作成日
:2023.07.27
2024.03.05 13:25
DEP(ディープコイン)はGameFi関連の仮想通貨(暗号資産)で、PlayMiningやPlayMining NFTなどで利用できます。また、DEP価格は2021年末から下落を続けており、DEPを見限るユーザーも出てきている状況です。
当記事では、DEP価格の下落要因を解説しつつ、今後の価格上昇の可能性を考察します。
画像引用:CoinMarketCap
2021年末、仮想通貨DEPは8円を超える高値を記録しました。その後は右肩下がりで推移しており、当記事執筆時点(2023年7月25日)で0.2円前後を記録しています。
Twitter(ツイッター)上では、DEP価格の下落に様々な反応が見られます。特に多いのが、運営に対する不満です。運営は、DEP価格の下落を放置していると批判されています。
価格低迷を受けて、既にDEPを見限って撤退したユーザーもいるようです。その一方、DEPへの希望を捨てずにゲームを継続するユーザーも少なからず存在するようです。
大半はDEP価格の下落に悲観的な模様で、コミュニティ全体が沈滞している状況です。
仮想通貨DEPはディープコイン(DEAPcoin)のティッカーシンボルで、発行企業名のDigital Entertainment Assetと、Platform(仕組み)・Possibility(可能性)・Participant(参加者)を意味する頭文字のPを組み合わせたものに由来します。
DEPはDigital Entertainment AssetのGameFiプラットフォームなどで使用でき、OKXやHuobiなどの大手取引所に上場しています。
Game(ゲーム)とFinance(ファイナンス)を掛け合わせた言葉で、明確な定義はありませんが、主にPlay to Earn(遊びながら稼ぐ)の要素を取り入れたゲームを指します。その他の特徴として、GameFiはNFTと親密な関係にあることが多く、ゲーム内アイテムなどを資産として活用可能です。これらのNFTはマーケットプレイスで取引可能となっているので、売却して現金化することもできます。
Digital Entertainment Assetは、主なサービスとしてPlayMiningとPlayMining NFTを提供しています。
PlayMiningは、DEPを報酬とするGameFiプラットフォームです。ゲーム以外にも、漫画などのコンテンツを取り扱っています。一方、PlayMining NFTは、DEPで取引可能なNFTマーケットプレイスで、PlayMiningで利用できるNFTなどが取引されています。
画像引用:Digital Entertainment Asset
PlayMiningでは主力タイトルの「JobTribes」に加え、Coockin' BurgerやLucky Farmerなど多数のゲームがリリースされています。
仮想通貨DEPの価格が下落している要因は、複数あると考えられます。
PlayMiningのユーザーは報酬としてDEPを獲得でき、ゲーム内で消費したりステーキングで運用したりできます。しかし、多くのユーザーは、DEPを売却して現金化すると考えられます。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
PlayMiningはゲームタイトルを拡充させており、その分、報酬として排出されるDEPも多くなります。すなわち、ユーザーの利益確定による売り圧力が高まります。
PlayMiningでは、サードパーティ企業がゲームを公開しています。そして各ゲームでは、DEPがゲーム内トークンとして利用されています。
サードパーティ企業はゲームの運営を通じてDEPを獲得して収益とするため、DEPを売却して運営資金を確保していると考えられます。
PlayMiningはDEPの価格安定を目指しており、2023年1月から「DEP Buyback Program」が実行されています。しかし、DEPの需給バランスが取れておらず、供給過剰となっている状況です。
DEP Buyback Programは、Digital Entertainment Assetの売上の最大40%を原資に、DEPを買い戻すプログラムです。買い戻されたDEPの半分は、ステーキング報酬として使用され、残りの半分は2年間ロックアップされます。
買い戻したDEPはバーンされずに市場に戻りますので、価格形成に中立だと考えられます。当記事執筆時点(2023年7月25日)では、DEP Buyback Programの効果を確認できず、価格下落が続いています。
一般的に、Play to Earn はゲームの品質に問題を抱えている模様です。
ゲームのユーザーは主に2種類に分けられます。1つ目は、稼ぐことが目的のユーザーです。彼らはゲームの品質にかかわらず、稼げるときに稼いで現金化し、その後はゲームに戻ってきません。
もう1種類は、ゲームの質を重視するユーザーです。彼らにとって、Play to Earnゲームの品質は不十分です。今の世の中は無料ゲームがあふれており、ユーザーを満足させるのは容易でありません。また、ソシャゲなどで明らかな通り、本当に面白いならユーザーはお金を出します。
これに対し、Play to Earnは稼げる可能性があるにもかかわらず、ゲームの質を重視する層を集められずにいます。
従来のPlay to Earnは稼ぎ目的のユーザー偏重になっていた模様で、彼らが去った後はトークン価格が暴落します。そして、ゲームの質を重視する層は集まらず、ゲームの品質の問題が浮き彫りになっています。
ブロックチェーンゲームは、仮想通貨が値崩れを起こすとエコシステムの崩壊に向かいます。過去には、一世を風靡したSTEPNやアクシー・インフィニティなどの人気ブロックチェーンゲームが同じ運命を辿っています。
下はGST(STEPNで使われるトークン)の価格推移です。最高値は1,000円を超えましたが直近は2円弱で推移しており、価格下落率は99.8%になります。
画像引用:CoinMarketCap
そして下は、AXS(アクシー・インフィニティのトークン)の価格推移です。最高値は18,000円を超えましたが直近は900円前後で推移しており、価格下落率は95%になります。
画像引用:CoinMarketCap
価格の崩壊から回復したPlay to Earn銘柄は存在しない模様であり、DEP価格が回復するのは極めて難しいと考えられます。
さらに、「新規タイトル」「市場環境」「運営」の観点で考察します。
新規タイトルが人気になれば、DEPの価格上昇につながる可能性があります。
PlayMiningは、2023年までに20本のタイトルのリリースを目標としています。代表例として、メタバース関連プロジェクト「カムイバース」の開発が進められています。カムイバースは、漫画家の藤原カムイ氏が手がけるメタバースです。
画像引用:Fujiwara Kamui Verse公式ツイッター
メタバースとは、インターネット上に構築された三次元空間を指し、主にコミュニケーションツールやゲームとして利用されています。
しかし、それ以外の大型プロジェクトはないようです。カムイバースの実力は未知数ですが、新規タイトル1本だけで盛り返すのは難しいかもしれません。
DEPの最大供給量は300億枚に設定されています。そして、当記事執筆時点(2023年7月25日)で市場に供給されたDEPは、最大供給量の25%程度です。
つまり、需要が一定と仮定するならば、DEP価格は最終的に現在価格の4分の1にまで下落します。市場は下げ基調となり、上昇に転じるのは厳しいと考えられます。
Twitter上では、DEP価格の下落を止める対策が求められています。しかし、PlayMining運営がテコ入れする様子はないように見えます。DEP Buyback Programで買い戻したDEPは最終的に市場に戻されますので、価格に対して中立です。
トークンエコノミーに変化がなければ、DEPの需要と供給のバランスを改善するのは難しいと考えられます。
また、公式サイトで登録ユーザー数や登録ウォレット数を公開していますが、1年前に公開されたホワイトペーパーの数字とほぼ同じです。情報を更新していない可能性があり、月間アクティブユーザー数などの重要情報の公開について、後ろ向きになっている可能性もあります。
投資でDEP購入を考えるユーザーにとって、この種の情報は重要です。情報が古いまま放置される場合、投資家は運営の姿勢を疑問視する可能性があり、資金を集めるのは難しくなるでしょう。
仮想通貨DEPは価格の下落に歯止めがかからず、エコシステムの崩壊が心配されています。他のブロックチェーンゲームと同じ結末となってしまう可能性があります。
DEP価格の下落は、PlayMiningやPlay to Earnの本質的な問題によるところが大きいと考えられ、トレンドの転換には劇的な変化が必要かもしれません。
作成日
:2023.07.27
最終更新
:2024.03.05
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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