作成日
:2024.05.30
2024.09.02 16:20
DEP(ディープコイン)はGameFi関連の仮想通貨(暗号資産)で、PlayMiningやPlayMining NFTなどで利用できます。DEP価格は2021年末から下落を続けており、DEPを見限るユーザーも出てきています。一方、新規ゲームタイトルの追加や他企業とのコラボレーションなどへの期待感から、DEP経済圏に残り続けているユーザーもいるようです。
当記事では、DEP価格の下落要因を解説しつつ、今後の価格上昇の可能性を考察します。
仮想通貨(暗号資産)DEPは、2021年後半から2022年前半にかけて、STEPNやアクシー・インフィニティなどと共にGameFiブームを巻き起こした銘柄の1つです。
Game(ゲーム)とFinance(ファイナンス)を掛け合わせた言葉で、明確な定義はありませんが、主にPlay to Earn(遊びながら稼ぐ)の要素を取り入れたゲームを指します。その他の特徴として、GameFiはNFTと親密な関係にあることが多く、ゲーム内アイテムなどを資産として活用可能です。これらのNFTはマーケットプレイスで取引可能となっているので、売却して現金化することもできます。
当時人気だったGameFi関連銘柄は、いずれもバブルと呼べるほどの価格上昇を見せました。そしてその多くが短期間で下落しており、2024年5月17日現在でも、当時の価格水準まで回復した銘柄はほぼありません。
しかし、今も持続的に開発・運営を続けているプロジェクトは存在しており、DEPもその1つだと言えます。
そこで、ここからは以下の2つの視点でDEPの価格チャートについて確認します。
画像引用:CoinMarketCap
2021年末、仮想通貨DEPは8円を超える高値を記録しました。その後は右肩下がりで推移しており、当記事執筆時点(2024年5月17日)で0.3円前後を記録しています。
上のチャートだけを見ると、DEPはほぼ価値を失い、価格回復の見込みがないように感じるかもしれません。しかし、過去最高値を記録した時期を基準にすると、現在のプロジェクトの価値を見誤ってしまう可能性があります。
そこで、直近1年間の価格推移についても確認します。
画像引用:CoinMarketCap
直近1年間のチャートを見ると、一方向に下落を続けているわけではないことを確認できます。2023年10月には過去最安値の約0.1円を記録していますが、約3ヶ月かけて0.5円付近まで価格を戻しています。
その後、横ばいの期間を挟みながらやや下落し、当記事執筆時点(2024年5月17日)では0.3円前後を記録しています。
X(旧Twitter)では、仮想通貨(暗号資産)DEPや関連コンテンツに対する様々な反応が見られます。
肯定的な反応としては、2024年4月にローンチした参加型社会貢献コンテンツ「PicTrée(ピクトレ)~ぼくとわたしの電柱合戦~」に関するものや、2023年に始まったAI×VTuber事業の「いしとほし」に関するものなどがあります。
新規コンテンツの人気が出て、一次販売でNFTを購入するユーザーが増えれば、DEPの流通量は減少して価格が上昇しやすくなると考えられます。そのため、各コンテンツやゲームを純粋に楽しんでいるユーザーの他に、DEPの価格上昇を期待するユーザーからも肯定的な反応が見られます。
一方、仮想通貨DEPを用いるゲームの中で主要タイトルである「JobTribes」の報酬減や、「麺屋ドラゴンラーメン」のゲームプレイで直接DEPを稼げる機会が減ったことなどについては、否定的な意見も見られます。
また、DEP価格が過去最高値を記録した頃に参入し、今もゲームを続けているプレイヤーからは、DEP価格が明確な上昇トレンドに転じないことへの苛立ちの声も見られます。
仮想通貨(暗号資産)DEPはディープコイン(DEAPcoin)のティッカーシンボルで、発行企業名のDigital Entertainment Assetと、Platform(仕組み)・Possibility(可能性)・Participant(参加者)を意味する頭文字のPを組み合わせたものに由来します。
DEPはDigital Entertainment AssetのGameFiプラットフォームなどで使用でき、OKXやHTXなどの大手取引所に上場しています。
Digital Entertainment Assetは、主なサービスとしてPlayMiningとPlayMining NFTを提供しています。
PlayMiningは、DEPを報酬とするGameFiプラットフォームです。ゲーム以外にも、メタバースやAI VTuberなどのコンテンツを取り扱っています。一方、PlayMining NFTは、DEPで取引可能なNFTマーケットプレイスで、PlayMiningで利用できるNFTなどが取引されています。
画像引用:Digital Entertainment Asset
PlayMiningでは主力タイトルの「JobTribes」「麺屋ドラゴンラーメン」などを中心に、多数のゲームがリリースされています。
2024年5月17日現在、PlayMining上で確認できるタイトルは以下の通りです。
なお、「Graffiti Racer」と「SOUL Fusers」は公式サイトにタイトルが掲載されているものの、現在休止中となっています。
また、2023年12月には「Lost Archive+ -ロストアーカイブプラス-」というタイトルがサービスを終了しています。
仮想通貨(暗号資産)DEPの価格が下落している要因は、複数あると考えられます。
PlayMiningのユーザーは報酬としてDEPを獲得でき、ゲーム内で消費したりNFTの購入に使用したりできます。しかし、多くのユーザーは、DEPを売却して現金化すると考えられます。
PlayMiningはゲームタイトルを拡充させており、その分、報酬として排出されるDEPも多くなります。すなわち、ユーザーの利益確定による売り圧力が高まります。
PlayMiningでは、サードパーティ企業がゲームを公開しています。そして各ゲームでは、DEPがゲーム内トークンとして利用されています。
サードパーティ企業はゲームの運営を通じてDEPを獲得して収益とするため、DEPを売却して運営資金を確保していると考えられます。
PlayMiningはDEPの価格安定を目指しており、2023年1月から「DEP Buyback Program」が実行されています。しかし、DEPの需給バランスが取れておらず、供給過剰となっている状況です。
また、2023年1月からはPlayMiningのNFTをクレジットカードやデビットカード、PayPalで購入できるようにもなりました。対応しているのはオフィシャルストアでの一次販売のみで、ユーザー間の二次流通は引き続きDEPのみの決済となっています。
クレジットカード等での決済は新規ユーザーの獲得につながる部分もある反面、ユーザーはNFT購入のためにDEPを必要としなくなります。その結果、DEPの需要(買い圧力)の低下を招き、間接的な価格下落の要因の一つとなる可能性があります。
一般的に、Play to Earn はゲームの品質に問題を抱えている模様です。
ゲームのユーザーは主に2種類に分けられます。1つ目は、稼ぐことが目的のユーザーです。彼らはゲームの品質にかかわらず、稼げるときに稼いで現金化し、その後はゲームに戻ってきません。
もう1種類は、ゲームの質を重視するユーザーです。彼らにとって、Play to Earnゲームの品質は不十分です。今の世の中は無料ゲームがあふれており、ユーザーを満足させるのは容易でありません。また、ソシャゲなどで明らかな通り、本当に面白いならユーザーはお金を出します。
これに対し、Play to Earnは稼げる可能性があるにもかかわらず、ゲームの質を重視する層を集められずにいます。
従来のPlay to Earnは稼ぎ目的のユーザー偏重になっていた模様で、彼らが去った後はトークン価格が暴落します。そして、ゲームの質を重視する層は集まらず、ゲームの品質の問題が浮き彫りになっています。
ブロックチェーンゲームは、仮想通貨(暗号資産)が値崩れを起こすとエコシステムの崩壊に向かいます。過去には、一世を風靡したSTEPNやアクシー・インフィニティなどの人気ブロックチェーンゲームが同じ運命を辿っています。
下はGST(STEPNで使われるトークン)の価格推移です。最高値は1,000円を超えましたが直近は5円弱で推移しており、価格下落率は約99.5%になります。
画像引用:CoinMarketCap
そして下は、AXS(アクシー・インフィニティのトークン)の価格推移です。最高値は18,000円を超えましたが直近は1,100円前後で推移しており、価格下落率は約94%になります。
画像引用:CoinMarketCap
価格の崩壊から回復したPlay to Earn銘柄は存在しない模様であり、DEP価格についても過去の最高値水準まで回復するのは極めて難しいと考えられます。
一方で、過去最安値をつけた2023年10月頃の価格水準からは多少持ち直しています。最近のDigital Entertainment Assetの取組みを踏まえると、徐々に価格が回復していく可能性はあるかもしれません。
そこでここからは、「DEPバーンイベントの実施」「ゲームの報酬減」「法人営業」の観点で考察します。
DEP価格の上昇を図るため、2023年12月にDEPのバーン(焼却)イベントが実施されました。
画像引用:Digital Entertainment Asset公式X
2023年12月28日、YouTubeのPlayMining公式チャンネルにて、ライブ配信形式でイベントが行われました。
本イベントでは、ライブ配信中に約1億700万DEPがバーンされました。その後、2024年になってからDEPの流通量の減少がCoinMarketCapの表示にも反映されています。
イベント後、実際にDEP価格は上昇しているため、本イベントはDEP価格上昇に一定の効果があったものと思われます。
しかし、2024年2月頃から再びDEP価格は下落傾向にあるため、長期的な価格上昇を見込めるほどの影響力はなかったと言えるでしょう。
PlayMiningでリリースされているタイトルの中には、ユーザーが獲得できる報酬額が大幅に減少したものがあります。これは、市場に出回るDEPの量を減らし、価格上昇を図ることが目的だと考えられます。
例えば、JobTribesにおける2023年10月から2024年5月までのNFTクエストの報酬額の推移は以下のようになっています。なお、報酬が最も多い「Legendary」と最も少ない「Common」における、1日に獲得可能な報酬額を記載しています。
いずれも約半年間で大幅に報酬が減っています。これにより、DEPの市場流通量も減っているため、長期的に見ればDEP価格の下落に歯止めをかける施策となるかもしれません。
一方、2024年5月実施のNFTクエストについては、数ヶ月ぶりに報酬額が増加していることも読み取れます。これは、数ヶ月にわたる報酬減少へのユーザーの不満を緩和するために、一旦報酬額の増加に踏み切ったものと考えられます。
DEP価格の上昇は重要なテーマであるものの、ユーザーの報酬額をむやみに減らすこともできないため、ゲーム報酬の増減については今後もユーザーの反応を見ながらの対応が続くことが予想されます。
Digital Entertainment AssetのCEOを務める吉田氏は、X(旧Twitter)にて、法人クライアントを獲得するための営業活動の状況をたびたび投稿しています。
法人セールスのヨーロッパ展開を計画しております。
— NAOHITO"GORO"YOSHIDA DEP (@yoshidadea1) January 24, 2024
東南アジア、日本と展開してきましたがいよいよ今年は欧州に進出予定。
なんとしても成功させて、次はアメリカ進出も成し遂げたい。
DEPが下落してますが
— NAOHITO"GORO"YOSHIDA DEP (@yoshidadea1) February 20, 2024
相場なので波はあります。上がれば下がり下がれば上がる。一喜一憂せずに大企業様連携とゲーム開発と営業がんばります。
まだ、何も発表してないのでこれからです。
(先方様都合でニュースリリース遅れているだけでございます)#DEAPcoin#PlayMining#DEP
PlayMiningにおける法人クライアントとはすなわち、「ゲームプレイに必要なNFTを大量に保有してくれる大口ユーザー」にあたります。
法人クライアントの動向次第では、NFTおよびDEPの価格上昇につながる可能性があります。
2024年5月17日現在、クライアント企業との提携などに関する具体的な情報は明らかになっていないため、引き続き吉田氏が発信する情報には注目しておいた方がよさそうです。
仮想通貨(暗号資産)DEPは、過去最高値をつけた時期から長期間にわたり価格下落が続いていました。しかし、バーンイベントやゲーム内での報酬額の変更などを経て、少しずつ上昇の兆しが見えています。
しかし、2024年5月17日時点で確認できる価格上昇施策は、いずれも長期目線で効果が現れるものが多く、短期的に価格が急上昇するような施策は乏しいと言えます。
DEPに投資をしたり、実際にNFTを購入してPlayMiningのゲームをプレイする場合は、短期よりも長期的な利益を目指す方が得策だと言えるでしょう。
作成日
:2024.05.30
最終更新
:2024.09.02
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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