作成日
:2022.07.04
2023.03.16 15:54
ホライゼン(ZEN)は、ジーキャッシュ(Zcash)を起源とする仮想通貨(暗号資産)です。残念ながら国内取引所での取り扱いはないものの、「Horizen Faucet」を利用すると、ZENを毎日無料でもらえます。そこで、無料でコツコツと貯めて、海外取引所等で売却することができます。
また、現在のZENは安定していますが、かつて、外部の攻撃に晒されたことがありました。その攻撃の回避方法を紹介するとともに、ZENが重視するプライバシー保護の仕組みや将来像について解説します。
ホライゼンは、ジーキャッシュを起源とするプロジェクトで、2018年8月に誕生しました。共同設立者の中には、Robert Viglione氏などがいます。彼は、DeFi(分散型金融)関連サービス「AAVE」のアドバイザーを務めるなど、活躍しています。そして、Horizen Labsを中心に開発活動が進められ、2019年に400万ドルの資金調達に成功しました。
こうして開発が進められているホライゼンは、幅広い利用が可能です。具体的には、企業向けのソリューション「zkAudit」や、ブロックチェーンゲームプラットフォーム「Game Station」、報酬付与が可能なマーケティングプラットフォームなどです。
また、独自仮想通貨「ZEN」を発行しています。ジーキャッシュがビットコイン(BTC)のクローン(複製)的なプロジェクトであることから、ZENの発行上限数はビットコインと同じ2,100万通貨に設定されています。
ZENは、ジーキャッシュから複数のハードフォークを経て誕生した仮想通貨です。ハードフォークですのでジ―キャッシュもそのまま存在しています。2022年6月時点の時価総額で比較すると、ジーキャッシュが51位、ホライゼンが143位となっており、知名度としてもまだ本家のジーキャッシュの方が高い状況です。今後追い抜けるかどうかにも注目が集まります。
なお、ジーキャッシュから直接ハードフォークしたわけではなく、「ジークラシック」にハードフォークした後「ゼンキャッシュ」という仮想通貨にハードフォークし、それがブランド変更によりホライゼンとなりました。
ホライゼン人気の理由の一つに、「Horizen Faucet」を使ってZENを無料でもらえることがあります。
Faucetとは、日本語訳で「蛇口」です。すなわち、Horizen Faucetとは、蛇口をひねればZENが出るという意味であり、毎日無料でZENをもらえます。「Horizen Community Hub」に登録してウォレットを接続すれば、ZENを毎日もらえます。
画像引用:Horizen
連日で請求すると、ボーナスとして更に多くのZENを獲得することができます。それ以外にも、Web3.0ブラウザのBraveブラウザを利用したり、仮想通貨を売らずにHODL(長期保有すること)したり、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)のSNSアカウントを連携させると、より多くの報酬をもらえます。
Horizen Faucetは無料でリスクなく利用できるので、これを機に挑戦してみるのも良いかもしれません。
ホライゼンは、以下の特徴を持っています。
ホライゼンは、ブロック生成のルールにビットコインと同じPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用しています。PoWは51%攻撃と呼ばれる攻撃に弱く、ホライゼンはリブランディング前のゼンキャッシュ(ZenCash)時代に、51%攻撃の被害を受けた経験があります。
51%攻撃とは、PoWを採用するブロックチェーンにおいて、51%以上のハッシュレート(マイニングを行う際の計算力)を確保することで、不正な送金を承認するハッキング手法です。マイナーが少なかったり、ハッシュレートが低かったりすると、攻撃の被害を受けやすくなります。攻撃が成功すると、不正に資金が流出する可能性があります。
しかし、ホライゼンはマイニング報酬を調整してマイナーの数を保つことで、ネットワークの健全性を維持しています。また、51%攻撃を回避するために、ブロック情報報告の遅れに対するペナルティ制度を導入しています。
ホライゼンは、プライバシー性能を重視しています。一般的なブロックチェーンでは、全ての取引情報が公開されています。これに対し、ホライゼンでは、詳細情報を隠して送金可能です。
また、送金情報を隠した匿名取引だけでなく、通常の取引も可能です。ユーザーは、送金目的に応じて使い分けることができます。
また、独自のサイドチェーン「Zendoo」を実装しています。Zendooは、複数のブロックチェーンをまたぐ取引や匿名取引などに対応しており、様々な用途に利用可能です。
なお、サイドチェーンとは、メインとなるブロックチェーンに並列に接続されるブロックチェーンを指します。サイドチェーンはスケーラビリティ問題の改善に役立ちます。その他、新しい機能を追加したり、独自仮想通貨を発行したり、DApp(分散型アプリ)を構築する基盤にもなります。
Zendooソフトウェア開発キットを利用すれば、より容易にDApp開発が可能です。当記事執筆時点(2022年7月で、ソフトウェア開発キット「Blaze」が公開されています。これは、情報の秘匿性・処理速度・信頼度を備えており、企業による利用を想定しています。
仮想通貨ZENは、マイニング報酬として分配されています。そして、取引所で現金化するだけでなく、サイドチェーンのノード運営の担保金として利用することもできます。
当記事執筆時点(2022年7月)で、ZENは総供給量の約60%が発行されています。その時価総額は1億7,000万ドル程度で、仮想通貨市場全体では150位圏内に位置しています。
2017年当初、ZEN価格は10ドル以下で推移していました。2018年の仮想通貨バブルの際には、60ドルを超える高値をつけましたが、その後、低調な値動きとなりました。2021年に再び高騰し、約150ドルの史上最高値を更新したものの、仮想通貨市場全体の流れに引きずられて下降トレンドに突入しています。2022年6月末時点でZEN価格は、13ドル付近です。
画像引用:CoinMarketCap
ホライゼンは、パートナーシップを軸にエコシステムを強化しています。このパートナーには、IOHKも含まれます。IOHKは、カルダノ(ADA)を開発しています。また、日本のNTTデータや多数の教育機関なども存在します。ホライゼンは企業向けのブロックチェーンソリューションも開発が可能となっているので、パートナーシップを拡大して利用例を確立することが期待されています。
その他、組織運営の面では、より透明性の高いブロックチェーンを目指すために、Horizen Labs主導の体制からDAOに移行することが計画されています。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「自立分散型組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。DAOは、中央集権型の組織と比較して、より民主的で透明性の高い存在と見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用され始めています。
さらに、ロードマップによると、2022年中にEVM(イーサリアム仮想マシン)に対応し、サイドチェーンを活用してDeFi関連サービスの立ち上げを支援することが見通されています。
EVMはイーサリアム(ETH)ブロックチェーンと互換性を高める技術として広く利用されています。EVMを実装すれば、イーサリアムを基礎とする異なる規格の仮想通貨取引や、Dappの移植などがより簡単になります。
2022年中の計画として、ブラウザベースのウォレット開発、サイドチェーン同士の互換性の向上、ブロックチェーンエクスプローラー(ブロックチェーン上の情報を検索するツール)の実装などが計画されています。
2022年8月、ホライゼン初のNFTコレクション「Zero Gravity」のリリースが発表されました。このNFTコレクションは、ホライゼンのコミュニティイベント「ZenCon0」向けに制作されたものです。
Zero Gravityは、250個のデジタルアートからなるNFTコレクションです。ホライゼンのマスコットキャラで作られており、ZenCoin0の参加者や関係者に配られる予定です。
なお、Zero Gravityは「TokenMint」を利用して制作されました。TokenMintはプログラム不要のトークン発行プラットフォームで、2022年7月に公開され、NFTのサポートも計画されていました。このツールの公開により、ホライゼンのエコシステムでも、NFT関連活動が盛り上がっていくと考えられます。
ホライゼンは高いプライバシー性能を有しているため、ZENはプライバシートークンと呼ばれています。仮想通貨市場には、ZENを始めプライバシートークンがいくつか存在します。今後、これらの仮想通貨の需要は拡大する可能性があります。
理由としては、ブロックチェーン上に取引履歴が公開されて匿名性が失われることを嫌ったり、国家の圧政から逃れたい人々の利用が増えたりすることなどが挙げられます。
一方で、ハッカーによるマネーロンダリングなど、犯罪利用が心配されています。そのリスクを排除するために、各国は規制の動きを強めています。2022年8月には、匿名送金が可能な「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」が米当局の制裁を受けました。
このようなことから、プライバシーコイン全般も規制の対象となる可能性があります。仮想通貨市場では、プライバシーに対する意識が高いことは間違いありません。しかし、規制が強まれば、上場廃止やプロジェクトに対する制裁などの流れが生じるかもしれません。
プライバシーコインの機能を持つホライゼンは、仮想通貨市場全体の恩恵を受けながらも、少なからず規制の影響を受けると予想されます。
ホライゼン(ZEN)は、日本国内の取引所で取り扱いはありません。そのためBinance(バイナンス)やBybit(バイビット)などの海外取引所で取引することになります。
日本語対応の海外取引所でのZENの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
取引所 | 現物 | デリバティブ |
Binance(バイナンス) | 〇 | 〇 |
Bybit(バイビット) | 〇 | 〇 |
Gate.io(ゲート) | 〇 | 〇 |
CoinEX(コインイーエックス) | 〇 | 〇 |
MEXC(メクシー) | 〇 | × |
BingX(ビンエックス) | × | × |
Bitget(ビットゲット) | × | × |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
海外取引所は日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
ホライゼンは、強力なコミュニティを有しています。中規模な仮想通貨関連プロジェクトにもかかわらず、その開発活動は活発でGitHubなどでは、多くの者たちが議論に参加しています。
プライバシー保護、スケーラビリティ問題、セキュリティなど、ブロックチェーンが抱える課題の改善を目標にしています。これらの取り組みは、実を結ぶでしょうか。結果次第ではZEN価格にも好影響となるので、ホライゼンの開発活動からは目が離せません。
作成日
:2022.07.04
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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