作成日
:2023.07.03
2023.09.03 10:30
ドルの強さを確認することができる「ドルインデックス」をテクニカル分析に採用すると、分析の精度を高められる可能性があります。
このドルインデックスは、一部の海外FX業者では取引銘柄として採用されており、MT4・MT5に表示させることができるインディケータも無料で配布されています。
この記事では、ドルインデックスをMT4・MT5に表示させる方法を紹介します。
ドルインデックスとは、ユーロや円、ポンドなどの複数の主要通貨に対する米ドルの価値を示した指数です。
ドルインデックスの数値が高い場合、主要通貨に対して米ドルが買われている状態です。逆に低い場合は、米ドルが売られていることを示しています。
ドルインデックスと呼ばれる指標は、実は一つではありません。インターコンチネンタル取引所(ICE)や米国連邦準備制度理事会(FRB)など複数の機関が独自に算出しており、構成通貨の比率も異なるため、同じタイミングで見ても異なる数値になっていることもあります。
FXのテクニカル分析によく利用されるのはインターコンチネンタル取引所(ICE)のドルインデックスです。ほかのドルインデックスは更新頻度が限られていますが、ICEのドルインデックスはリアルタイムで更新されることが特徴です。
ICEのドルインデックスは、以下の比率で算出されます。
通貨名 | 割合 |
---|---|
ユーロ | 57.6% |
円 | 13.6% |
英ポンド | 11.9% |
カナダドル | 9.1% |
スウェーデンクローナ | 4.2% |
スイスフラン | 3.6% |
ユーロの構成比率が約58%と高いことが特徴です。ドル高が発生するとユーロドルのレートは下降するため、ドルインデックスとは逆相関が発生することが多くなります。
ただし、半分近くはほかの通貨の影響もあるので、逆相関にならないこともあります。
ドルインデックスは、トレードする通貨ペアのチャートと見比べながら使用します。その際、通貨ペアのシンボル名のどちらの部分にドルがあるかによって、ドルインデックスと相関関係になるか逆相関になるかが決まります。
ユーロドルのようにシンボル名の右側にドルがある場合、ドル高になるとレートが下がりますので、「逆相関」の関係になります。一方、ドル円のようにシンボル名の左側にドルがある場合、ドル高になるとレートが上がりますので、「相関」の関係になります。
ドルインデックス自体も一部の海外FX業者ではCFD銘柄として取引ができます。
しかし、ドルインデックスは取引銘柄というよりも、ほかのドルストレートの通貨ペアを取引する際の参照指標として利用されることの方が多いです。
ドルインデックスの利用には、以下のようなメリットがあります。
ドルインデックスを活用すると、レート変動の原因がわかりやすくなります。FXの銘柄は、2つの通貨を組み合わせたものです。
そのため、例えばドル円のレートが上昇している場合でも、「ドルが強くて買われた結果上昇した」パターンと、「円が弱くて売られた結果上昇した」パターンがあるのです。
ドルインデックスを表示させると、どちらの要因が強いのかがわかりやすくなります。
ドルインデックスの上昇に伴ってドル円が上昇している場合は、ドルが強いために上昇していると考えられます。一方、ドルインデックスが下降しているのにドル円が上昇している場合は、円が弱いために上昇していると考えられます。
どちらの要因で動いているのかが把握できると、今後の値動きの予想に役立てることができます。
ドルインデックスは主要通貨に対してドルが買われているかどうかを示すものなので、ドルインデックスが上昇しているのに、個別の通貨ペアはドル高方向になっていなければ、ほかのドルストレート通貨の影響を受けてドル高方向に進む可能性があります。
相場の解説でも、「ユーロドルに引きずられてドル円も上昇」などの表現を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。もちろん、必ずドルインデックスと相関するとは限りませんが、参考情報にすることはできます。
ここからは、ドルインデックスをMT4・MT5に表示させる方法を紹介します。
ドルインデックスを取引できる海外FX業者では、気配値からドルインデックスを選ぶことで簡単にチャートに表示させることができます。
ドルインデックスに対応している海外FX業者は以下の通りです。
(*1)先物契約に連動したドルインデックスCFD
ドルインデックスは、デフォルトでは気配値に表示されていないことが多いです。
その場合、Myforexが作成した「MetaTrader4/5」のページを参考に気配値に追加してからチャートに表示させましょう。
Myforexが提供している「チャートオーバーレイインディケータ」を利用すると、ほかのドル円やユーロドルなどのチャートの上に、ドルインデックスのチャートを重ねて表示させることもできます。
ドルインデックスの動きとトレードしている銘柄のレートの動きの違いがわかりやすくなります。
ユーロドルなどのドルが銘柄名の右に配置される通貨ペアは、ドルが買われるとレートが下降しますので、ドルインデックスの動きとは逆相関になります。ドルインデックスの動きと相関するようにしたい場合は、「シンボル反転」パラメータを設定してください。
ドルインデックスの取り扱いがない海外FX業者であっても、ドルストレート通貨ペア6種類が取引銘柄の中に含まれていれば、インディケータで計算してドルインデックスをチャート上に表示させることができます。
計算に使うインディケータは、MT4・MT5を開発したMetaQuotes社が運営するコミュニティ「MQL5」より入手できます。
MT4ユーザーには、「DXY Dollar Index」というインディケータがおすすめです。
MT5ユーザーも、同様の機能がある「Dollar Index」を利用できます。
この2つのインディケータはどちらも、インターコンチネンタル取引所(ICE)のドルインデックスと同じ算出方法を採用しています。
ドルインデックスのインディケータは、構成銘柄のレートを参照して計算する仕組みです。そのため、構成銘柄の取り扱いがない海外FX業者では利用できません。特に、スウェーデンクローナは取り扱いのない海外FX業者も多いため注意が必要です。また、サフィックスのついているMT4口座でも利用ができません。
ドルインデックスのインディケータが利用できない海外FX業者・口座タイプをメイン口座として利用している場合、別の海外FX業者のデモ口座等でチャートだけ確認したり、ドルインデックス対応のチャート分析サービス「TradingView(トレーディングビュー)」を利用する方法があります。
MT4のDXY Dollar Indexでは、ドルインデックスそのものの表示に加えて、短期・長期のドルインデックスの単純移動平均線(SMA)を表示させることができます。
DXY Dollar Indexを活用すれば、ドルインデックスのレートの動きの特徴がよりわかりやすくなるでしょう。
色 | ライン |
---|---|
赤 | ドルインデックス |
黄色 | ドルインデックスの短期移動平均線 |
緑 | ドルインデックスの長期移動平均線 |
シンボル名の前や後にアルファベットや記号がついている口座では利用できませんので注意しましょう。
MT5のDollar Indexは、移動平均線を表示させることはできませんが、ドルインデックスが上向きか下向きかでラインの色が変わる機能がついています。
パラメータ設定画面で指定することで、シンボル名の前や後にアルファベットや記号がついている口座でも利用できます。
ドルインデックスのインディケータは、MT4やMT5に外部ファイルをインストールして利用する「カスタムインディケータ」になりますので、インストールと設定の作業が必要です。
パラメータ設定画面までは、DXY Dollar IndexもDollar Indexもほぼ同じですので、まとめて解説します。
MT4/MT5上部にあるメニューバーから「ファイル」をクリックし、「データフォルダを開く」を選択します。
データフォルダを開いたら、「MQL5(MT4の場合はMQL4)」フォルダをダブルクリックで開きます。
MQL5(MT4の場合はMQL4)フォルダの中にある「Indicators」フォルダをダブルクリックで開きます。
「Indicators」フォルダ内に、利用したいインディケータを保存します。
「Indicators」フォルダを閉じてMT4/MT5の画面に戻ります。「ナビゲータ」の「指標」(MT4の場合はインディケータ)メニューにカーソルを合わせて右クリックし、表示されるメニューから「更新」を選択してください。
「ナビゲータ」の「指標」(MT4の場合はインディケータ)内に反映されたインディケータを、ダブルクリックまたはドラッグ&ドロップでチャートに適用します。
インディケータの設定画面が表示されます。ここからは、利用するインディケータに応じた設定にしてください。
基本の設定は「パラメーターの入力」タブで行うことができます。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
short_term_SMA_period |
短期移動平均線を計算する期間をローソク足の本数で指定します。 |
2 |
long_term_SMA_period |
長期移動平均線を計算する期間をローソク足の本数で指定します。 |
このほか、「色の設定」タブでドルインデックスとその短期・長期移動平均線の色が変更できます。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
Bars to calculate |
計算を行うバー(ローソク足)の本数を指定します。 |
2 |
Symbols prefix |
シンボル名の前についているサフィックスを入力します。 |
3 |
Symbols suffix |
シンボル名の後についているサフィックスを入力します。 |
Dollar Indexでは、計算に使用するローソク足の数に加えて、サフィックスの設定が可能です。サフィックスが何もない場合は空欄で構いませんが、ついている場合は入力してください。シンボル名が「USDJPYm」だった場合、「Symbols suffix」の欄に「m」と入力します。
このほか、「色の設定」タブでドルインデックスが中立の場合、上向きの場合、下向きの場合の色が変更できます。
ドルインデックスのインディケータが表示できない場合、以下の3つの理由が考えられます。
DXY Dollar Indexでは、インディケータ適用直後はラインが正しく表示されないことがあります。その場合は、チャート上で右クリックすると表示されるメニューから、「更新」ボタンをクリックすると正常に表示されます。
DXY Dollar Index、Dollar Indexのどちらも、ドルインデックスを構成する銘柄のレートがMT4・MT5に入っている場合のみ利用できます。特にマイナー通貨であるスウェーデンクローナに対応していない海外FX業者では利用できないので注意しましょう。
一部の海外FX業者では、シンボル名の前や後にアルファベットや記号(サフィックス)がついている口座タイプがあります。
例えば、XMTradingではスタンダード口座のシンボル名には何もついていませんが、極口座のシンボル名には「#」がついています。
こうした サフィックスがついている場合、MT4のDXY Dollar Indexでは利用できません。一方、MT5のDollar Indexでは、パラメータでサフィックスを設定すれば利用できます。
FXは、視点を広く持った方が勝率を上げやすいといわれています。トレードしている通貨ペアだけではなく、為替市場全体のドルの傾向が読み取れるドルインデックスを取り入れると、視点を広げられるでしょう。
このような視点を広げる方法には、ほかにも主にトレードしている時間足より上位の足も分析するマルチタイムフレームの考え方などがあります。
ドルインデックスはTradingViewでも利用できますが、直接トレードに利用するMT4・MT5に表示させることができるのは、銘柄数が多い海外FX業者ならではのメリットです。
ツールは無料で利用できますので、ぜひ試してみてください。
作成日
:2023.07.03
最終更新
:2023.09.03
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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