作成日
:2022.10.05
2022.10.05 15:23
2022年10月のポンド相場は、上値の重い展開が続きそうです。
円買い介入の円高はあるものの、金融政策の違いや金利差といった理由から、円安トレンドは継続すると見ています。
双子の赤字は、ある国が経常赤字と財政赤字を同時に抱えている状態を指す経済用語です。この状態では、経常収支または財政収支のどちらかが悪化すると、もう一方も連動して悪化するという悪循環が生じやすくなります。
日銀は緩和政策の維持を発表し、数年は利上げしないと発表しています。しかし、日本以外の主要国では物価上昇抑制のために利上げを進めており、マイナス金利を採用していた欧州中央銀行や、スイス国立銀行もマイナス金利を解除しているという状況です。
また、日本の貿易赤字は過去最大となっており、実需面の観点から見ても円安トレンドは継続すると考えられます。貿易赤字が膨れ上がった主な要因は、コロナ禍でインバウンドなどの外貨収入が激減したことと、ロシア・ウクライナ情勢によるエネルギー価格上昇から引き起こされた輸入価格の上昇です。この2点が改善しない限り、円安トレンドに変化は出ないと見ています。
一方で円安トレンドを抑えるため、日本政府は9月22日に円買いの為替介入を実施済みです。米国は、日本による円買い介入に一定の理解を示しましたが、介入は協調ではなく日本単独で行ったものと発表、欧州も日本による単独介入だと発表しています。今後も、日本政府は断固たる措置を執るとしており、円安が進んだ際には追加で円買い介入を行う見込みです。
どのタイミングで円買いが入るのか、規模はどのくらいなのか、いつまで介入の原資となる外貨準備高が持つのかに注目しています。
スイスフランショックのように、マーケットvs日本の構図にならないか注目しています。
9月末時点における、ポンド円の日足チャートです。9月のポンド円は、149円を割り込む下ヒゲを付けたあと、再び160円前後まで大きく戻しています。
画像引用:Tradingview
10月も円高に進む可能性があるので、押し目狙いは慎重に。
画像引用:Tradingview
ファンダメンタルズの大きな変化がない限り、上記の価格では売りを検討しています。
米国の利上げ継続方針を受けて、ドル高が続くと見ています。
米国では、8月の消費者物価指数が予想を上回る結果でした。また、9月の連邦公開市場委員会で発表された政策金利見通しは、2022年末で4.4%、23年末で4.6%と前回6月時点(22年末3.4%、23年末3.8%)から大幅に引き上げられました。予想より高いターミナルレート(利上げの最終地点)と、24年まで利下げが想定されていないことが示された形です。
想定以上に強硬的な内容だったため、米金利は上昇してドル買いが再開されています。また、景気見通しは下方修正されたものの、連邦準備制度理事会のパウエル議長はインフレ抑制を優先させるとの見解です。
主要各国では米国と同様、物価上昇を抑えるためにハイペースな引き締め政策が進んでおり、エネルギー価格の上昇と併せて景気後退が進んでいる状況です。ただ、米国は欧州や英国と比べてエネルギー自給率が高く、エネルギー価格の上昇による影響を受けにくいため、エネルギー価格の上昇はドル高の要因にもなっています。
少し前まで米国はドル高に敏感でしたが、最近はドル高が進むことで米国の輸入物価が低下し、インフレ率低下の追い風になっていることから、ドル高は容認ないし歓迎の雰囲気です。これらのことから、当面はドル高トレンドが継続すると見ています。ドル高の気配が弱まったとしても、ドル安に転換することは考えにくい状況です。
9月末時点における、ポンドドルの日足チャートです。ポンドドルは、9月後半に1.120ドルを抜けて大きく下落した後は反発し、1.100ドル台まで戻しています。
画像引用:Tradingview
しっかり下に引きつけて買うようにしてください。
画像引用:Tradingview
戻り売りを狙うか、あるいはブレイクしたら高値を追いかけるかは、ファンダメンタルズ分析も参考にしてください。
イギリスではボリス・ジョンソン前首相が辞任し、後任としてリズ・トラス首相が誕生しました。トラス新政権は1972年以来の大規模な減税を打ち出しており、政府の財政赤字が懸念されています。
イギリスは大量の国債を発行している国です。物価高抑制のために英中銀が利上げを進めれば金利は上昇し、国債の利払いが増えて財政の負担になります。今回、トラス新政権は物価高対策として減税を行っていますが、減税することで消費意欲は高まり、インフレが加速するとの見方が多いようです。
インフレが進むと、英中銀は次回の金融政策発表で1.00%の利上げを発表するのではないかと見られており、一部では緊急利上げも予想され始めています。金利の上昇による利払い増加に、トラス新政権の減税策による税収の低下と、財政赤字の懸念がダブルで持ち上がっている状態です。
財政赤字は国債のデフォルト懸念にも繋がるため、英国債は売られて金利が急騰し、ポンドが売られる展開となっています。トラス新政権の政策方針が変更されない限り、10月もこの流れが継続すると見られており、一部ではポンドとドルのパリティ、つまり1ポンド=1ドルの値を割り込むことも予想され始めているほどです。
また潜在的リスクとして、国民や英連邦から信頼の厚かったエリザベス女王が亡くなり、チャールズ皇太子が新国王として即位したことにも注目しています。特に、チャールズ皇太子が73歳と高齢であり、どうしてもエリザベス女王に比べると不安が残るという点です。
エリザベス女王が亡くなったことによる影響の一例として、今までも独立に向けて国民投票を進めていたスコットランドにおいて、独立の機運が高まるのではないかと考えています。
豪州やニュージーランドにカナダなど、英連邦の動きにも注目しています。
作成日
:2022.10.05
最終更新
:2022.10.05
英ポンドを中心にトレードを行う大学生トレーダーで、2021年の合計利益は4,000万円にのぼる。公式Twitterでもテクニカル分析等の情報発信を行い、フォロワー数は5,000人以上。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法を用い、Myforexでは月初にポンド通貨ペアの戦略を連載している。
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