要となったNIDTの投げ売りが発生し、価格暴落につながった可能性があります。
NIDTは、IEOを通じて1通貨あたり5円で販売されました。
2023年9月中旬に記録した最高値が100円付近だったのを考慮すると、IEO価格から20倍もの値を付けた計算になります。それだけの価格上昇があれば、利益確定による売りが集中したとしても不思議ではありません。
NIDT価格の暴落は、利益確定の売りが要因になった可能性があります。
NIDT(ニッポンアイドルトークン)の価格は暴落しましたが、再浮上する可能性がないとはいえません。NIDTの価格は、IDOL3.0 Projectやエコシステムの成長に影響を受けると考えられます。
公開されているロードマップでは、2023年第4四半期にアイドルグループのお披露目会や楽曲のリリース、メタバースの始動などが予定されています。また、専用のポータルサイトでは、ユーザーの推し活を評価してランク化するファンランク機能や、ポータルサイト内外でミッションをこなすミッション機能など、新機能の実装が計画されています。
画像引用:NipponIdolToken
こういった計画が現実となり、プロジェクトがさらに盛り上がれば、NIDTが再浮上するきっかけになる可能性があります。加えて、NIDTのプロジェクトではアイドルの海外進出も目標としているので、それが叶えば、大きな価格上昇を記録するかもしれません。
NIDT(ニッポンアイドルトークン)は、まだ誕生したばかりの仮想通貨(暗号資産)です。プロジェクトも立ち上がったばかりで、結成される女性アイドルグループに関しても、まだメンバー選考の段階にあります。
アイドルグループが活動を開始し、エコシステムの開発が本格化するまで、プロジェクトを見守る必要があるかもしれません。秋元康氏が参画するなど、話題性があるプロジェクトなので、今後の動向にも注視していく必要がありそうです。
作成日
:2023.09.20
最終更新
:2023.11.12
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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