作成日
:2023.02.10
2023.11.11 00:21
Damus(ダムス)は分散型SNSでTwitterと同じような機能を採用しており、Twitterに取って代わる可能性を期待されています。
2023年2月にiOSデバイス向けにリリースされたばかりですが、ダウンロードランキングで上位にランクインするなど、早くも話題となっています。また、Twitter創業者のジャック・ドーシー氏を筆頭に、多くのインフルエンサーに注目されており、日本国内ではブロガーやYouTuberとして活動するマナブ氏が言及しています。
当記事では、DamusでできることやTwitterと比較した特徴などを解説していきます。
Damusは分散型ネットワーク「Nostr」上で構築されており、TwitterのようなSNSです。Twitterに取って代わる可能性があることからTwitterキラーと呼ばれています。
画像引用:Damus
従来のSNSと異なり、分散型の環境でサービスを提供しています。また、「SNSを自分でコントロールしよう」をコンセプトにしており、セキュリティやプライバシー、仮想通貨との親和性の高さを強みとしています。
なお、Twitterと見た目や機能が似ていて日本語にも対応していますので、初めて使う人でも分かりやすいです。スマホやタブレット用のアプリがiOS向けに提供されており、Appストアからダウンロードできます。
DamusはiOS向けですがAndroid版もあり、アプリ名はAmethyst(アメジスト)です。DamusとAmethystは開発者が異なるので別アプリですが、Nostrで作られているという点で同じです。
画像引用:Google Play
Damusは新しいサービスですが、世界的な注目を集めています。公開後まもなく5万ダウンロードを達成し、ダウンロードランキングの上位に食い込んでいるとの報告もあります。
DamusがAppストアの申請成功について報告したツイートには、当記事執筆時点(2023年2月9日)で3,000以上のいいねがついており、その注目度の高さがうかがえます。また、フォロワー数は3万人を超えており、コミュニティの強力なサポートを得ています。
APPROVEDhttps://t.co/oipEFwaTcg
— Damus⚡️ (@damusapp) January 31, 2023
日本国内の仮想通貨コミュニティでは、インフルエンサーのマナブ氏がTwitterで紹介して話題となっています。同氏はDamusのアカウントを作成して公開しており、これにフォロワーが反応してDamusに登録する人が出ています。
DamusにはTwitterの創業者ジャック・ドーシー氏も早くから注目していました。2023年2月1日にアプリがAppストアに公開された際には、Damusが利用可能になったことをツイートしています。
また、ドーシー氏はDamusの基盤となるNostrを支援するために、14BTC(約4,200万円)を開発資金として提供しました。
以前からビットコイン(BTC)がインターネットの基軸通貨になると発言しており、Damusがビットコインの投げ銭に対応していることも、ドーシー氏がDamusに関心を寄せる要因のひとつになったと考えられます。
Damusは中国内でユーザー数が急増した模様です。中国はインターネットを厳しく規制しており、多くの人々が言論の自由を求めて流入したと考えられています。
しかし、Damusは中国政府機関の要請で中国版Appストアから排除されました。「中国内で違法なコンテンツが含まれており、Appストアのガイドラインに準拠していない」ことが原因だと説明されています。
中国政府は仮想通貨取引や仮想通貨マイニングなどを全面的に禁止しています。中国内の仮想通貨コミュニティは、海外取引所やP2P取引、DEX(分散型取引所)などのDAppを利用することで仮想通貨市場に参加してきました。中国政府は監視を強めており、国内からのアクセスを遮断したり、運営会社に圧力をかけるなどの強硬策を講じることもあります。
当記事執筆時点(2023年2月9日)において、Damusはダウンロード数が伸びていますが、Twitterには遠く及びません。テクノロジーに敏感なユーザーやプライバシーを重要視するユーザーなど、一部のTwitterユーザーが流入していると考えられます。
Damusは既存のSNSと異なり、秘密鍵の管理が必要で技術的なハードルがあります。このため、本格的に流行するには、Damusの前にWeb3.0関連サービスが広く一般に普及する必要があるかもしれません。
Web3.0とは分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は、大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では個々のユーザーが重要な役割を担います。
なお、仮想通貨市場では、PhaverやPeepethなどSNSをテーマとしたDAppが続々と登場しており、競争が激化していくと予想されます。
その中でもDamusは注目を集めており、新機能の実装などが順調ならば競争で優位に立てる可能性があります。
Damusは近日公開予定のアップグレードで、報酬システムを実装する予定です。詳細は不明ですが、ユーザーは投稿のエンゲージメント(いいねやリポスト、表示回数)などに応じて、報酬としてSatoshiをもらえる見込みです。
Satoshiはビットコインの最小単位です。0.00000001BTC=1Satoshi となっており、少額のビットコインのやり取りなどに用いられます。
このような仕組みは、分散型SNSによく見られます。コンテンツをシェアして稼ぐという意味で「Share to Earn」などと呼ばれることもあります。DamusがShare to Earnの報酬システムを導入すれば、それが後押しとなってユーザー数が増える可能性があります。
当記事執筆時点(2023年2月9日)で、Damusは簡易版Twitterのようなイメージです。
NFTをプロフィール画像として利用できます。
Twitterのツイートと同じように自身のコンテンツを発信でき、Damusではこれをポスト(Post)と呼びます。また、タイムライン上でフォロワーやその他ユーザーのコンテンツを閲覧できます。
Twitterの「フォロー」「いいね」「リツイート」に相当する機能を使って、他のユーザーと交流します。
他のユーザーにプライベートなメッセージを送れます。暗号化されますので、第三者には漏れません。
ライトニングネットワークを使って、気に入ったユーザーにBTCで投げ銭ができます。
ライトニングネットワークとは、ビットコインブロックチェーンの負荷を軽減し、取引速度や手数料の問題を解決するために開発された技術です。この技術を使うと、ごく少額な決済ができます。
DamusはTwitterキラーと呼ばれ、Web3.0版の代替サービスとして期待されています。Twitterと比較したDamusの特徴として、以下のようなものが挙げられます。
既存のアプリは運営企業によって管理されています。TwitterはTwitter社によって運営されており、会社の都合でルールを変更したりデータを削除したりできます。
一方、Damusは分散型ネットワークを基礎に構築されています。特定の管理者はおらず、リレーサーバーで管理します(Dappとは構造が異なります)。
Twitter現CEOのイーロン・マスク氏は、2022年にTwitter買収を表明した際に、同社による検閲を問題視しました。従来のTwitterは、特定の投稿を弾くアルゴリズムを導入したり、好ましくない人物のアカウントを凍結したりしてきました。
イーロン・マスク氏は、Twitterを買収してCEOに就任してから経営改革を行なっています。ニュースのキュレーションを廃止するなど勢力的に動いており、仮想通貨関連機能の実装も進めている模様です。
一方、Damusは「SNSを自分でコントロールしよう」をコンセプトにしており、投稿が第三者に検閲されることはなくNostrに記録されます。
Twitterで登録する際、電話番号やメールアドレスなどの個人情報の登録が求められます。Twitterアカウントはこれらの情報に紐付けられて管理されます。
一方、Damusでは登録時に公開鍵と秘密鍵が発行され、この2つの鍵で管理しますので個人情報は不要です。すなわち、個人情報がアカウントから漏れるリスクはありません。ただし、IPアドレス等の検証等は可能ですので、完全に匿名というわけではありません。
公開鍵と秘密鍵は情報の暗号化や復号のために使われ、仮想通貨では送金やDAppへアクセスするために利用します。なお、公開鍵はID(識別番号)のようなもので開示しても構いませんが、パスワードとなる秘密鍵は誰にも知られないように保管します。
Damusのダイレクトメッセージは、暗号化されて送信されるので内容が外部に漏れることがありません。ただし、秘密鍵が外部に漏れていないことが前提です。
Damusは新しいサービスであり、既存のSNSと大きく異なります。利用する上での懸念点としては以下のようなものが挙げられます。
Damusは検閲がないことがひとつの売りとなっています。検閲がないので自由にコンテンツを発信できますが、それが仇となる可能性もあると考えられます。
既存のSNSは、運営企業が不適切なアカウントを凍結したり、コンテンツを削除したりできます。Damusでは、フィルタを使うことで不要な投稿を受け取らないようにできます。
秘密鍵を無くしてしまった場合、自分のアカウントへのアクセスを失ってしまいます。
Damusのアカウントは個人情報などと紐付いていないので、復旧できません。この場合、公開鍵と秘密鍵のペアを発行して、新しいアカウントを開設します。
もし、秘密鍵が第三者の手に渡ればアカウントを乗っ取られる可能性もあり、自身のアカウントが詐欺などに利用されるリスクもあります。
当記事執筆時点において、DamusはTwitterと比較して機能面で劣るので、継続的な開発活動が必要になるでしょう。近日中のアップグレードでは、報酬システムの実装が予定されていますが、これが流行のきっかけとなるのでしょうか。日本でも認知が高まっているので、分散型SNSに興味があれば、Damusを使ってみるのも良いかもしれません。
作成日
:2023.02.10
最終更新
:2023.11.11
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
仮想通貨USUALの将来性は?RWA活用のステーブルコインプロトコルを解説
2024.11.20 20:00
Milton Marketsが2024年11月より最大100%分入金ボーナスを開催
2024.11.20 19:30
スマホ版MT4のやさしい使い方ガイド~iPhone&Androidの基本操作~
2024.11.20 19:00
ZoomexがクリプトバトルZを開催!毎週開催の取引大会で現物USDTやボーナスを獲得
2024.11.15 20:00
ゴールドラッシュXMは本当に儲かるのか?ほぼ破綻リスクゼロのEAの実力は
2024.11.14 20:30
Titan FXがブラックフライデーキャンペーンを開催!取引でキャッシュバックが付与
2024.11.14 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー