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若手漁師で結成された「牡蠣若手の会」がNFTで業界を活性化

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update 2023.03.16 15:54
若手漁師で結成された「牡蠣若手の会」がNFTで業界を活性化

update 2023.03.16 15:54

世界的なNFTの流行に乗って、日本でもアートやゲームなどの分野でNFTが流行しています。NFT関連の団体や企業が活動をサポートしていることもあり、NFT関連の取り組みがいたるところで目立ち始めました。最近では、全国の若手牡蠣漁師で結成された「牡蠣若手の会」が話題となっています。

この会が発行したNFTを持っていると、牡蠣を割引価格で買えるなどのメリットがあります。

業界の未来を変える牡蠣若手の会

牡蠣若手の会は、発起人の杉村尚紀氏に加え、日本全国で牡蠣を生産する漁師10名程度が参加する集まりです。「牡蠣業界の未来を変える」をコンセプトに、SNSで情報発信しており、産業を持続可能なものにすることを目指しています。

牡蠣若手の会ホームページ

画像引用:OpenSea

今回、その活動の一つ、NFTアート「AbyssCrypto」(通称「アビクリ」)が注目を集めており、業界最大の日刊紙である水産経済新聞に取り上げられました。

NFTアートのAbyssCrypto

AbyssCryptoは、漁師の日常を描いたボクセルアートのNFTです。牡蠣若手の会は「NFTを通して、この産業を深海から海面へ押し上げたい」との想いから、深海を意味するAbyssの名称を付けたと説明しています。AbyssCryptoは、異なるデザインのNFTを公開しています。作品は、OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスで購入可能です。

OpenSeaにおけるAbyssCryptoの出品画像

画像引用:OpenSea

point ボクセルアートとは

ボクセルアートとは3Dのピクセルアートです。立体感のあるドット絵のようなテイストで、キャラクターや風景、建物などを描きます。NFT界隈で広く親しまれており、無料作成ツールなども登場しています。

話題になった理由

NFTは、ゲームアイテムで使われたり、絵画や動画で使われたりしています。そしてMove to Earnの登場により、NFTと日常生活の間の距離はとても近くなりました。しかし、具体的な商品とNFTの結びつきを実感するには、まだ時間を要しそうです。

しかし、牡蠣については、現実世界とNFTが結びつきつつあります。割引価格で買えたり、イベントで優遇されたり。これに、運営者の熱量の高さも加わって、話題になりつつあります。

将来的には「eat to earn」(食べて儲ける)を展開するプランも披露されており、今後の話題に期待できます。

NFT発行で課題解決を図る

現在、生産者から消費者に商品を届けるまでに、仲介業者や小売店等を経由することが一般的です。牡蠣若手の会は、この構造が薄利なビジネスの原因となっており、弱い広告宣伝や後継者問題と併せて、解決すべき課題だと認識しています。

具体的には、自前のECサイトなどを通じて、消費者が生産者から直接購入する「DtoC(消費者直接取引)」モデルの構築に取り組んでいます。

牡蠣若手の会は、NFTアートでDtoCモデルの構築加速を狙っています。当記事執筆時点で、NFT保有者への特典に加え、NFTの無料配布、メタバース空間への出店などのアイディアが挙げられています。

牡蠣若手の会ホームページ

画像引用:牡蠣若手の会

保有者への特典

AbyssCryptoの保有者には、様々な特典が用意されています。例えば、牡蠣若手の会の「鈴木水産」で、牡蠣を12%オフで購入できるクーポンが配布されました。他には、ルーレットを回し、ランダムな牡蠣や海鮮物のプレゼントが当たるキャンペーンなども計画されています。

次々に新しいサービスが出ていますので、今後も新キャンペーンを期待できそうです。

中期的なロードマップ

牡蠣若手の会のホームページでは、AbyssCryptoの中期的なロードマップが公開されています。

それによると、2022年中に200以上のNFTを追加し、水産業におけるNFTの代表格としてのブランドイメージ確立を視野に入れています。また、2023年にはメタバースでの海産物の販売に着手しつつ、保有者の拡大と特典の拡充を図ります。2022年7月現在、牡蠣若手の会の協力企業は6社に留まっていますが、2024年までにその数を拡大しながら、NFTを通じてDtoCの利用が当たり前になる環境の構築を目指します。

直近では、2022年7月2日に東京の品川区で「NFT x 牡蠣試食会」と題したイベントが実施されました。AbyssCryptoを保有していれば、牡蠣試食会の参加費1,000円が無料であり、今後も同様の特典を期待できます。

日本で拡大するNFTの活用事例

これまで仮想通貨市場でNFTは、デジタルアートやゲームアイテムとして利用されてきました。しかし、ここにきて日本国内では、多くの企業がNFTに関心を示しており、飲食やアパレル、農業などの分野で同技術の活用が拡大しつつあります。例えば、ウイスキー樽をNFT化して所有する「UniCask」や、実物の盆栽の普及を目的とした「BONSAI NFT CLUB」、畑や果物の権利をNFT化する「おしながき」などが活用事例として挙げられます。

AbyssCryptoはこの流れの中で生まれた海産業界の事例ですが、どのような成果につながるのでしょうか。今後も牡蠣若手の会の取り組みから目が離せません。


Date

作成日

2022.07.04

Update

最終更新

2023.03.16

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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